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ソロ活女子のススメのnorisのレビュー・感想・評価

ソロ活女子のススメ(2021年製作のドラマ)
3.0
偏屈な独身者という存在は往年のスクリューボールコメディの常連であり、その「ソロ活」は、恋愛に発展する前提で「おひとりさま」(2009)の観月ありさ、「結婚できない男」(2006)の阿部寛などが演じてきたドラマで好んで描かれる常道だった。

近年の傾向は恋愛要素が排除されて「偏屈さ」が前面化されていることで(もはやコメディではない)、その嚆矢はたぶん「孤独のグルメ」(2012)である。かかるドラマはごく初期の段階で漫画原作とは別の道を歩み始めたが、松重豊が実際に料理を食べた後に、撮影した映像をチェックしながらロケバスの中で膨大な台詞を組み立て、アフレコを行っているのだという。そうした作り方で偏屈な独身者の内声が外部化されたことは画期的だったと思う。

本作もまた江口のりこ (松重豊に対称させようとしているのか?)の内声によってできているドラマだが、漫画原作の筋書きを守るものであり、プロモーション動画と変わらない。
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