にゃん

ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫するのにゃんのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

何回も転生した経験から自分の幸せな地位を確立していくストーリーだったが、同時期に放送している作品と一緒に見てしまうと内容が混ざってしまうくらいにはテーマが薄かったかもしれない。

内容
1.公爵令嬢リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーには秘密があった。それは『20歳で命を落としては5年前の婚約破棄の瞬間に戻る』こと。商人、薬師、侍女、騎士など様々な生き方を存分に満喫してきたが、7回目を迎えた今回の人生こそ長生きしてごろごろすると決心する。しかし、決意を胸に城を飛び出そうとしたところ、残虐と名高いガルクハイン国の皇太子アルノルト・ハインと邂逅。リーシェは過去全て戦争で死んでいたがその戦争を引き起こしたのが彼だった。そして彼こそ騎士人生でリーシェを刺し殺した張本人だが、妙に気に入られ「願わくはどうか、どうか俺の妻になってほしい」と。生き残るため、戦争を起こさせないため、過去に得た経験を駆使し、敵国の花嫁となったリーシェの7回目の人生が始まる。

2. リーシェに婚姻を迫るアルノルト。6回目の人生で自身を殺した男からの求婚にリーシェは戸惑いを隠せない。「ただ、お前に惚れ込んだだけだ」と言い放つアルノルトに、リーシェが出した条件は家事も何もしないし、私の好きなようにさせてもらう事、だった。約束を取り交わしたアルノルトはリーシェを引き連れガルクハイン国へ凱旋する。そこは過去の人生でも唯一訪れたことのない国。新たな生活に胸を躍らせるリーシェだったが、やはりアルノルトの思惑は読めない。

3. ガルクハイン国でリーシェの新たな生活が始まった。住居となる離宮の掃除に勤しむリーシェだったが、婚約者を披露するための夜会へ出席することに。アルノルトとのダンスが始まり、前世の記憶を回想しながら華麗に踊りきったリーシェは、貴族から喝采を浴びる。しかしダンスの最中、アルノルトにある違和感を覚えたリーシェは、そのことについて問いただす。

4. リーシェとの商談に現れたアリア商会のケイン・タリー。商人としての人生で商売のいろはを教えてくれた師匠だった。彼に婚姻の儀に使う品々を揃えてもらうはずが、「あなたにお売りできるものは、何一つありません」と言われ、商談が流れてしまう。商会の販路が今後戦争回避を目指す上で強力な武器となると考えたリーシェは、タリーを再び商談の場に引き戻すため彼のよく行く酒場に行き待つことに。部下達に酒を飲ませ二日酔いにさせ、自分が調合した薬を飲ませることで薬師としての実力を見せつける。タリーには病弱な妹がおり、その薬を作る代わりに交渉をのんでほしいと契約を交わす。

5. アルノルトの名を騙り、礼拝堂にリーシェを呼び出したのはアルノルトの弟の第二皇子・テオドールだった。「母は兄に殺された。君もいずれ殺される」と忠告するテオドールに対し、リーシェはすべてを承知の上で嫁いだと覚悟を語り、さらにそこへアルノルト本人が現れる。テオドールに冷酷な態度を取る彼の真意がわからずリーシェは問いを重ねるが、俺の妻になる覚悟はしなくていい、とキスをされる。

6. リーシェを監禁したテオドールは、アルノルトと交渉の席に臨む。次期皇帝の座を求め「義姉上を返してほしければ皇位継承権を放棄して」と詰め寄るテオドール。会話が平行線をたどる兄弟の元へ、監禁したはずのリーシェが現れる。「決着をつけに参りました」と迫るリーシェは、テオドールの思惑を問いただすと王位を放棄しようと動く兄に気づき自分が悪者になる事でヒーローでいて欲しく行った事だった。テオドールに冷たく当たるアルノルトだったが、心の内では大切に思っていて、テオドール幼少期にかけた言葉"国のために命をはるな"という言葉を憶えていた事を知り喜びでテオドールの目が潤む。

7. 騒動も落ち着きを見せ、リーシェは離宮でアルノルトとともに暮らしたいと申し出る。侍女達と準備をした離宮を見たアルノルトは、リーシェに「他人に矜持を与える才がある」との言葉をかける。さらにリーシェはかねてからの願いであったアルノルトとの剣の手合わせも提案し、近衛騎士が行う特別な訓練をついに体験することとなる。

8. アルノルトからの突然の誘いで、彼とお忍びで城下町を訪れたリーシェ。辿り着いたのはある宝石店だった。アルノルトの目的は、婚姻の儀でリーシェがつける指輪を贈ること。この国では婚姻の儀に指輪は必要ないはずだが、アルノルトの言に納得し、指輪を選ぶことに。そしてリーシェは、とある国の王族が婚姻の儀より前倒しで訪れることをアルノルトから伝え聞きく。

9. 病に冒されているコヨル国の第一王子・カイルのため、離宮の畑で薬草を摘み取るリーシェ。どうやって飲ませるか思案していると、3回目の人生でリーシェが師事した天才学者のミシェルが現れる。畑を見たミシェルは、一目でその薬効を見抜きーー。翌日の夜会でリーシェは、アルノルトとカイルが抜け出す姿を目撃。カイルは、軍事力のないコヨル国が他国と対等に渡り合うための同盟をアルノルトに提案する。

10. 男装して騎士訓練に参加したリーシェだが、そこにアルノルトが現れ、内緒で訓練を受けていたことが発覚してしまう。条件付きで許可を得たリーシェは、アルノルトにコヨル国と同盟を結ばない理由を尋ねるも一蹴されてしまう。さらにリーシェは、アルノルトという存在により、天才学者ミシェルの『実験』に必要な要素が揃ってしまったことを知る。

11. コヨル国が滅ぶ未来を避けるため、そして火薬の力を示そうとするミシェルの野望を止めるためにリーシェが選んだ手段。それはカイル王子とささやかな同盟を結ぶことだった。準備を重ねた二人は、アルノルトとの交渉の機会を得る。コヨルの技術力の高さ、そして意思を賢明に訴えるリーシェとカイルだったが、会談中にテオドールからひとつの連絡が届く。

12. 火薬を巡って対峙するリーシェとミシェル。火薬の力をアルノルトに与えることで世界の行く末を見たいミシェルに対し、リーシェはその行為を止めるため「毒薬だって誰かを幸せにできる」と訴える。これまでに得た人脈と、カイルとの同盟。そして過去の人生で得た経験の数々で作り上げたリーシェの仕掛けは、花火として打ち上がりミシェルを説得する。
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