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寄生獣 -ザ・グレイ-のyokoのレビュー・感想・評価

寄生獣 -ザ・グレイ-(2022年製作のドラマ)
4.2
冒頭に、漫画から地続き的な、人間こそが寄生獣というような環境ビデオ映像が流されるが終わってみるとそのメッセージは希薄。パラサイト側に広川的な高尚さはなく、むしろ人間の下品さを真似することで高みを目指す。

パラサイトのリーダーが仲間をだしに自分だけ成り上がろうとする。この知能レベルの生物だと個々の自我はなく、自分が!的な欲望はなくても良さそうだが、この人間的な裏切りによって田村的なパラサイトが人間側につくのが面白い。そして裏切られた者たちの相手を信じるという連帯。

捜査長のムーヴが最初かなりきつく、進撃の巨人に例えるならハンジが出てきた時の寒さを感じるが、後半のほうはましになった。

アクションも良いがそれを担保しているのはスピード感。動きのスピードという意味ではなく漫画的な速さ。東京グール、呪術廻戦、チェンソーマン、あたりの流れ。重要な戦いだろうがメインキャラだろうが次のページでサックリ終わっているようなあれ。殺伐系漫画の戦いを上手く表現できている。

日本人が作ると、戦いながら長々会話したり、追い詰めてもなかなか殺さなかったり、バトルも間延びするがそうならないのは流石。
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