厳しい評価が多い事は知っていたのでかなり身構えて視聴したが、スパイ教室の発足から卒業までしっかり描き切られており、キャラクター一人一人にも大きな見せ場も用意されていて、非常に良くまとまっていて満足感のある内容だった。
確かに「売り方」が露骨すぎる為反感を買うのもわかるが、その分アニメーション自体にも予算が掛かっている事が見てとれる。
原作のトマリ絵を忠実に落とし込んだキャラクターデザインは実に見事で、それを2クール動かし切る体力もあり、安定感は抜群。
継続視聴においてのモチベーションの低下の一つとなる不安要素を排除してくれるのは頼もしい。
明確な不満点として、生存率が激低のミッションに挑むわりには人死どころか擦り傷がつく事すら珍しい程メインキャラクターに過保護な所があり、またナイフや銃火器をメインで使うキャラクターも多い中、敵を傷つけるような描写も極端に少ない。
このせいでバトル描写の緊張感や意外性といったものが致命的に弱い。
ロジックとしては世界最強のスパイか指導者についていると納得できなくもないが…
旬の声優、旬のイラストを高い水準のアニメーションで摂取できる事は決して悪い事ではないし、しっかりと章の完結となる物語まで描かれ一つの作品として完成されているのも好ましい。
明らかにアニメ以外の部分で不当な評価の対象になってしまっているなぁと感じた。
