きまぐれ熊

機動戦士ガンダム 水星の魔女のきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム 水星の魔女(2022年製作のアニメ)
4.0
物語としては前半戦で起承転結の起承までしか語られていないので評価のしようがないけれど、提示されたテーマとしては親子の呪いや行き過ぎた資本至上主義の果てに人権を軽視する風潮など、正しく令和の日本で語るべき内容で非常に興味深い。
その上でロボットアニメとしても凄まじい演出とドラマ。人間ドラマとしても濃密で、繰り返し見たくなる情報量が素晴らしいですね。

個人的には2期には熱いドラマを期待したいけど、ここまでのトーンだとそう簡単なカタルシスは与えてもらえなさそうな語り口ですね。痛みを伴うビターな結末になりそうです。

作画はとにかく素晴らしいの一言で、完成度の高い引きの1話、古典的なすれ違いの悲劇である6話、超絶作画のスレッタとミオリネのぶつかり合いの演技が見れる11話が印象的。勿論戦争アニメらしい無慈悲さと復讐譚としての異常さと狂気が見れる12話も白眉。

ティザービジュアル通りやっぱり魔女だったスレッタの末恐ろしさがどうなるのかを2期に楽しみにしたいと思います。個人的にはエアリアルに内包された自我が物語をどうポジティブなものに覆してくれるのを最も期待したい。
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