あんへる

ガングレイヴのあんへるのレビュー・感想・評価

ガングレイヴ(2003年製作のアニメ)
4.2
【2003年秋・2004年冬アニメ作品{全26話}】

原作はPS2のアクションゲーム。
キャラデザ・原案を「TRIGUN」「血界戦線」の原作者内藤泰弘氏が担当している。

原作は未プレイだけど、軽く調べるとどうやら公式でバカゲー認定されてるっぽいw


HELLSINGのアーカード
Devil May Cryのダンテ
FFⅦのヴィンセント etc...

きっとキャラクター的にビヨンド・ザ・グレイヴはこの一連の系譜なんだろうね。

特にヴィンセントとはビジュアルだけでなく、生き様や背景、人物像がひどく重なった。
寡黙で冷徹に見えても、内に秘めた熱い感情や愛する者への想いは人一倍強い。
いわば厨二臭さの権化みたいなキャラクターだよね。
基本これが嫌いな男子はいないでしょ。


表面的には壮絶な復讐劇。
しかし、根幹には常に“友情”という普遍的且つ熱いテーマがある。

『俺は一体何処で間違った?』

最早とうに後戻りなど出来ない所まで来てしまった。
そうなって初めて気付く、どうしようもない自らの過ちに。

道を踏み外してしまった親友。
死してなお、信念を貫く男。

『守り続けることは、決して裏切らないこと』

ブランドンの自らを省みない不器用で哀しい生き様は見てて胸が苦しくなる。
この作品の大部分は彼の哀愁で出来ていると言っても過言ではないと思う。


当然時代ってとこもあるが、全体的に画は古臭い。
諸々を考慮しても作画レベルは微妙。
見せ場はあるが、あまり安定はしてない。
でもどちらかと言えば、作品造りで気合いが入っているのはガンアクションではなくて人物描写の方だろう。

ブランドンとハリーの過去話はかなり時間を掛けて丁寧に描かれていた。
しかし、ストーリーの本筋に至るまでのストロークが長い分、退屈に感じる部分もあった。
劇中の尺の大半をバックボーンに費やした対価として、テンポが悪く些かアンバランスな作風に感じてしまう所は否めない。

ただ、やはり本作の肝はブランドンとハリーの男の友情にある。
ハリーが権力に固執する理由も理解できるし、何よりそれでも友を信じたブランドンの想いがまた切なく哀しい。
ラスト2話位は最早カタルシスを堪えきれなかった。

正直中盤からの諸々のSF要素には今考えるとチープさしか感じないが、すべては最後でチャラになる瑣末事。


この手のジャンル内でもかなりマイナーなアニメだとは思う。
しかし、情操を養う様な熱い作品だった。
男子なら取り敢えず無条件で観ていいレベル。
声優陣や音楽・主題歌も非常にポイントが高い。

ちなみに第1話は最初に観ても時間の無駄だと思うので、飛ばして2話目から観るのが個人的にはオススメ。(むしろ1話目は観ない方がいい気も…)


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[主題歌]

OP
作曲・編曲:今堀恒雄「ファミリィ」(instrumental)

ED
Scoobie Do「茜色が燃えるとき」

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