機動戦士Vガンダムの7の情報・感想・評価

戦争に巻き込まれ戦うウッソ、それでも人殺ししたくない。現実と良心が葛藤する。戦争の無惨さを伝えるこのガンダムシリーズ、かなり見応えがあります。

「旧世紀以来のバイク乗りの伝統の復活を願う私が、これしきのことで！！」（ドゥカー・イク） バイク乗りの伝統って何（笑）？ ドゥカー・イク大尉初登場回ですね。 本作に様々なカオスを持ち込んだ人ですが、 この人もベスパ軍人らしく基本は良い人ですね。 少し用心深いのか、シャクティやウッソ達を一旦は調べますが、それでも解放してくれてます。 きっと頭の中はバイクでいっぱいなんでしょう。 彼の率いるガッダール隊は単座の戦斗バイクと複座のガリクソン。 まあ、二輪は二輪なのですが、コックピットは本体の中にあって、まるっきり風を感じられないあれらをバイクと呼んで良いものなのか（笑）。 狭くて空気自体が貴重なコロニーでバイクで走り回ったりは出来ないので、うんと広い地球で思う存分バイク乗りたいってのは分からないでもないですが、汚染された地球をさらに汚染してどうするんだろう。 宇宙世紀のコロニーでも一応バイクは廃れてはないみたいです。 一年戦争時、ジオンのランバ・ラル隊のゼイガンがフラウ・ボゥをバイクで追跡してますよね。雷の存在すら知らなかったラル隊なのにバイクには凄腕レベルで乗れてるんで、バイク文化はきっとあるんでしょう。 イク大尉のバイクに対する想いは並々ならぬものがあって、この後に車輪を装備した戦艦によるモトラッド艦隊や、宇宙世紀最強のSFSであるアインラッドが開発されたりします。 前回ヴィクトリーの上半身だけで戦ったりしたウッソは、今回は上半身だけない状態で戦闘、それだけでもガッダール隊を圧倒します。 ここまで来ると本当に凄腕ですね。 同時刻にアルベオ・ピピニーデン大尉のトムリアット大隊が到着。 話の限りでは衛星軌道上のカイラスギリー艦隊から直接降りてきたみたいで、トムリアットは単独大気圏降下能力あるんですね。 終盤のあれがあるせいで「椅子を尻で磨くだけの男」と言われがちなピピニーデンですが、彼だけがノーマルスーツも着ないで宇宙空間から降下してくるくらいなので、腕にもかなり自信ありそう。 部下のキッサロリアの安否を気にかけたり、お茶を入れてくれたカテジナに礼儀正しかったり、後の彼からはあまり想像できない紳士っぷり。 やはりベスパは人情派というか、常識人が多い印象。 対比されて目立つのが、カミオン隊の人でなしっぷり。 追撃してとどめを刺さなかったウッソをロメロ爺が激しく叱責。 元医師であるレオニードまでが「敵は生かさず撃墜しなければ、しっぺ返しが酷いのだぞ！」だって。 いや、あんただけはそれ言っちゃダメでしょ。 温和なイメージのあるオーティスもそっぽ向いてるし。 戦闘中に、「僕を人殺しにしないでよ！！」と悲鳴を上げている13歳の少年に対してこれはあんまりですよね。 第一、ウッソはカミオンと別れてカサレリアに帰るはずだったのに、ガッダール隊を見かけたからわざわざ戻ってくれたというのに。 それを感謝もしないでこれはひどい。 老人達もレジスタンス活動に入れ込むあまり、「おかしく」なっているんでしょうね。 とても正気とは思えない。 話にならないとばかりにウッソがカサレリアに帰ろうとするタイミングで公開ギロチン放送。 まあ、絶対に子供に見せるものではないですよね。 それなのにマーベットまでも「ウッソは見ておきなさい！」って。 「見損ないましたよ、マーベットさん」 元々職業軍人である分だけベスパの兵士達の方が、戦争という巨大なストレスに対して少しは耐性があるのか、イク大尉みたいにハナっから訳わからないこと（笑）考えているからなのか、この段階ではリガ・ミリティアの人たちの方が戦争で「おかしく」なってる状態ですね。 一番肝が座っていて、良識がありそうに観えるリーダーの伯爵がいなくなったせいもあるかな。 ウッソのトリッキーな戦闘シーン、 イク大尉のトリッキーなバイク愛、 カミオンの老人達のトリッキーな叱責が印象深いお話でした。

僕を人殺しにさせないでよ！！

トレーラーを襲撃する巨大金田バイク集団とかチェイスシーンの作画カッコいい。子供に見せしめギロチン処刑の中継を見るように勧めるマーベットさんとかヤバいな、トラウマになって当然過ぎる。首が落とされる先の藁のカゴの異様な存在感が凄い。流石に首コロリは無かったな。 伯爵さんはギロチン処刑の為に用意されたキャラだと思うと病んでるな。

歯医者で親知らず抜きたての私は拷問シーンを直視できなかった....