くわまんG

チェンソーマンのくわまんGのレビュー・感想・評価

チェンソーマン(2022年製作のアニメ)
4.5
あらすじ:まともじゃない目標を達成するためには、まともじゃなくなるしかないのかも。

幼少時から大人の奴隷で、果ては16歳で殺されたけど、大事に飼ってた悪魔犬と契約して、殺人マシンとして蘇生したぞ。さあ、どうしてくれよう。ん?どうすりゃいいんだ?…というお話。

心の叫びを代弁するエンジン音、血しぶきと共に飛び散る相手の人生、胸糞悪くならない程度の殺害時間。やっぱチェンソーは、最もスカッとする殺人器具のひとつ。

善悪さえも教わってないデンジは、幼児の純粋とそれゆえの残酷をまだ持っている。本能以外で獲得したのは、一般家庭への羨望とポチタへの愛だけ。

猿に核爆弾のスイッチを託している状況。とりあえずは、周りの大人が可能な限り正しく導いてる気がするけど、どうなることやら。

久々に睡眠時間削って一気見した。漫画買おう。

【追記】
漫画第一部を読んだので追記。
エゴは愛でしか浄化されないね…というお話だった。
ドラマの繋ぎ方は多少乱暴だったけど、主題は強いし脚本はうまいし演出はカッコいいし、文句無しに面白かった。ただ好みじゃなかった。
理由はまず、登場人物の扱い。読者に感情移入させるより、主題を説明するために必要な役割を個々に求めている感じ。例えば、岸辺やコベニは背景描写を極限まで省かれて、目撃者として便利に使われていた。そんなだから登場人物との間に距離があり、テンションがクール。姫野、レゼ、パワーのくだりはアツいんだけど、本筋ではないし。おかげでスッキリ短めの尺に収まったのだろうし、中弛みとは無縁のテンポも素晴らしいんだけど、俺は高血圧爆熱ドラマが好みなので、鬼滅の刃やGガンダムの方が好き。
次いで、外形はシンプルなのに中身がハイブロウなところ(この点マトリックスに似ているかも)。ギミックはいくら凝っていてもいいから、テーマは分かりやすい方が好みなので、俺はジョジョやハンターハンターの方が好き。
あと、味わい深いクソ映画の取り上げ方。ニッチな作品への支持というよりは、それらを愛でられないマジョリティへの批判に聞こえた。作者は若くして知識も知性も利発も備えているけど、ここら辺は若さゆえの攻撃性が出たのかなと思った。
とはいえめちゃくちゃ面白かったのでやっぱり睡眠時間を犠牲にした。