疲れてるとか生理前とかで、夫と私の日常から勝手に私がはみ出しているのに、その「日常」のなかでいつも通りに暮らしている夫に八つ当たりすることがある。
そんな時、夫は悲しいでも怒りでも心配でもない顔で、「いいよ、しょうがないよ」と言う。
こうやって片方の我慢に寄りかかりすぎていながら、自分ひとりでまっすぐ立っているつもりになった時、パートナーシップは破綻していくんだと思った。
一生懸命に寄り添っている2人を「モダン」とくくりながら、遠巻きに見守るのは手練の制作陣。作品としての日常と希望のそこかしこに、決定的な技術とバランス力が灯る。スタッフの息づかいすら感じる身近さに癒され、泣かされた。
「ちいさな幸せ」ってのは、名詞なんだな。この世を生きることの総括であり、目的であり、手がかりであればいいのかもしれない。2人だけの空間に、怒涛の愛とスペクタクルが詰まっている。
あぁ、今日も愛おしい一日だ。
