ShigeakiMiyano

鬼武者のShigeakiMiyanoのレビュー・感想・評価

鬼武者(2023年製作のアニメ)
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予告編で “ 主演 三船敏郎!”な〜んて
魅惑的なコピーに惹かれて見始めたら
思わず一気見しちゃいましたよぉ〜

シリーズ化もされた有名ゲームを下敷きに
Netflixがアニメにしました
第一話の冒頭で登場する宮本武蔵の姿は
まさに「用心棒」や「椿三十郎」などの
私たちが抱いている三船敏郎のイメージ
そのままなのに驚きました
(ちょっと丸顔でカワイイ感じかな)
そして最も驚かされたのはその “ 声 ” です
声質だけでなく短な台詞の言い回しや
間の取り方は全盛期の三船!もしかして
「AIで生成された合成音声」なのか?
と思ってしまうほどでしたが…これが実は
声優の大塚明夫さんが担当されていると
クレジットで確認して納得!!
さすがベテランの妙技なのでしょうね
まぁ長い台詞ともなると “ 大塚節 ” が
顔を出す感じになりますが、特徴を捉えた
キャラと似せた声でキャッチコピー通りに
三船敏郎主演の長編映画を観た気分です
ストーリーも時代劇の醍醐味を充分に
堪能させてくれる本格派で、これは総監督
を務めた三池崇史さんの手腕によるもの
ではないでしょうかね?三池さん自身も
「十三人の刺客」や「無限の住人」などの
時代劇も得意ジャンルにしてますからね

背景は江戸時代、ある藩の密命を受けた
五名の侍と宮本武蔵それに随行する一人の修行僧、彼らの行先には恐ろしい野望を
目論む謀反人と異形の魔物が待ち構える…
亡者や魔物を相手にする武蔵は扱う者を
鬼に変えると言われる伝説の魔道具を
携え決死の戦いを挑んで行く!

丘の上に七人のシルエットが浮かぶシーン
もう「七人の侍」を彷彿とさせる名場面
アニメ作品で時代劇ってなると案外と
破天荒なキャラやストーリー展開を見せる
ものが多かったりするのですが、今作は
しっかりと地に足が付いた演出です
とは言え農民や雑兵がゾンビ化して
ワラワラと襲いかかって来たり
以前武蔵が倒した吉岡三兄弟や小次郎が
幻魔の魔力で蘇ったりとまるで
「魔界転生かよっ!?」って荒唐無稽な
要素も含まれてはいます、相対するのが
無敵の剣豪 “ 宮本武蔵 ” なのですから
それぐらいでないと盛り上がらないですね
しかしラストの “ vs小次郎戦 ” はいくら
なんでも飛躍し過ぎてしまったかも… ?

対する友軍の方も個性豊かな面々で
それぞれに見せ場があり思い入れ度UP!
木村昴さんがVCを担当する鷹匠の五郎丸
が絶命するシーンはウルッとさせられます
同じく同行していた僧侶の一命を賭した
さよ救出シーンも心打つ展開なのですが
もう少し個々のキャラを掘り下げてくれていればもっと盛り上がっていたように思う

勢いに乗ってるNetflixさんは今作と
同時期にもう一本のアニメ時代劇
「碧眼 ブルーアイズサムライ」もリリース
見比べて観るのも一興かもですね。
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