レントのはじける映画館

おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!のレントのはじける映画館のレビュー・感想・評価

4.5
【TVerお気に入り数】( )はFilmarks評価
★5話時点→38.0万(3.5)
★最終話時点→40.4万(3.7)

原田泰造さん演じる"家族からも嫌がられる古い価値観を持った堅物の「おっさん」"が、とあるゲイの青年との出会いによって、これまでの自分をアップデートする話。

とにかく良いドラマだった。続きがすぐに観たくなるドラマだった。毎話考えさせられて、感動して。多様性をうたう社会において、未だ生きづらい人がたくさんいて、全てが思い通りにいかない描き方もすごく色んな人に寄り添った作品だなと思った。お父さんもケーキを買って帰ったり、家族の心配をしたりする優しさや、考えは古くともアップデートしないといけないと思ったり、間違いは間違いと認めて誠心誠意謝ったりする姿勢は、憎めないところがあるし、良いお父さんだと思う。自分らしさを貫くのは難しいけれど、みんなが自分らしくあれたら絶対に明るい社会になると思う。時代が変わっている今だからこそ、こういう作品があってくれて嬉しかった。ここから下は個人的に大切にしたい、印象に残ったセリフたちです。↓

彼らを心から理解できる日が来るだろうか

「こう考えたら どうかな?」

自分でも分からないものを他人から決めつけられるのはストレス。

その時どんだけ悔しくて腹が立ってても誰か近くにいる人が、そのつらさ以上の愛を示してくれたら…

無理かもしれないのに、やってみようと思ってる僕偉い。

世間が待ってくれないから、家族が待ってるふりをするんじゃないの?

いつも決めつけるのは、俺たちじゃなくて世の中じゃないか!

他人の方が役に立てることもあるから。

常にアップデート、これが基本です。

もしかしたら翔君自身もまだ悩んでいて、自分がどうありたいのか、周りにどう接してほしいのか、まだ決まってないのかもしれません。

俺たちって、何かは諦めなきゃいけないのかもな。

大切な相手がいると、いろんなもんを持たなきゃいけないもんだと思う。心配とか悩みとか。だからもし相手が、悩みを吹き飛ばしてくれるとか、励ましてくれるとか、そういう力をくれたら最高だ。

どうして?どうして誰かと仲良くしてると、すぐに好きとか付き合ってるとか考えるの?そういうふうに決めつけられると苦しくなる。僕はただ一緒にいたい人といて、話をしたり、いろんなことを教えてもらったりしたいだけなのに。

嫌いなんだよ。「誰狙い?」とか「誰が好み?」とかカワイイとかかわいくないとか、誰かのことを物みたいに言うの。そういうこと言う人って、きっと僕のことも…そんなの窮屈すぎる。もうほっといてよ!

言わなきゃ、今まで通りの日常。言ったら、世界が一変してしまうかもしれない。おまけに拒絶されたら、これまでの関係がゼロになる。関係を切りたくない相手だから言えないことがある。

この感じ、憧れなのか恋なのか、何て呼んだらいいか分かってない。こんな僕を何て呼ぶのかも分かんない。けどこれが僕。

「ひっそり」が君たちの望みならそうすればいいけど、周りのせいで制限を受ける必要はないと思うな。

誰かが望んでるからって自分の大切な部分を変えるの、やっちゃいけないまでは言わないけど、とっても危険なことだって僕は思います。

自分らしくあることも、本当に自分が大切だと思うものを守り抜くのも難しい、この世間の中で。

好きを貫くのは難しい。

何だか…不公平な気がしてきてるんです。どうして同性愛だと越えなきゃいけないハードルが多いんだろうって。それ考えると、戦う自信がなくなってきた。

人生の醍醐味を味わいたいなら、自分に慣れないことだ。慣れて自分も周りの人間も雑に扱わないことだ。向き合って、感謝して、必要なら謝る。

どうして変わらなきゃいけないんだろう?人に好きになってもらうのって、自分の根っこまで変えなきゃいけないことなの?

笑うまでの時間に、どんなに泣いたんだろう

自分のことを否定する人間の前で、大笑いする人間のままでいてほしい。あなたを説得できなくて、あの笑顔を失ってほしくない。

どんなに反対されても別れたくない、別れられない、これは変えられない。これを変えたら、俺じゃなくなる。

自分らしくあるのは難しい。