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両刃の斧のmaoのレビュー・感想・評価

両刃の斧(2022年製作のドラマ)
4.0
刑事・柴崎の長女が殺害される事件が発生。柴崎を慕い、家族ぐるみで親交を深めてきた後輩刑事の川澄を始め、警察の必死の捜査も虚しく事件は迷宮入りに。しかし15年後、特別チームによって再捜査が始まり事態は一変する。当時手がかりすら掴めなかった容疑者が急浮上するが、その男は逮捕寸前で何者かに殺されてしまった。


半分を過ぎたあたりで事件の全貌が見えたと思い込んでしまった自分の浅はかさを心から恥じる。

「そんなことある?」と思わず口からこぼれたし、多くの視聴者がそう思ったであろう真相だけれど、終盤はとにかく号泣してしまった。東野圭吾のガリレオシリーズのような、深い悲しみとやるせなさに打ちのめされる物語。

隠すこと、暴くこと。強い想いが大切な人を傷つけてしまう。誰も彼もが愛によって苦しんでいる。

その〝愛〟からいちばん離れた場所で高笑いしているのが、本人を知る者からは〝怪物〟と呼ばれる、容疑者の男。演じた黒田大輔、これまでもちょくちょくいろんな作品で見かけていたが、今作ではほんとうに不気味で怖くて、心底気持ちが悪かった。

宇野祥平も出てくると作品への期待が高まる俳優さん。不思議な引力を持つ人。

大好きな坂東龍汰はベテランたちにもまったく引けを取らず、とても良かった。これからも、もっといろんな役を演じてほしい。
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