mizunoさんの映画レビュー・感想・評価

mizuno

mizuno

映画(756)
ドラマ(0)
アニメ(0)

お嬢さん(2016年製作の映画)

4.8

赤。粘りの強烈な、どろりと濃厚なこの赤。「これです!わたしの好きな色!」と大声で叫びたい。誰かに言いたい。誰でもいいから真っ赤で溢れたこの頭の中を見てくれないか!いやーまいった。ひとり静かに大騒ぎして>>続きを読む

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

3.8

号泣はしなかった。ただ2時間強、胸の中は常に「ジーン」の状態が保たれる。ベタベタしすぎない。メソメソしすぎない。おら泣け!という押し売りはせず、彼らは色んなことを受け止め抱きしめ生活を編んでゆく。とて>>続きを読む

ファウンド(2012年製作の映画)

4.0

血と肉と兄弟愛。テカテカ光る赤い色の中で一際光るピュアな瞳…。なんだこれ最高か。低予算丸出しのスプラッタは正直言って好みではない。ゾンビや臓物にはお金をかけてほしい派。ああでも、好みには抗えない…。わ>>続きを読む

だれのものでもないチェレ(1976年製作の映画)

4.2

パッケージを見かけるたび、「だれのものでもない」というフレーズが気になっていた。真っ先に頭に浮かんだのは「自由で縛るものがない」という意味合いのもので、この蝋燭の火を見つめるチェレという男の子の腕白物>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.4

モデル業界の裏、美への執着、少女の成長。好物ばかりだ。しかもそこに血と狂気のフレイバーまでトッピングされている。ドロドロに巻き込まれるのは勘弁だけれどドロドロを眺めるのは大好きなわたしのようなゲスには>>続きを読む

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)

3.8

疲れてるときにはやっぱこれだね!と言いたくなるような映画だった。尺も題材も主演女優も絶妙にお手頃。いやースッキリした。こういうコンディションを選ばず楽しく観られる映画は本当に重宝する。大満足だ!>>続きを読む

溺れるナイフ(2016年製作の映画)

3.0

少女漫画を読まなくなって久しい身なのであまりわかったようなことは言えないのだけれど、何かが間違っているような気がする…。というか大人には介入不可能の世界観だなこれは。青臭いナルシズム、尖る10代の恋。>>続きを読む

ライオット・クラブ(2014年製作の映画)

3.6

ハ・ラ・タ・ツーーーー!
始まりから終わりまで、一貫したイケスカナサ。オックスフォード大に実在するクラブを元にしているという「ライオットクラブ」。傍若無人のお坊っちゃま達が下衆の限りを尽くす。そこにあ
>>続きを読む

それでも、やっぱりパパが好き!(2014年製作の映画)

4.0

躁鬱病を患う父と二人の娘、三人で過ごした一年間。春夏秋冬が巡るボストンの街ですったもんだする親子を眺める。叫んだり飛び跳ねたり出ていったり抱き合ったり、なんとまあ騒がしい。 家族総出で作り上げた生活は>>続きを読む

サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)

3.8

仲間っていいよね!などと肩を組める連中がわたしにはいないので、この映画のテーマには未知と憧れがたくさん詰まっていた。家族よりも秘密を知っていて、恋よりも時に強い。10代の頃に結んだ友情が魔法のように現>>続きを読む

マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり(2015年製作の映画)

4.2

「こじらせ女子」という言葉が流行りだしたあたりから、うっすら感じていた。自分もこれに該当するのではないか…、と。何をもってそう認定されるのか基準はわからない。けれどこの映画のヒロインに当てはめると間違>>続きを読む

SPY/スパイ(2015年製作の映画)

3.6

「美男・美女・美男」のサンドイッチはもう食べ飽きた。たまには違うもん挟んでくれないかハリウッド!などという声が届いたか知らないけれど、とんでもなく肉厚な具がサンドされた。「美男・おデブ・美男」新食感な>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.0

最近は「壊れている、もしくは壊れかけ」の人たちを主人公にした映画が本当に多い。現実ではこんな風にどん詰まりになっている人にそうそう出会わないのだけれど、皆うまく隠しているだけで実はこっそり壊れているの>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

3.8

誰かを全力で信じること。それは永遠に晴れない空を見上げているようなものだと思う。確信も正解もなく、自分自身の中にしか存在しない。疑惑や不安をくぐり抜けその信念を貫くのは容易ではないだろう。だって人は皆>>続きを読む

不屈の男 アンブロークン(2014年製作の映画)

3.4

オリンピック選手という功績を持ちながら、壮絶な捕虜収容所体験を強いられたルイ・ザンペリーニ。彼がどれだけの屈強な精神で過酷すぎる苦境を生き抜いたのか…。
公開前から監督がアンジェリーナ・ジョリーという
>>続きを読む

パディントン(2014年製作の映画)

3.8

テッドと同じカテゴリーに入れてしまっていたことをまず謝りたい。ごめんなさいパディントン、あんなエロ熊と並べてしまって…。あなたは素晴らしい紳士でした!赤いお帽子と青いコート。レトロで暖かいロンドンの街>>続きを読む

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.8

言葉がうまく出てこない。喉までせり上がっているこの気持ちの正体はなんだろう。途方に暮れているのに清々しいような。泣きたいような笑いたいような。息苦しくなって深呼吸を何度もした。あらすじにそった感想、ス>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.2

はあ…。端から端まで満遍なく愛おしかった。ジョン・カーニーの映画はいつもそうだ。隅っこにいてもちゃん見つけて、誰もひとりぼっちの気分にさせない。そしてその不器用な思いやりの全てがキラキラした音になる。>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.0

劇場で観れたー!!!もうそれだけで達成感。フィルマークスを始めていなければまず間違いなくスルーしていた作品だ。ハリウッドGODZLLAは何故か二作とも観ているのに、オリジナルは一作品も観たことがない非>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.8

毎日顔が別人に変わってしまう主人公。ありそでなかったこの設定が面白い。コメディ、ホラー、ミステリー、どうにでも料理できそうなこの素材を純愛一色で味付けしたところが良い。キラキラを全面に押し出した韓国の>>続きを読む

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

3.8

哀愁たっぷりなオヤジコンビと悲壮感漂うミステリーでグイグイ引き込んだ1作目。「これはシリーズあるな」とラストで観客をニヤリとさせた特捜部Qが早速帰ってきてくれた!まさかこんなに早くあの二人に会えるとは>>続きを読む

完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)

3.4

この映画が事実に忠実なんだとしたらボビー・フィッシャーという人はとんでもない問題児だ。これだけの天才、クセがスゴいことはもちろん想定内ではあったけれどその異端ぶりは想定の遥か向こう側。「神経質で繊細」>>続きを読む

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)

3.8

ケビン・ベーコンはお腹があまり出ていない。さすがに若い頃よりは多少厚みは増したけれど十分にスタイルキープしていると思う。還暦目前にして、これはなかなか凄いことではないか。小学生の頃ビデオで観た「フット>>続きを読む

ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年製作の映画)

4.2

「終わりで始まりの4日間」というとても好きな映画がある。自由で青くて何者でもない自分が大嫌いだった当時、この映画はわたしに優しく寄り添ってくれた。自分を好きになれたでも変われたでもないけれど、確かにあ>>続きを読む

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

4.0

海外ドラマ「ブレイキングバッド」が好きで好きでたまらない。ファーストからファイナルまで、とり憑かれたように一気見したシリーズは後にも先にもこれだけ。シーズンを重ねるごとに刺激と興奮がどんどん増していき>>続きを読む

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.2

タイトルに、「数学」とついている時点で気負っていた。なんせわたしは死ぬほど数字に弱く二桁以上になると足し算すら怪しい。計算機を使ってもたまに間違える。それでもやはりカンバーバッチとキーラ・ナイトレーを>>続きを読む

神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)

3.6

路上に寝そべり夢うつつでキスを交わす若い男女。世界は二人のためにあり、視界は互い以外を映さない…。退廃にまみれたロマンチックな光景だ。「あなた以外は全部ゴミ」、というキャッチフレーズ通りの不健康で破滅>>続きを読む

あん(2015年製作の映画)

5.0

わたしの祖母はあん作りが上手だった。甘過ぎず、どちらかというとホクホクしていて食べ飽きない。子供の頃のおやつと言えばそれだ。あんを炊くのは大抵午前中から。古い家の陽当たりの良い台所と、あずきのグツグツ>>続きを読む

フリーキッチン(2013年製作の映画)

4.0

ステーキ、シチュー、ミートローフ…。美味しそうな肉料理が食卓に並ぶ。こしらえるのは美人で優しいお母さん。真心と栄養がたっぷりつまったそれを、育ち盛りの息子が味わう。母が息子を見つめて微笑んでいる。美味>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.7

夏の夜とピンクのブラ。予告編で感じた印象と中身がここまでそのまんま合致する映画も珍しい。ジトッと皮膚にへばりつくような恐怖。甘くて青いティーンの香り。イメージ通りのホラーが展開される気持ち良さ!いいな>>続きを読む

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

4.4

人を最も輝かせるのは結局「人間らしさ」以外にないと思う。シリアスの中の生活感。緊迫の中のドン臭さ。クールに決めたいのにキマらない。なんてダサい!なんて気まずい!けれどそんな滑稽な味わいがわたしは大好き>>続きを読む

ドリーム ホーム 99%を操る男たち(2014年製作の映画)

3.7

自宅で過ごすのんびりとした昼下がり、突然ドアが叩かれる。
「この家は差し押さえられました。今すぐ荷物をまとめて退去してください」
自分に置き換えて想像してみるとよくわかる。呆然唖然思考もストップ。訳も
>>続きを読む

死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

4.2

前作である「死霊館」がとてもとてもお気に入りだ。過激な描写でしか心拍数を上げられないホラーボケ真っ只中にいたわたしを、恐怖と涙と家族愛で揺さぶってくれたあの作品。ロレインとエド。まさかまたあの霊能者夫>>続きを読む

エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)

4.0

わたしはモヤシッ子が好きだ。もちろん、トム・ハーディやチャニング・テイタムのような雄々しいスターも大好きなのだけれど、現実的な好みで言うと断然ヘナっとしたのに惹かれてしまう。ひ弱で皮肉屋でめんどくさい>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

4.4

人間の内側は覗けない。どんなに近寄っても会話しても、本当の本当は絶対に知り得ない。だらしなく惰性に生きているように見える男も、簡単に身体を売っているように見える女も、他人からすれば外側から見たままが全>>続きを読む

ゾンビーワールドへようこそ(2015年製作の映画)

3.8

冴えない男子が手っ取り早く輝くには世紀末が有効だ。ゾンビでも隕石でも悪の権化でもなんでもよい。不本意ながらも戦わなくてはならない崖っぷちが、そのポンコツな個性を光らせる絶好のチャンスになる。ピカピカの>>続きを読む

>|