マグルの血

幽☆遊☆白書のマグルの血のレビュー・感想・評価

幽☆遊☆白書(2023年製作のドラマ)
3.5
不良少年が妖怪退治する話。

週刊少年ジャンプで連載されていたレジェンドマンガの実写化ですね。HUNTER×HUNTERの作者様が書いていた大人気コミックです。
私も世代でございますので、原作もアニメも通っております。

当時を振り返ると、「幽☆遊☆白書」は超主力級の人気作。単行本持ってる人多かったなあ。ドラゴンボールや遊戯王とかと同じくらいしっかり社会現象になってました。まさにジャンプ黄金期を代表するマンガの一つなわけです。

がっつり少年バトルマンガなので当然描写はファンタジー。最初に実写化の情報を知ったときは、正直期待できなかったので観ないでおこうと思ってたんですが、ゴリゴリにプロモーションされておりさすがに気になってしまい、鑑賞しちゃいました。

私のスタンスは、メディアミックスは基本的に受け入れられないことが多いです。本作に関して個人的に感じたことは、原作と実写ドラマでのすみ分けがある程度良心的で、キャストの雰囲気が原作を想起させつつも、ほどよく受容できるヴィジュアルでまとまっていた点がすごく良かったことです。おかげで、謎の拒否反応はおきにくく、ストーリーに入りやすかったです。
ここ最近だとワンピースの実写化がありましたが、あっちよりも受け入れやすかったかな。
肝心のストーリーも原作をしっかりベースにしつつも、短い収録時間に合わせうまく編集されており、そこまで無理のない内容だったかなという感想。原作ファンはどこまで許容できるかわからないけど、私はそんなに違和感なかったです。

本作の強みはアクションだと思います。多くの方も挙げていますがCGをうまく取り入れたアクションシーンの迫力。邦アクションもかなりワクワクできるものは増えてきたように感じます。
中途半端に原作に寄せることなく、シリアスとアクションにステ振りしてキャラクターの特徴を厳選してうまくぼかすことで、アクションシーンが活きて実写化の違和感がある程度中和されているように感じました。
制服の色味とか髪型はまだコスプレっぽいけど、それでも許容できるくらい寒いことになっていません。原作からの美味しいセリフを嫌らしさなく盛り込まれれているところに愛も感じるし、好印象です。
戸愚呂兄弟は笑いましたけどね。滝藤さん方に乗せたマッチョな綾野剛なんてギャグでしかない。

しかし、あくまでメディアミックスとしては成功なんじゃないかという話で、一つのドラマとしては正直イマイチだったかな。特別面白かったということはなく、「幽☆遊☆白書」の実写化だから観れたというのは正直なところ。時代の移り変わりに合わせて求めるものも変わってきたというか、なんとなく欲しているものと違っていたので個人的にはそこまで好きではないというのが正直なところです。

とはいえ、実写化モノの中ではかなりクオリティーが高い方だとは思うので、原作ファンの方特におすすめだと思います。
マグルの血

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