Runa

天元突破グレンラガンのRunaのネタバレレビュー・内容・結末

天元突破グレンラガン(2007年製作のアニメ)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしいアニメ。5本の指に入る。
ただの大団円でないところが良い。
「お前を信じる俺を信じろ」
「お前が信じるお前を信じろ」
自分を信じられなくなった時に、また見たいアニメ。


とにかくストーリー構成が上手い。
まずあれほど魅力的なカミナというキャラを早々に退場させた思い切りの良さに脱帽した。
生き返りがあるものだと思って見てたけど浅はかだった。
ただ、存在はなくともカミナを皆の動向の中で感じさせるシーンが多く、
死してなおアニキの魂が本当に最初から最後まで、折れそうな皆を奮い立たせていたのにもグッと来た。

テーマは意外と重いのだけれど、
勢いと特徴的な口上、わかりやすい信念で読み手の精神をいたずらに削らない。

一貫して気合と愛の物語なのと、
シモンが規格外の主人公すぎるので、
ロシウの存在が非常に良い塩梅で光っていた。
ロシウがいるから、シモンの異常性がわかる。
カミナもそうだけれど、超人的な力を身につけるほどシモンが神の域に達していくのが
ロシウの存在で浮き彫りになる。

ラストがまたとても良い。
正直歯切れ良いものではないが、
自分の思いを通して宇宙の滅亡を選択した人間の業そのもので、考えさせられるものがあった。
明日を目指すニアは未来そのもの。
そのニアが消えることは何を指すのか?
その選択をしたシモンが最後仲間に囲まれず
寂しく質素な服装をしているのはなぜなのか。

思えばそういう生き物だ。
いずれ来る喪失を頭の端ではわかりつつ
今ここの喜怒哀楽を無視はできない
愛を育み、やりたいことをする
宇宙規模で見たらそれは愚かなことなのだろうか
…と筆舌に尽くしがたいこの気持ちを、とにかく誰かと話したくなる
そんな良いアニメでした。
出会えたことに感謝!
Runa

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