モカ

Reservation Dogs Season 1(原題)のモカのレビュー・感想・評価

Reservation Dogs Season 1(原題)(2021年製作のドラマ)
4.0
ネイティブ・アメリカン、先住民が土地を奪われ追い立てられた居留地が集まるオクラホマ州で、田舎町からの脱出を夢見る4人組+亡くなった1人のドラマ。

Reservation DogsのReservationは居留地の意味そのもの。
wikipediaによると、オクラホマとはred human(赤い肌を持つ人々)の意味であり、ドラマ内にも先住民族を指すred skinの単語が出てくる。

ティーンドラマとして特徴的な恋愛模様がほとんど描かれず、個々の家族や仲間、コミュニティとのつながりやそこでの葛藤を、彼らなりの目線で見せてくれる。
先住民族の血を引きその伝統を誇りつつも、息の詰まるような狭い世界に辟易し、カリフォルニアへの脱出を夢見て四人四様で奮闘する様子がコミカルに描かれている。


シャイなベアーは母と二人暮らし。口先では虚勢をはるがケンカでは負け続き、ラッパーの父との再会を待ち焦がれる。

強さと脆さをあわせ持つエローラは祖母に育てられる。幼いときに亡くなった母の面影と、ダニエルへの叶わなかった想いのやり場を探し続ける。

可愛い声で辛辣な発言を繰り返すウィリー・ジャックの両親仲は円満だが、親戚にあたるダニエルを自殺で失ったことを親子で悔やむ。

最年少のチーズはマスコット的存在。とぼけたキャラや発言は周りを癒やし、見知らぬ老婆に孫役を演じ続ける優しい少年。

またAGTて人気を博したMike Boneという先住民族の血を引くラッパー兄弟が、至るところで登場する。
ビートに乗せて改造自転車を乗り回し、毎回4人に茶々をいれてくるのがとにかく笑えて、彼らの魅力の虜になってしまう。


すでにS2制作も決定済み、日本ではなかなかこういうドラマは作れないと思うので、熱の冷めないうちの上陸を期待する。
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