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セラフィムコールのもとまちのレビュー・感想・評価

セラフィムコール(1999年製作のアニメ)
3.7
ありがちなオムニバス形式のギャルゲーアニメかと思いきや、恋愛要素ガン無視で大胆な実験をしまくってる。一話一ヒロインなのでドラマ性は薄いし作画も荒削り。けれど「見たことないモン作ったるぞ」というクリエイターのメラメラした野心が楽しめる作品。
一話、いきなりパトレイバー風のギャグ回が始まってビックリ(絵コンテ吉永尚之だし)。
二話、ぬいぐるみの主観視点で少女の部屋を覗き見る。この回がいちばん印象的。少女の箱庭空間を一歩引いて冷徹に描いているのが面白いし、何より窃視することの居心地悪さを視聴者に追体験させてくるのがすごい。覗きの罪が「こちら側」へメタ的に堂々と突きつけられるラストはアッパレ!
三話、何とも微笑ましい小津パロディ。小津は固定アングルでカッチリ切り返すし、アニメだと作画枚数の節約になんのかな。
四話、キャラクターのアクションによって過去と未来を自在に行き来する編集の凄味。
五・六話、これは『ペルソナ』オマージュ? ふたりはひとり、ひとりはふたり的な。虚構と現実が複雑に入り混じった観念の迷宮......という体で、作画カットを使いまわして二話作っちゃってるのがヤバい。
七話、唐突な時間SF。ストーリーはこれがいちばん良く出来てるかな。扉の開閉によって時間と空間が錯綜していく。
八話、『サンダーバード』ごっこ。
九話、なんかスベってない?
十話、漫画演出が楽しい。『リアルブルー』普通に読んでみたい。
十一話、演劇。ヒロインのキャラが苦手。
十二話、全員集合してました。
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