佳品ドラマ『Suburra -暗黒街-』の続編だが、前シリーズと比べると物語の吸引力は弱い。最大の原因はメインキャラに親しみや悪の存在感を抱けなかったからだわ。
『Suburra』では、金髪、モヒカンロマ男、ショボ警官の3バカチンピラとローマの裏帝王サムライらの存在がシナジーを発揮して物語のスリルや人情劇を高めていた。浅薄な脊髄脳をフル回転させながら敵を騙し合うやりかたも新鮮だった。
ところが本作は3バカトリオが消え、サムライが消え、前シリーズのつるっぱげ政治屋やバチカンの悪司教らがメインなので、どうにもストーリーが弱い。新登場キャラの若手政治家は小者感がぬぐえず、演技もチャチだ。インテリギャングの存在感もない。
数人の悪党がくっついたり離れたり裏切ったりで展開がつまらない。
前シリーズのモヒカンロマ男がたった3年でやけに大人っぽくなり、チャラい振る舞いと無鉄砲な突撃もなくなり、意外性がなくなった。
おまけにベルリンにいるゲイ恋人とのバイオレンスなかかわりはなく、このキャラを生かし切れていない。
無理やり8話まで伸ばした感じがするため、スピード感がなかった。
オーラスにクリフハンガーを持ってきたので、続編も意識しているんじゃなかろうか。
ただ、ユニークなちんぴらキャラが姿を消しているため、これ以上の続編はかなり脚本を練らないと厳しいだろうね。
過去シリーズが楽しめただけに、ちょっと残念だ。