ラウシュ魁

トロイ伝説: ある都市の陥落のラウシュ魁のレビュー・感想・評価

トロイ伝説: ある都市の陥落(2018年製作のドラマ)
1.0
トロイの話は映画版の『トロイ』が決定的なんだけど、今作ドラマ版ではギリシャ神話の神々の介入や戦争の細かい経過まで描いたのは面白かった🙆‍♂️…と言いたいところだけど全く満足できず…偉大な叙事詩であるトロイの物語を汚してしまっている、というのが正直なところ。

まず一番目立つのはポリコレね。
ゼウスとアキレスが黒人になってるのは、否定はしないけど正直好みじゃなかった。その上で何よりも気になったのはアキレスのキャラが全然違うだろ〜ってところ。愛人が男なのも全く持って否定はしないけど、キャラが出来上がってないのよ。アキレスが戦争から去る件も、その前にアキレスの英雄的な強さを見せなきゃ共感出来ない。アキレスが何故この戦争に参加したのかとか、何故アガメムノンとの確執が生まれたのか、何故怒ったのかを描かないとあのキャラは「アキレス」にならないのよ。黒人とか性的多様性の話とかこの際どうでも良いけどキャラの現代的な位置付けが先行してて「アキレス」というキャラが全くもって出来上がってなかった。

それでいてヘクトルもヘクトルよ。
トロイ戦争の物語とはすなわちアキレスの物語であり、アキレスの物語の一番の醍醐味はヘクトルとの決闘なのに、そのヘクトルが全くもって魅力的じゃなかった。キャラを描ききれていないからその行為のどれにも共感できない。最悪。

トロイの王もそう。映画版『トロイ』でのパリスとヘレスとかパリスとヘクトルの兄弟愛とかアキレスの間の偉大な愛の物語が今作ではとてもチープ。愛の物語が全くなかった。

神々とかを出してきたからちょっと期待したんだけど神々の描き方も中途半端だし、他のレビューを見ると最後までダメそうだし、エピソード5くらいまで見てあとはダイジェストを見る感じにして流石に途中リタイアです…映画版に勝てるところが一個も無かったです。
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