あんへる

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第2クールのあんへるのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

たった2クールでこれだけ多くのキャラクターを捌き完成度の高い脚本のガンダム作品に仕上げたのは流石というか、本当に見事だと思う。
ただ一点だけ、シャディクにとっての祝福とは?という問いが観終わって数日ずっと自分の脳内で渦巻いていた。

自身が犯した罪に加え、クインハーバーやクワイエットゼロの罪までを背負ったのは、奇しくもミオリネが自分の代わりに成し遂げた“理想”に対する恩義?
この物語の結末に祝福を齎すために、彼はすべての罪を背負ったのだろうか?

たぶんもっと根本的な話で、“ミオリネの為”という大義の元での自己犠牲(自己満足)だったんだと思う。
ある意味彼は最初から最後まで一定のスタンスを崩さなかった。彼なりのプライドというべきか。
ケナンジさんの言ってた「責任は大人にとらせなさい」という台詞を用いるなら、彼は勝手に大人になっていったってことなのかな。
まぁミオリネ然りガールズ然り、結果的にはシャディクの望んだ理想の道連れになっている風にも見える訳で。(ガールズに関しては罪と引き換えに純粋に意思を継いでいるだけなのかもしれんが)
これこそ、実質彼にとっての祝福だったのかもしれんね。(これ祝福というかほとんど呪いだよな…w

一部界隈で「シャディク・レクイエム」なんてワードも飛び交っていたが、敢えて他作品の重なるキャラクター像として引っ張ってくるなら、個人的にはルルーシュではなくてスレイン・トロイヤードだったな。
姫君への親愛の感情が悉くすり抜けていってしまう平民出身の青年というキャライメージが凄くシンクロする。その末路のやるせなさや哀愁も含めて。(劇中のアプローチやキャラのコンセプト自体は全く違うけど)

ミオリネと交わしたシャディクの最後の言葉「さようなら」、あれは「I LOVE YOU」と同義だと自分は思ったね。
ただ、自身の行く末を受け入れた上で、意味合いとしては現在進行形ではなくきっと過去形なんだろうけど。

ここまで書いててようやく気付いたんだけど、自分、シャディク大好きじゃねぇかよw
あれれ?おかしいなぁ?確か中盤くらいまでは狂ったようにグエル推ししてた気がするんだが…←
あんへる

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