もこもも

silentのもこもものレビュー・感想・評価

silent(2022年製作のドラマ)
4.0
音のない世界で過ごすかつて大好きだった人と8年振りに再開することで始まる切なくも温かいラブストーリー

音も映像もストーリーも綺麗
苦しいこと、悲しいことが
いっぱい、いっぱいあったけど、
誰ひとり不幸にならず、
前向きになるラストが良かった
一緒にいたい、幸せになって欲しいの"想い"と
人と人を繋いでくれる"言葉"の大切さが沁みる
主題歌とその流れ方が最高に素敵やった

最終話までずっと良かったけど
振り返ると1.2話が特別良かったな
想と紬が再会して想が想いをぶつけるシーンと、
想と再会した湊斗が悲しみを吐き出すシーンは
今思い出しても感動するぐらい心揺さぶられた
作品を観てると自分も手話を覚えたくなる
披露する場はないかもやけどとりあえず
"ありがとう"と"大丈夫"と"プリン"は覚えた

湊斗と奈々と春尾先生が特に好き
キャストもみんな良かったな
目黒蓮くんはこの作品で初めて知って、
ジャニーズってことで観る前は
ちょっと低く思ってたとこもあったけど、
1話観終えた時にはそんなこと忘れるぐらい
めちゃめちゃ自然にスッと心に入ってきた
川口春奈は改めて素敵やなぁってなったし、
湊斗が好きやから鈴鹿央士も好きになったし、
夏帆も風間くんも想の妹役の桜田ひよりも
紬の弟役の板垣李光人も好きになった

主題歌 : Official髭男dism『Subtitle』

1.
「雪が降ると静かだよね」

青羽と佐倉の学生時代は
とっても微笑ましくて素敵やけど、
戸川のことを想うと胸が苦しい
学生時代だけなら甘酸っぱい失恋やけど、
今は付き合って同棲もしようとしてるもんね

「イヤホンが壊れてしまったのは3年くらい前
 それからずっと音が出ない」

ただ青羽と佐倉の再会で
佐倉の苦しみ、悲しみを聞いて
どうしようもなく感動させられた
あれだけ音楽も電話も好きやったのに...
あれだけ青羽を好きやったのに...
佐倉の想いも戸川のことも胸が痛い

2.

「耳が聴こえなくなるだけなら良かった
 自分が苦しむだけなら良かった」

卒業式以降耳が聴こえづらくなり
次第に音が聴こえなくなる佐倉と
佐倉のお母さんに胸が苦しかった
特に想がお母さんに向けて言った
「ごめんね」には涙が滲んだ

別れる前の最後に会った公園
ここのシーンもほんまに悲しくて...
悪気のない紬のセリフがつらくて...
お母さんの悲しみを見たことも
紬に会えなかった理由の一つなのかな

「好きな人がいる、別れよう」

この言葉の真意に感動
好きな人が紬やったなんて...
2人の涙にめっちゃ感動した
どっちかしか応援できひんのに
想も湊斗もなんでこんなにいい人やねん

3.
「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった
 ってなんだそれって思ってたけど、
 そっか...これか...こう言う感じか...」

学生時代の湊斗視点から見る2人
名前を呼ばれたのを無視する
ぐたりをする湊斗と想
湊斗の想への想いに感動する回やった

紬のことはもちろん大好きやけど、
その想いと同じぐらい強い想への友情、
紬と想が会ってることに嫉妬するって
思ってたけど、それ以上に、
名前を呼んでも想が振り向かない事実、
耳の病気を教えてくれなかった悲しさ、
紬を通しての想ではなく、自分の親友の
想に対する想いに心揺さぶられた

湊斗から会社で苦しむ紬への言葉
紬から好きじゃないって言われた想の表情
聴こえない想の背中に投げる湊斗の言葉
学生時代の笑い合う湊斗と想の表情
とっても、とっても感動した

「名前呼んで振り返ってほしかっただけなのに」

4.
「想、ほんと全然変わらないね」

湊斗と想の2人の会話が沁みた
フットサルでの友人との再会も
こがけんの号泣や会話も温かくなる

最初から聴覚が無かった人
途中で聴覚が無くなった人
聴覚はあるけど手話が出来る人
聴覚があって手話が出来ない人
色んな立場の壁や悩みがあって難しい
特に手話の先生の壁作ってる話は
そうやなぁってしみじみと思わされた

そして、突然の「別れて欲しい」
あまりに突然な別れで絶句した
湊斗が2人を大切に想うあまりやと
最初は思ってたけど、これは
優しさではなく湊斗の勝手な決断
紬の湊斗への想いをちゃんと理解してるのか
想の横にいる紬が一番可愛いと思うのは
学生時代と重ねた思い込みじゃないのか
ただ逃げてるだけじゃないのか
って思って納得できひんかった
湊斗のことは好きやけど違うと思うし、
紬も湊斗も想も悲しいやん...

5.
「ほんとに片想いなんだ...」

紬がどう思ってるか関係なく
湊斗はずっと想のことが気になって
それが苦しくて嫌やったんやな
でもやっぱり納得できないよ...

「好きな人が言う可愛いは威力すごいから」

あの電話でちゃんと別れたね
「会ったら泣いてた」のところで
2人の感情も自分の感情も溢れた
紬が片思いも辞めて、振り切って
逆に湊斗の方が心配になったけど、
ヘアピンを捨ててたところで、
2人は別の道を歩き始めたんやなって
キラキラもいいけど、俺もポアポアが好き

6.
「音がなくなることは
 悲しいことかもしれないけど
 音のない世界は悲しい世界じゃない」

大学時代の想
辛く寂しく苦しかったね...
そんなときに出会った奈々
その存在はほんとに大きかったね
奈々の言葉がほんまに素敵やった

『First Love』と2連チャンで
失恋する夏帆を観てるとほんま
幸せになって欲しいと心から思う
好きな人と手を繋いで歩きながら
お喋りしたり、電話する夢は胸が痛い...
ほんまに奈々が幸せになってほしい

7.
歩き去る紬と奈々に対して
想が追いかけたのは紬
想の気持ちを考えるならこの行動は
正しいと奈々も思うやろうけど
でもやっぱり悲しいよね
奈々と想の図書館の会話が好き
2人の夢の話とかめっちゃ沁みた
手話の先生と奈々の関係性にびっくり

紬と想が抱き合うシーンはいいねんけど、
湊斗を振り切って想を好きになるまでが
ちょっと早くない?って感じちゃった
まぁでもそもそも好きやったもんね

8.
「ありがとうって使い回していいの?」

春雄と奈々の出会いにキュンキュン
こうやって2人が出会って
今の春雄の仕事に繋がったのね...
言葉が通じるようになってから
すれ違うようになるのは胸が痛くなった
奈々は夢が叶ったって言ってたけど、
そうじゃないもんね、奈々を想う気持ちが
今の仕事に繋がってるもんね...

迷惑とかしんどいとかじゃなくて
ただ顔を見て話したい、そばにいたい
それをしっかり想に伝える紬が素敵やった
紬のお母さんもめっちゃ素敵な人
お父さん、娘、息子への想いが尊い

「言葉じゃ伝えきれないから物に託す」

実家から帰ると荷物増える現象
ほんまこれは親の真心やね
自分もされてる側やから
なんかすっげぇ胸が温かくなった
想が帰ったのにほっこりしたけど、
次回予告の時点で胸が張り裂けそうになった

9.
大学時代の想が実家に
帰ったシーンは苦しかった...
その気持ちを本当の意味で
理解できる人がいないもんね...

現在の想が実家に帰って
湊斗と土手で話すところを
見たお母さんの表情に、
お母さんと想の会話にじんとする
友達も彼女も全部切り離すのは
間違ってたって言ってて、
それはそうやと思うけど、
今こんだけ自然に受け入れられるのは人と
距離を取った時間があったからやなとも思う
兄弟3人でCD並べるシーンが愛おしすぎる
ほんであの時「ごめんね」って言った想が
「ありがとう」って言う車のシーンで大感動

10.
"優しくしてくれたのに
受け入れられなくてごめんね"

奈々さんの手紙が沁みる
奈々さんと先生がいる居酒屋に
湊斗がやってきて罵倒されるシーン好き

一緒にいてもどこか辛そうな想
そりゃ、青羽の声が聴きたいよね...
もともと聴いていたはずやのに
大好きな青羽の声が思い出せなくて
そしてもう2度と聴くことができない
こんな辛いことあっていいのって思うもん
高校生の時の音楽聴いてるフリして
名前呼ばれるの待ってるシーンがエグすぎる

11.
「一緒にいたいと思う人と
 一緒にいる為に言葉があるんだと思う」

声は思い出せないし聴けないけど、
紬と一緒にいたいって言ってくれて良かった
どれだけ相手を好きでも、想っていても、
この言葉がなかったら大きく変わるもんね
「紬の言葉を見れるようになった」も素敵

登場人物みんなが劇的に
ハッピーになった訳ではないけど、
みんな前向きなラストが最高に幸せ
最初、最後の耳打ちは「好き」やと
思ったけど高校生の時のを見たら
「好き」じゃなさそうやなってなった
この秘密にする感じめっちゃいい
もこもも

もこもも