Brynhildr38

ゴッドレス 神の消えた町 シーズン1のBrynhildr38のレビュー・感想・評価

3.8
良作。
西部劇の体をしているが、銃撃戦や馬のアクションより登場人物達を掘り下げ、その成長を描いたヒューマンドラマ。全七話。
このため爽快感を期待し過ぎるとちょっと物足りないかも。とは言え、これまでの西部劇のイメージを覆す意欲作とも言える。

オープニングの映像と音楽が素晴らしく、これから始まるドラマへの期待感が嫌でも盛り上がる。

ストーリーは、映画化を止めてドラマシリーズ化した甲斐もあって主要キャラの背景、馬の力強さと美しさ、馬と人との付き合い方、この時代に生きることの厳しさについて丁寧に描いている(この時代にこの場所で生まれなくて良かった・・・)。

ただ、ラストへ向けてのお膳立てが美しすぎて、最終話に向けての期待値が膨れ上がってしまった結果、肝心のラストは拍手喝采とまではいかないのが惜しい。

もう1つの特徴は、この作品には盛り上げてくれる魅力的なキャラがたくさんいる。ジェフ・ダニエルズが演じる残虐だが複雑な善悪の二面性を持つ悪役フランク・グリフィン、ミシェル・ドッカリー演じるライフルの構えがかっこいい街外れの未亡人アリス・フレッチャー、スクート・マクネイリーが演じる頼りなく思われてるが実はとっても有能で凄腕の保安官ビル・マクニュー、メリット・ウェヴァー演じる男前の前町長未亡人マギーことメアリー・アグネス・マクニュー。いずれもが主人公クラスと言って良いかと。

保安官ビルの日本語吹き替えは、呪術廻戦のナナミンこと津田健次郎で声聞いているだけで活躍を期待してしまう。保安官助手ホワイティの最終話での「活躍」は期待と想像の斜め上を行き記憶に残る。

いくつかのモヤモヤとして、
ロイが少なくとも10年近く家族同然に育ったグリフィン・ファミリー全員と躊躇なく戦う理由が???(全員と相性悪い?)
犬を連れたインディアンは、結局・・・
あの新聞編集者はお咎めなしですか?それってどうなのよ!
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