全員性格がちょっとずつ悪くて、それが露悪的でシニカルな表現というわけでもなく、ただただ単純に性格に難があるという点で見る人を選ぶアニメかもしれないが、個人的にはそこが逆にリアルに感じられて引き込まれた。
現実には完璧な人なんておらず、嫉妬したり冷たくしたり、皆少なからず嫌な奴である。ということを認めた上で進行するアニメは(とりわけこんな可愛い絵柄では)珍しい気がする。フィクションのキャラクターはいい奴が多くて、そこが魅力である一方で、創作物であることを強く意識させられる点であるとも言えるのかも。
吹奏楽部は先輩・後輩に加えてパート単位でグループができるので派閥が生まれやすく、ネチネチとした世界になりやすいのかな。中学高校の記憶や、あるいは吹奏楽部に所属していた人の話を聞く限り、やはり何かしら常に人間関係において難を抱えている印象がある。そこをキチンと描いているからこそ、吹奏楽部出身の人から支持を得ている作品になっているのでは。
