こういう作品で阿部サダヲに頼りがちなこと以外は、キャスティングが素晴らしかったですね。生田斗真、松本穂香、矢本悠馬あたりは期待どおりとして、特筆すべきは中村七之助と倉科カナ。七之助さんの演技は佐田啓二という俳優さんがより好きになる(中井貴一にやらせなかったのが◎)。
75分の尺に、若者たちの成長や家族、恋模様などの要素まで入れ込んだのは見事。
ただ冒頭の企画立ち上がりがあっさりだし、現場はもっとドタバタで男臭かっただろうし、全体的な小綺麗さが期待はずれではあった。2時間枠ならもっと詰め込めたのかなと思いつつ、昭和の喧騒を強調せず落ち着いた感じで描くのもありかと、最後は腑に落ちた。
エンドロールが当時の実映像なのは粋。
ちょいちょい入ってくる絶妙な笑い…「俺の話は長い」の脚本家さんと知って納得。
斗真&穂香の地味な恋模様がかわいらしかった。