エニワンセノービ

Love, ヴィクター シーズン3のエニワンセノービのネタバレレビュー・内容・結末

Love, ヴィクター シーズン3(2022年製作のドラマ)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

シーズン2までにヴィクターとその周囲の所謂ゲイパニックでの葛藤や成長は描ききってたので、シーズン3はどうくるかと思ってたんですが、蓋を開けてみればヴィクターがゲイで悩むの受賞くらい。本当にサイモンいなくてよくなったんだな、と少し複雑な気持ち。

反面、ゲイっぽい自分を制限されるラヒム、ゲイで悩んで依存症となってしまったベンジ、相手を探しつつも公表する気はないリアム、逆に公表してても恋愛する気はないニックと、ヴィクター以外のゲイキャラクターの描写が増えてます。特にベンジの話はやっぱ映像化されるとキツいんですが、若年層LGBTQ+のメンタルヘルスって意味ではいい問題提起になったかなと思います。自殺未遂率とかヤバイですもんね。

選択を迫られる各々が、ヴィクターの受賞スピーチから勇敢さを受け取って、前進していくラストは素敵でした。

そして個人的に推しなミアですよ。母との対峙からの見切りの早さには切なくなりました。自分の人生にもう母が必要ないこと、悟っちゃったんだろうな。けれど弟に触れてようやく自分の求めていた「家族」を感じて引っ越しを決めるエピソードにはじんわり。アンドリューとは遠距離になっちゃうけど、まぁこの二人ならなんとかなるでしょう。

あと面白かったのが「カオスの仲介人」という言葉。よく言ったもので、メタ的に言えばドラマの主人公ゆえの業。ドラマが終わったことでその必然性はなくなるわけで、たぶんヴィクターも落ち着くんじゃないかな。それが見れないのは寂しいけど。(笑)