あんへる

お兄ちゃんはおしまい!のあんへるのレビュー・感想・評価

お兄ちゃんはおしまい!(2023年製作のアニメ)
4.0
【2023年冬アニメ作品{全12話}】

何故か日本以上に今ドイツで凄まじい人気を誇っているアニメ。
時代はワンピースよりおにまいなのかもしれん。←
一説として、ドイツ文学であるカフカ著の「変身」という作品に本作の設定が酷似している為ではないのか?という見方があるらしい。しらんけど。
それはともかく、スタジオバインドのクオリティが世界基準に達しているという側面を噛み締めつつ、無職転生2期放送の夏を心待ちにしている今日この頃です。

一見すると、高品質な作画を愛でるだけでも十分成立する類の作品ではあるんだが、よくよく見るとテーマやストーリーにもちゃんと深度を持たせてあるのが意外と侮れなかったりする。
また緩い日常系ライクな風合いの中で、成長(社会性の獲得)・兄妹愛・友情・百合等の尊い部分を確実に織り込んでくれているのが非常にありがたいし、そこを表現する上での制作側の演出や構成の手腕がシンプルに見事だった。

世界観主導の作風の中でノイズになりそうな要素を徹底して簡略化しているのも印象的だった。
ヒキニート→TS幼女化人体実験というリアル視点で考えると人権や倫理観を無視したヤバめな導入さえ、敢えて簡易的なギミックとして処理している風に感じるが、このメルヘンでファンタジーな世界観とテーマを確立するためと考えたときの説得力が違う。
これは多くの異世界転生モノとかにも言えることだが、この造りを見倣うべき作品は多いと感じる。
画的にも、敢えてぼやけ気味の背景にすることで作画を際立たせる手法を用いていたが、これも世界観の解像度を上げるという意味で効果的な演出だったと思う。

あとはOPとEDが振り切ってくれていて最高の見応えだった。
やっぱり俺のアイデンティティはここにあるんや。


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[主題歌]

OP
 えなこ feat.P丸様。「アイデン貞貞メルトダウン」

ED
 ONIMAI SISTERS(高野麻里佳、石原夏織、金元寿子、津田美波)「ひめごと*クライシスターズ」

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