Qちゃん

超訳百人一首 うた恋い。のQちゃんのレビュー・感想・評価

超訳百人一首 うた恋い。(2012年製作のアニメ)
4.5
藤原定家の選んだお馴染み「百人一首」の、恋歌に着目してご本人を含んだ歌の語る現実の恋模様を空想を膨らまして描く。

私、小2か3くらいに公文漫画の百人一首読んでから平安時代の恋模様とか大好きで、本もボロボロに崩れるほど読み込み、全校百人一首大会は一位でした。私より世代上の漫画「なんて素敵にジャパネスク」とかも大好きでどハマりした人間なんで、正直本作めちゃくちゃ美味しいです。

なんジャパとかも、伝説的によく出来てるし面白いのに、平安時代ものって、当時の生活や風俗をある程度分かってないと理解しづらいのと、アニメ化でも実写化でも描くのも小道具大道具衣装もほんっと大変だからほっとんど作品がないんだよね。。そんな中、所々CGだからこそ楽できる部分も使っちゃいつつ、ドキドキするような人間関係や恋愛模様のみにフォーカスを当てた平安時代ものの綺麗なアニメにしてくれてるのが、もはやそれだけでも至高。

オープニングの怒涛の恋愛絵巻とか、まさに平安時代ものの醍醐味。絵がちょっぴりちゃちめな気もするけど、まあ今どきか。押さえるとこは押さえてるので文句ないです!←

脚本も、百人一首を読み込んでても分かりにくい、各歌人の繋がりや活躍時期、政界の攻防と人間関係への影響、各人の身分の違いによる立場や読まれた状況など、各歌人にフォーカスを当てつつ、縦横時代を超えた流れがちゃんと見える構成になっていて、短編を10何編も繋げられるアニメ作品だからこそ成り立たせられる形でまとめ上げられているし、それぞれのエピソードもそれはそれでちゃんといろんな形で盛り上げられているのがなんとも楽しいし嬉しい!

そしてちゃんと良い声優を使いまくっていて、女も男も、上手いし、エモいし、エロい!笑 個人的には中納言行平(立ち別れ〜の人)がまじイケメン。←いま思ったけど1000年以上経っても自分の名前が役職付きで残るの、ヤだね。

エピソード的には、カバーにもなってる、才色兼備でユーモラスな小野小町•甘やかされた残念イケメンな在原業平•身分高い人たちに振り回されるけどお茶目で真面目な文屋康秀の、まさかの仲良し3人組が最高に好きだった。小野小町って、どことなく自身の色香に頼ってブイブイ言わせたけど歳取ってお払い箱、みたいな残念女子なイメージ持ってたんだが(ひでえ)、このアニメ的な解釈を考えると、宮廷に上がって活躍することを願って実践して売れっ子になった女子たちって、社会進出と女性の社会的活躍を目指した男女参画の大先輩たちと言えないこともないんだな、とも思ったり。

なんなら百人一首の全員分やってくれても良いんですよ⁉️ニッコリ
Qちゃん

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