全話視聴済み
惜しい部分も目立つが、個人的には及第点。
アイザック・アシモフに端を発する「シンギュラリティ」を題材にしたアンドロイドの話。
現代版「キカイダー」みたいに言ったら良いかもしれない、令和のキディグレイドと呼ばれた事もあるが、それも間違ってはいない。
バディ物としての要素もちゃんと入っているので、そういう意味でも悪くない。
既存のSF用語を使用せず、独自の設定と用語を用いている。
バトルアクション作品としての動画の完成度が高いなど、評価すべき点は多い。
ただし、他のレビューでも書かれているように、全体的に雰囲気で終わって薄味になっているのは否めない。
しかし、それは暗に脚本家、演出家、ひいては監督の能力不足による怠惰ではないだろう。
昨今のアニメ制作事情を鑑みれば原作無しの、完全オリジナル作品に、1クール以上の予算を与える所はまず無い…
せめて2クールあったなら、このスタッフ陣なら某かの大作を、残せた筈だと思わせるレベルの作品に仕上げている。
単純に昨今は、SF作品に反応する世代が少ない、更に時間も予算も少ないとなれば、ここまでの作品に仕上げたのは、むしろ善戦したと言える。
駆け足感の否めないラストも、なんだか無理くりな結論も、ひっくるめて善戦の結果の着地点としては、問題ないレベルだ。
個人的には讃えこそすれ、観る価値無しと断ずるにたる要素は、特に無い、願わくは彼らの作品をまたより完璧な形で観てみたいものだ。