● もしかしたらこれは、ハッピーエンドかも知れない…
本作に登場する妖精「ニッセ」は、北欧の民間伝承の存在で、
基本的には性格は優しく、農家や農場を守ってくれる守護神としての側面があるようです。
ただし、「いつも機嫌を取って大切にしないと報復してくる」
「その家を出て行ってしまう」という、面倒くさいところもあるとか。
なんだか、日本の「座敷童」に似ていますね。
こういった「ニッセ」の性格を理解してドラマのストーリーを見て行くと、
① 本来は温厚で人間と共生していた時代があった
② けれども、森林伐採計画で機嫌を損ねてしまった
③ ニッセたちが人間に報復するようになった
④ だから生贄が必要になった
という流れが見えてきます。
そして上記の流れが正しければ、ラストシーンの意味が全く変わってしまいます。
本作のラストシーンは、フェリーに乗って島を去って行く一家の車の下に、キーコがへばり付いている、
というものですが、
もし、「ニッセ」が座敷童のように、本来は温厚で、「機嫌を取って大切にしてくれる人を守護」し、「気に入らない場所から出て行ってしまう」とすれば、
今回、キーコが憑りついた(?)、あるいは守護を決めたのは一家の娘「ヨセ」という事になります。こう考えると、一見恐ろしいラストシーンが全く変わってしまう訳ですね。
──とはいえ、全面的な安心は出来ません。
何故なら一家は、この先ずっと「いつも機嫌を取って大切にする」責任と義務を負うのですから。
そう考えてみると、第一話の冒頭のシーンに、ヨセが動物(犬)を飼いたがっているシーンがあり、母親から「(犬を飼うのは)大きな責任なの」と言われたように、
へばり付いてくるキーコはある意味で、責任と義務のメタファーなのかも知れません。