マグルの血

最高の教師 1年後、私は生徒に■されたのマグルの血のレビュー・感想・評価

2.9
生徒に殺された教師が1年前に戻ってきて生徒と向き合う話。

先に言います私にはあまり刺さらなかったです。


問題作「3年A組」のスタッフが制作ということで期待して観賞。毎週繰り広げられる「超ロング台詞説教タイム」に眠い目を擦りながらも、サスペンス要素にわずかな期待をしながら最後まで観賞しました。

結果わずかな期待を打ち砕くほどサスペンス要素は弱く、最後までキャストに長台詞をしゃべらせ続け終わってしまいました。


卒業式の日に、自分のクラスの生徒に突き落とされて殺された主人公九条は、気がつくと1年前の教室にいました。自分を突き落とした生徒の顔が見えていない。このクラスに犯人がいる。皆の意識を変えるために九条は奮闘します。

「SF」の要素があり、自分を殺したのは誰なのか「サスペンス」の要素が加わる。クラスにカーストやいじめが存在し、これを変えるために行動する「王道学園モノ」の軸の中には、生徒の行動を把握し徹底的に対応できるよう教室の中に監視カメラを設置するなど、大胆かつ非常にイリーガルな教師であるGTOや、それこそ3年A組のときのような「変則学園モノ」の一面もある。

ここまで振り返ると、絶対的に面白くなりそうなワードと掛け算が飛び交う非常に面白そうな作品なんですよ。

でも観賞後の印象は、そういう面白そうな要素全部抑えて、ドラマが伝えたいメッセージ性の表現にステフリしてるように感じました。

それはとても素晴らしいことだと思うんです。それぞれの抱える問題や悩みにフォーカスして、現代社会の青少年が抱える問題にフォーカスして。問題提起し、なるべく自分で考えさせるように導き、正解が曖昧でも自力で成長していく姿を観るのは悪いものではなかった。

しかし、私にはあの長くて、あまりにも「言わされている」感が強いキャストの立ち振舞いに違和感を覚えました。

強い言葉、主訴をぼかす(自殺やあの学級会での会話みたいなやつ)、長い割に同じことを繰り返しているかのようなセリフ。

フィクションは不自然でいいと思うけど、このドラマは私の中の不自然が違和感に変わるラインを楽々超えてしまいました。
生徒それぞれの改心までのスピード感と、描き出された生徒のバックボーンの量のバランスも悪い気がして、凄く気持ち悪かった。キャストの演技が全然悪くなかったので、言葉に頼って心情を表現するより、もっと丁寧に背景を描いて整合性とって欲しかった。

そして期待していた様々な要素も、結局のところうまく回収することなく終わってしまいました。


強いメッセージを持つドラマは必要だと思うけど、このドラマのエンタメ性は私には合いません。でも、生徒役の演技や表情が全然嫌な感じしなかった。きっといい現場だったんだろうなと、勝手に想像します。

3年A組久しぶりに観たいなあ。
マグルの血

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