薄さんの映画レビュー・感想・評価

薄

淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.1

登場人物それぞれが置かれた状況は厳しくても基本善人ばかり出てくる暖かい話。やや出来過ぎなきらいはあるけど、穏やかで良い映画だった。

見終わるとstill humanという英題も響いてくる。

流浪の月(2022年製作の映画)

3.0

常識(偏見)を元にして見えるものが本当の姿と同じとは限らないという話。

暗い内容かつ2時間半の上映時間と重そうな映画だったけど、脚本がすっきり簡潔な上、映像も結構面白いので重さを感じず見ることができ
>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

2.9

1は素直に面白い、2は過剰な自己オマージュと雑な脚本で残念……というシリーズ。前日譚的な話の3も一応鑑賞。

西部戦線異状なし(と言うか戦争映画)風味を加えて1,2と方向性を変えてきたが上手くいってる
>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.0

黒澤明の代表作の1つを主演ビル・ナイ、脚本カズオイシグロでリメイク。主役がイギリス紳士になってオシャレになった分小市民感は薄くなった気がする。

最大の長所は字幕がついて(左卜全もいなくなって)セリフ
>>続きを読む

ロサンゼルス(1982年製作の映画)

3.0

「マッドマックス」を見て他の自警団映画もみたくなったので自警団映画を代表するシリーズと言えるデスウィッシュシリーズ2作目の本作を。1作目の「狼よさらば」は未鑑賞だったけど、特に問題なく楽しめた。

>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.0

インドの「ニュー・シネマ・パラダイス」という触れ込みだった(と思う)けど、あらすじはともかく観終わった後の感触は大分違う。良くも悪くも「ニュー・シネマ〜」ほどノスタルジックじゃない。

風景とか主人公
>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.0

徐々に話の方向性が見え始め、最後にそういう映画だったのね、となる映画。某家壊し映画を思い出した。ポスターネタバレしてないか?

映画の内容自体も悪くもないんだけど、設定の方により考えさせられてしまっ
>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.1

「THE FINAL」と言ってる割に最終章感は0。一応監督は本作で終わりにすると明言してるらしいのでロッキーやランボーよりは真実味のあるFINALではある。

話としてはいつものイコライザー。マッコー
>>続きを読む

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.0

マッドマックスって派手な世紀末ヒャッハー映画のイメージだったけど、初代は低予算バイオレンススリラーだったのね。

お金がない分体当たりで頑張るって感じだろうか。出来としてはまあまあ。いわゆる自警団もの
>>続きを読む

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

2.8

散々模倣された事もあって時代を感じさせる。昔のカルトムービーという感じで、新鮮さや斬新さを失ってから見ると特に感じるところはなかったかな。

前半のホラー風サスペンスからのバイオレンス赤ちゃんプレイま
>>続きを読む

イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)

3.0

アジア通貨危機による不況下でどんどん不幸になっていく家族を描いた作品。リストラ、新興宗教、株式投資(の顛末)とバブル崩壊時の日本ドラマでよく見た道具立てで、どこの国でも同じような事が起こってたんだなあ>>続きを読む

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.0

幾つか思い浮かぶ先行作品にもう一捻り、というような映画。その一捻りが取ってつけたようなものなので先行作品ほどのインパクトは残らなかった。

と言うか1つ前の結論が正しいとすると無理があるところもあるし
>>続きを読む

犯罪都市(2017年製作の映画)

2.9

韓国らしいグロさとマ・ドンソクの肉体の説得力が魅力のバイオレンスアクション

とにかく暴れ回る中華マフィア3人だが、あそこまで暴れてしまえば警察が見逃してくれるはずもなく。刹那的に生きてるのかと思えば
>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.0

マルセルのコミュニティが想像以上にデカくて驚いた。流石に住人も気付くだろ……。ドラえもんの「ドンジャラ村のホイ」を思い出したけど、コミュニティの行く末も同じになりそうで哀しい。

映画に話を戻すと、見
>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

2.8

台湾映画「1秒先の彼女」のリメイク。主人公を入れ替えたら違った味も出てくるかと思って鑑賞したけど、単純にキャラの性別を入れ替えただけだった。えー……。

性別を交換した意味はあまりない。と言うか別に運
>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

2.9

米ソの冷戦情勢を背景としたブラックコメディ。

悪い冗談のような作品だけど今やネットを見れば似たようなやり取りやキャラが幾らでもいるし表舞台に立つ人もポツポツ出てきている。キャラクターの誇張度合いが公
>>続きを読む

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

3.0

「HERO」、「PROMISE」が案外でファンタジー武侠はもういいかと思っていたけど、チョウ・ユンファが出てるしジャンルの代表作ということで鑑賞。

評判は良くないがストーリーは武侠ものの中では面白い
>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.0

これがSISUの力ということなんだろうが単純に主人公の耐久力が激高い。その上回復力が異常(撃たれてもすぐ動けるようになる)なのでまさしく不死身。耐久力ゴリ押しアクションって珍しいっちゃ珍しいかも。>>続きを読む

共謀家族(2019年製作の映画)

3.0

どっかで聞いたような話だなあ……と思って見ていたが「マイホームヒーロー」は2017年5月から連載開始された漫画を原作としたドラマ&映画。こちらは2013年に公開されたインド映画「Drishyam」のリ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.0

才能あふれるカリスマの栄光と転落というベタな話を今風の道具立てで描いた映画。

転落する原因もベタなものなのだが、カリスマをレズビアンの女性にする事で違った意味合い、現代倫理に対するある種の問い
が浮
>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイ・ワイフ(2021年製作の映画)

3.2

妙なラブストーリーだった「心と体」のイルディコー・エニェディ最新作。

思ったよりまともな話で拍子抜けしたけど相変わらずの静謐な雰囲気は良く、好きなタイプの映画だった。レア・セドゥが非常に魅力的に撮れ
>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

2.8

前作「スパイダーバース」同様アニメーションのレベルは高い。特に今回は背景の書き込みと演出が凄かった。

……が、ストーリー面はちょっと。毎度お馴染みで食傷気味のマルチバース&どっちの正義が正しいか対決
>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

3.0

有罪確定に見えた事件が徐々に覆っていく緊張感あるスリラーとして単純に面白いし、流れの中で個人のバックグラウンドや社会問題が浮かび上がってくるのも上手い。これを95分にまとめてるんだから流石の名作。>>続きを読む

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.0

初鑑賞。もっとサイコサスペンス調のイメージだったけど割とスタンダードなノワールでびっくり。

スタンダードから外れているのが風光明媚なイタリアのリゾートを舞台にしたところ。話そのもののダークさと映像の
>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.0

「それから」以来に見る2本目のホン・サンス作品。ホン・サンスの中では「それから」が1番分かりやすいと聞いていたけど、確かに比べるとこの作品は捉えどころがないと言うか掴みにくい映画だった。

ガミが会っ
>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー 4Kレストア(1999年製作の映画)

2.9

行き詰まった男の人生を時間を巻き戻しながら見せていく人間ドラマ。感情表現が派手なのと人生の行き詰まり方が極端なのが韓国映画らしい。ただ、ひと時代(もっとか?)前の映画だからかルックと言うか画作りは韓国>>続きを読む

ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

3.0

正直今見ると中盤は退屈、と言うかダレてるようにも感じるんだが最初とラストのアクションは文句なく凄いし面白い。

ジャッキーのカンフーもキレが抜群で全盛期の充実っぷりを感じさせるし(スタントももちろん凄
>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

2.9

タイトル後即始まるアクションで一気に惹き込まれる……がその後は勢いがつくこともなく終わってしまった。凄く悪いわけではないけれど、前作の面白さを考えると残念な出来だったかな。

恋愛関係や記憶喪失の件は
>>続きを読む

山の郵便配達(1999年製作の映画)

3.1

父にとっては終わりの、息子にとっては始まりの旅を通じて親子の想いが交差するロードムービー。

ストーリーはベタなんだけど山の風景や鮮やかな夕日は美しく、不器用に寄り添う俺父子の姿は胸を打つ。温かく良い
>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

2.9

メルヴィル・ブルーを思わせる街並み、色鮮やかな車窓の風景、光と影のコントラストが見事なクアドリ教授との対面、後半車の窓越しのマルチェロとアンナの表情。評判通り映像的な魅力に溢れた映画。

「普通」であ
>>続きを読む

マーベラス(2021年製作の映画)

2.6

スタイリッシュなアクション映画……を目指して失敗に終わったB級映画という感じ。

マギーQもマイケル・キートンも洒落た台詞を連発するんだけど、どことなく間抜けな雰囲気が漂うのが午後ローっぽいと言うか何
>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.1

実在したエクソシスト云々という宣伝文句から堅い部分もあるのかと思ったけど、中身はどストレートな荒唐無稽スリラー。しかし、異端尋問を悪魔のせいにするのは都合良すぎるぞ。

こういうのを見ると知識不足でキ
>>続きを読む

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.1

癌の検査結果を待つ女性クレオの5時から7時までを追う映画。

癌=死に対するものだと思っていたクレオの恐れや不安がもっと大きいもの=自分という存在の空虚さだと分かり始めてからはグッと引き込まれた。もう
>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

2.9

箱入り主婦(?)のテルマと友達ルイーズが社会から開放されていくロードムービー。それにしたってテルマは馬鹿過ぎるだろ……。

女性2人を主人公にしてアメリカン・ニューシネマをやるというフェミニズム趣向は
>>続きを読む

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)

3.0

困り顔のままマフィアをボコボコにするサモ・ハンが怖い映画。

上半身アップで手元だけ写すアクションは晩年のセガールを思い起こさせて哀しいが、その代わりに(?)カーチェイスシーンやアンディ・ラウの階段ア
>>続きを読む

キングスマン(2015年製作の映画)

3.1

親友のガイ・リッチーを思い起こさせるオシャレアクションだけど、話自体はガイ・リッチーより素直で王道。ちょっと馬鹿馬鹿しいネタを挟みつつ、テンポ良く、先を読ませずで面白かった。ストレートに楽しめるエンタ>>続きを読む

>|