✔️概要
シビュラシステムの脆弱性をついた本作。思考を停止し外的規範に盲従した人々による行為は表層的には悪ではあるが、個としては悪とは言い難い（凡庸な悪）。監視官による殺傷行為も犯罪係数の上がる要因としないが、第5話は集団虐殺とマクロ的に考えると捉えられる。この集団でありシステムとしての犯罪（集団的サイコパス）を咎める事を是非を説いているのが本作の敵であり、集団的サイコパスの存在を認める事は自らを裁くことを同義とする。
✔️感想
シビュラシステムのアップデートで幕引きするのは少しカタルシスに欠けるのが正直な感想です。法の不完全性を疑う常守朱と思考放棄する霜月監視官の対比は良いのですが、全体を通して人間ドラマの尺が短い。霜月監視官の愚弄行為（模範行為）や新キャラクターの掘り下げはさらに見たかった。特に東金執行官が信念がペラペラ過ぎて、性癖で終わるのは呆気を取られる。もう少し面白くできただろうなという印象です。
✔️雑感
・あの世界は心が清く保たれすぎるディストピアでもあるのに霜月監視官は人間的過ぎて驚きました。サイコパスは濁らないのでしょうか。
・カムイキリトの肉体の結合をしたら、システムになるのは意味が分かりません。腕や脚の各パーツが犯罪係数を測定するのでしょうか。東金もそうですけど、人工的に免罪体質者を作れるのも意味不明です。シビュラ、ガバ過ぎませんか。
