パン

進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)のパンのレビュー・感想・評価

4.2
終盤の展開がTHE少年漫画って感じする。
進撃の巨人化したエレンこの世のものとは思えない禍々しさ。
キモいのに美しい。

主人公が凶悪なラスボスってある意味デスノートっぽい作品だったな。
ジークの言動って割と反出生主義に近いものがあるよね。
「何故恐怖に負けちゃダメなんだ?」とかこの人多分哲学者とか向いてるタイプ。

この作品を最後まで観てからまた1話から見直すと色々と新たな発見があって面白いと思う。
特にエレンの言動。

ラストはなんとか大団円っぽく綺麗にまとめてるけど、壁外人類の被害が8割消滅って結構ヤバいな。
正真正銘の大量虐殺。エレンは紛れもなく悪魔そのものだよ。
これ外国では結末を変えるように署名運動とか起こったらしいね。

最終話はエレンの言い訳タイムが個人的にマイナスポイント。
人間臭い描写を見せる=悪魔性の否定になってるもの。

「主人公エレンはこんなに酷いことしたけど、でもちゃんと仲間思いなんですよ!どうかわかってね!」ってわざわざ会話で説明しちゃってんだよね。
そこは正直ダサい描写だと思った。
人殺しは最後までそれらしくしてるべきだ。

つまり俺としてはもっとエレンを深く断罪して欲しかった。
そのラストが欲しかったな。
エレンのベルトルトに対する過去の発言「もう人間じゃねえんだぞお前!」をエレン自身に言ってあげたい。

本作は中々バッドエンド寄りだと思う。
この作品ってよく考えると序盤からずっと読者の予想を裏切るような凄い展開の連続だったように思う。

ただ連載長いとどうしても突っ込みどころというか少しづつ粗が出てくるね。
これは仕方ないことかも。
あとリヴァイとか人気キャラをいつまでもくどいくらい酷使しすぎだと思うw
「人気キャラだから大人の事情で殺せません」みたいなのが透けて見えた。
至近距離で巨人を倒せる威力の雷槍食らったら流石に死ぬと思うんだが…マーケティング的に考えて死なせたくないから延命したんだろうなあ。

この最終回は原作漫画と内容が結構違う。
違うというか加筆されたという感じか…
その辺もまた好みが別れるかも。
パン

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