偶然が重なり本来雇用されるはずだった家政婦美羽さくらの代わりに一推し俳優八海崇宅に雇われた映画オタク女子の主人公久保田ミワが、なりすましの罪の意識に苛まれつつも、美羽本人の協力を何故か得て罪が露見するピンチをのらりくらりとやり過ごしている内に、その真摯な勤務姿勢と映画愛の深さから八海を始め仕事仲間たちや関係者たちからの信頼を勝ち得ていく。とてもあり得そうもない展開が続くのだけれど、何だかよくわからない不思議な吸引力があって、最後まで飽きる暇ないまま押し切られていた。それぞれにクセのある性格設定に相応しい演じ手の快演も相まってとても魅力的なドラマになっていたと思う。挙動不審な主人公ミワの松本穂香、真意が読めない本人美羽の恒松祐里、敏感か鈍感か知れぬ先輩家政婦片桐はいりが殊に味があって良かった。山口紗弥加の怖い秘書役は如何にもピッタリ。しかし美羽がミワのなりすましに積極的に加担した理由だけはよくわからなかった。ミワと直接会見して自分より彼女の方がより相応しいと理解したということなのか？腹に一物ありそうに見えていたのにそれほどのことでもない風に落着して少し肩透かし感がある。
