zakicoさんの映画レビュー・感想・評価

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母とわたしの3日間(2023年製作の映画)

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母ひとり娘ひとりだからこそ
素直になれないこともある
求めすぎてしまうことがある
そして、そんなところが似る

いずれ別れは訪れることをわかっていても、そのときに後悔するであろうこともわかっているのに
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

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正義、秩序、好奇、
それらが重い空気のように交差する教室
が息苦しい

どこにでもあるのかもしれない
学校でも職場でも

異なる価値観の人が集まるというのは、たとえ今穏やかに笑っていようとも、いつだっ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

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何が悪で、何が正なのか

自分の中の正義と相容れない価値観に気持ち悪さや、憤り、わかりあえない絶望を抱くことがある。信じていた正義が揺らぐことがある。

もし、この世界が終わりを迎えるとして、そのとき
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湖の女たち(2023年製作の映画)

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世界は美しくも汚れてもいる

仄暗さを心が占めるなら、きっと美しさを感じることはできず、
また、汚れさえも闇にかき消されてしまう

光が差し込むだけの余白が、その両方を捉えるのに必要で、なのにいつだっ
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ミッシング(2024年製作の映画)

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にわかに奪われる日常
壊れゆく日々の営み、そして心

容赦なく向けられる好奇の視線に、
心ない言葉や憶測、偏見
まるでドラマの展開を待つような、
スキャンダルを望むように

そして、やがてその関心すら
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祝日(2023年製作の映画)

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絶望と虚無と

手放したはずの執着
ほんの少しの交わりから
抗いたいともがく自分を知る

ハピネス(2024年製作の映画)

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誰よりかわいい君
君は素敵、好きだよ

ともすれば、若き日の淡く甘い恋、
御伽話になってしまう

けれど、
君と出会えたことは人生最大の幸運
それは宝くじの高額当選よりずっと尊い

17歳、
みずみず
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プリシラ(2023年製作の映画)

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彼女はどこにでもいる少女だった
誰もが憧れるトップスターと出会い、恋を知る
スターの隣を許された女が、
羨望とともに奪われる自由、意思

恋からやがて愛に変わるとき、
女は強く、美しさを手にする
他方
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

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気がつけばいろんな傷痕があって、後ろを見たら、足跡なんてぐちゃぐちゃで、
消化できない、或いは消し去りたくない想いを持ち越して、今日を積み重ねて迎える明日。

好き!大好き!今日も明日も君が好き!!
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恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

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不器用な主人公、行き違いや、ちょっと迷惑でお節介な友人や家族、そしてタイミング。
それらは恋をこんがらがらせ、引っ掻き回し、物語を最高潮に導くためのエッセンス。
安定、安心を携えながら、チャーミングな
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

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18年前、18歳の僕
18年後、36歳の僕

君と出会って別れて、夢中で駆けたこの18年間は、君との約束を叶えるためだったのか
それとも、君を忘れるためだったのか

築いた全てを失い、君を辿る旅に出る
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

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男だから 女だから
子どもだから おとなだから

そんなの成り立たなくなってくるんだけど、
成り立ってしまうのが女子高生。
すべてのことに意味を持たせようとしてしまうのは、おとなの悲しい性とも言える。

マイ・スイート・ハニー(2022年製作の映画)

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45歳、恋愛経験ゼロ
菓子開発への情熱を除き、面白みもない生活を送る拗らせの中年男子が41歳シングルマザーに出会い、恋をした。(ただし、恋ともわからず)

しかし、このふたりを取り巻く家族たちは、どう
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バジーノイズ(2023年製作の映画)

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ひとりで構わなかった
ただ頭のなかに、自分の身体のなかに流れる音をかたちにしたいだけだった

誰に何が響くかなんてわからない
誰かに届けたいなんて考えてなかった
本当は、そう思っていただけかもしれない
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異人たち(2023年製作の映画)

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この世に心残りがあると、その魂は死してなお止まるという。
幼い頃にできたほんのわずかなしこりと、マイノリティの後ろめたさを抱えた男が、亡くした両親との関係を再構築するように、交流を重ねていく。
わだか
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あまろっく(2024年製作の映画)

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時代は平成どころか昭和だし、
どうにもあり得ないことも満載なのに、
これでいいと思わせる、むしろこれがいいと。

しかし、父ちゃんはかっこいいけど、
突然ハタチの美女と結婚したかと思ったら、
あっとい
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

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パパと過ごした思い出は、リンダのものであって、ママとパパとの大切な時間でもある。
大切な人を失った悲しみは、それぞれに深く刻まれ、おとなだから平気、子どもだから大丈夫じゃない、なんてことはない。

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リトル・エッラ(2022年製作の映画)

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どれだけ庭に花を咲かすことができるのか、
それは人生の豊かさとなる。

理屈じゃない。
大切なものを失いそうで、自分の居場所がなくなりそうで、本当は愛に結ばれた2人を前に意味がないことなどわかっていて
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パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜(2023年製作の映画)

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強い想いがあれば夢は叶う、なんてことは言わない。
けれど、強い想いがなければ、夢を見ることもできないし、夢がなければ追い求めることもできない。

恵まれない境遇からひとり歩み出す青年、だけど、彼はいつ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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縁、
前世から現世、そして来世へ

縁に導かれた人たちが、ふと心に手を当てたとき、その心地よさの落としどころが、結ばれるも結ばれないも、交わるも交わらないも、その結末を司っている。

恋愛が、「男」と
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

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つくづくオペラは情感の作品だと。
愛も憎しみも、その全てを解き放つ。

登場人物たちの歪み鬱屈した感情も、
オペラに乗せたとき、ようやく向かうべきほうに進めることができるような。

この作品がコメディ
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ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

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ドラマティックに結ばれたふたりだからといって、永遠にヒーロー/ヒロインの関係が続くなんてことはない。

最高到達点からは、生活や取り巻く環境に変化の訪れとともに、いかに減点を減らせるか、となる。

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ペナルティループ(2024年製作の映画)

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終わらない復讐
ただ復讐という行為のための1日を繰り返す
ここに憎悪のループは伴わない

きっと始めからおかしい
それが狂った世界の出来事なのか、
或いは人物が狂っていく過程なのか

始まりと終わり、
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

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突如、日常を侵食する異質、
「普通に」おかしい状況も、それが当たり前となれば、ただの日常の一部になる。
それこそが一番恐ろしい。

なんでもなかったあの頃には戻れない。
ただし、あの頃は本当になんでも
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

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愛を終わらせない方法ー

次第にかたちをつくっていく始まりに対して、あるとき突然(のように)に迎える愛の終わり

恋はどんな形であれ、いつか終わることがほとんどだろう
けれど、愛に終わりなどあるのだろ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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どう生きるか、
それはどう在るべきか、ともまた違う。

出会いも別れも、美しきも醜さも、欲や希望、願い、
生きることを与えられているとするなら、
皆が手離すことの難しさや葛藤や、得ることの喜びを受けな
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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人里離れた山荘で男が落下して死んだ
発見したのは男の盲目の息子と飼い犬
山荘にいたのは男の妻

事実はこれだけ
容疑をかけられた男の妻、その容疑を立証すべく次々と明かされる妻の不都合
そのどれもが、妻
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変な家(2024年製作の映画)

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奇妙な間取りに隠された、旧家に伝わる呪いや儀式。
死した者の怨霊などより、生きる者の信仰のほうが、よほど恐ろしい。

この家に生きる者がいる限り、その呪縛が消えることはないのだろう。

18歳のおとなたち(2023年製作の映画)

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「18歳です。今日からあなたはおとなです」
なんてことはない。
成人ってただのカテゴライズでしかなく、30、40過ぎようとも、名実ともに「おとな」かと言われても、みんなおとなだけど、おとなじゃないもの
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コットンテール(2022年製作の映画)

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家族や老いと向き合うと、それを言葉にするのは簡単だ
やがて来る別離、ふいに訪れるのではなく、目の前で確実に失われていく妻という存在を前に、その時が訪れるのを知りながら覚悟など決まらない
親と子であれば
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

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家族という呪い
自身のなかにある価値観という縛り
家族も価値観も自身を守る盾になりうるけど、それを与えられるのは実は幸福なことであって、その環境は与えられるばかりではない

ひとりではない
多くに響か
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

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目的地までの限られた時間、
明日には顔も忘れているかもしれない相手と過ごす時間

タクシーという窮屈な空間であるがゆえ、
その居心地の悪さを誤魔化すかのように、ほんの少し語り過ぎることがある
それぞれ
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

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魂は離れない
それは三世にわたり結ばれている縁にほかならない

少女から女性への過程、
ふたりの世界に、ふたり以外が入り込むことを拒むことはできない
葛藤や愛憎を知り、彼女たちは大人になる

純粋に思
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一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

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鬼か蛇か
心に棲まわせているものが、
ふとしたときに暴れることがある

過去は未来をつなぐために在るのではなく、ただ、そのときに起きたこと、感じた出来事があるだけだ
つなぐもつながぬも、それは選べばよ
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このハンバーガー、ピクルス忘れてる。(2023年製作の映画)

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めんどくさい、の前に
なんとも、しょうもない

どうでもよいことを至って真面目に議論し、屁理屈を並び立てるのは、もはや思考のバグなのか
或いは、恋する男女ゆえなのか

恋ってくだらないがデフォルトで、
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風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)

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女性であること、
社会に、時代に声を上げることが現代と比にならないほど困難であった時代
気高く真っ直ぐ在ったであろう伊藤野枝

その強さや美しさと、
片や抗えない情の波に窺える脆さは、
これを女性ゆえ
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