キリング・イヴ／Killing Eve シーズン2のFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

　主人公二人がそれぞれ相手に抱く思いを制御できずに思っても無い行動をしてしまうというのがシーズン1だとしたら、シーズン2は雇用と恋愛の面で対象を所有することが主題になる。イヴもヴィラネルもそれぞれ仕事と恋愛の関係においてなんとか相手を自分の手中に収めようとする。しかし両者ともに叶わない。ヴィラネルが言う「We Are The Same」(同類だから)とは綺麗な鏡像関係であり、距離は縮まらず誰かのモノになることはない。シーズン1の刺し傷は銃弾にとって代わる。

　映画ファンとしても興味深い。シーズン1は『フリーバッグ』のフィービー・ウォーラー＝ブリッジが、今シーズンはエメラルド・フェネルが主な脚本を担当した。全8話見れば『プロミシング・ヤング・ウーマン』の様な題材と演出力には合点がいくし、『Saltburn』の逆光の録り方も非常にシンクロしている。友人関係である二人の才能ある女性の繋がりとドラマと映画のコンバートをこの作品で確かめることができたのも非常に面白かった。間違いなく2010年代の発火点の一つ。