パーコーメン

おにいさまへ…のパーコーメンのレビュー・感想・評価

おにいさまへ…(1991年製作のアニメ)
5.0
池田理代子先生原作のアニメ。名門の女子校、青蘭学園で繰り広げられる憧れや嫉妬、同性愛など若いが故のさまざまな描写を描いた群像劇。最初のイメージではぶっ壊れキャラばかりのカオスな作品だと思っていたが見続けるうちにそれぞれの心情や筋の通った考え方があり、どのキャラも魅力的になっていく。ほっそいタバコと錠剤を撒き散らしながら愛用し、意中の宮さまを壁に模ったり、ナイフ投げたり、よくぶっ倒れるサン・ジュスト様の存在感たら凄い。マリ子さんもマトモな時とヤバい時の差が激しいが推したくなってしまう。主人公の奈々子も九死に一生エピソードが多い。未成年のタバコや飲酒が当たり前のように出てるこのアニメをNHKで放送していたことがビックリ。
ベルばらやエースをねらえ!、あしたのジョーなど数々の作品を手がけた出崎統監督による演出は今回特にすごかった。静止画描写や影の使い方、カット割り、緊迫感のある描写は毎度の事ながら魅入ってしまう。
そして物語を色付けるハネケンの音楽。
常に気になる展開の連続、ハマる良いアニメです。