モカ

ある結婚の風景のモカのレビュー・感想・評価

ある結婚の風景(2021年製作のドラマ)
4.0
ベルイマンの元作品『ある結婚の風景』(映画版)と見比べて視聴したので、単発で見るよりも味わって見ることができた。

この作品の魅力は二人の演技力にほとんどが依存するので、二人芝居や朗読劇のようなものが好きな人にはかなり楽しめる作品ジャンル。
※何だかんだ言っても不倫の話で子どもそっちのけなので、苦手な人にはお勧めしない

特にジェシカ・チャステインの演技が素晴らしい。
愛人を負って子どもを置いていく自分勝手な女性と思いきや、夫と寄りを戻すのに必死だったりして、
筋の通っていない『普通』の人を自然に演じてくれているおかげで、彼女にも夫にも感情移入することができる。

ベルイマン版との一番の違いは、浮気をして出ていくのが夫ではなく妻のほうであること。
当然、キレて暴力をふるうのも彼女のほうになっている。

70年代のスウェーデンでもかなり女性の地位が向上していたようで、今映画を見てもほぼ違和感のない出来なのだけど、上の設定も含めHBO版はさらに現代的にアレンジされている。
その違いを比べるのも、とても楽しい。

またオマケ映像的な、撮影現場に入る前とあとの二人のシーンも追加されてるので、オープニングもエンディングも漏らさず見てほしい。
モカ

モカ