浮浪者さんの映画レビュー・感想・評価

浮浪者

浮浪者

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花子 4K(2001年製作の映画)

3.5

残飯は存在しない。均衡の破れが淀みの美を潜ませる。

彼奴(きやつ)は顔役だ!(1939年製作の映画)

3.5

手中にあるものの尊さをかなぐり捨てることで得られてしまう風景。得る必要もなかったという後悔を予測しきっても、飛び込む人は、またいる。

死の谷(1949年製作の映画)

3.5

善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや。悪が善へ転じることよりも、善が悪へ転じることのほうが面白いことの根源的不快。

鉄腕ジム(1942年製作の映画)

3.5

蝶のように舞い、蜂のように刺す。マニフェストの具現。

青春(2023年製作の映画)

3.4

私の眼と似ているからなのか(と思える内容だからなのか)、観ているものは私が見ていることと変わらないのではと思えてしまう。

撮るものと撮られるものの対話が1秒も混入しないのは、ありがたい。

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.3

風景と物語の分別がつかぬまま途方もない時間だけが流れてゆく。

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.3

環境管理型権力とパターナリズムの悪魔的融合。自暴自棄になるのは容易いがゆえに、哀しみもまた深い。

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.3

所与とされすぎる暴力と権力の無自覚さを露呈するために、付与としての暴力と権力の映像と演出だとして。内容物および経験としてクソでありきることで、現実への反作用を目論んでいるならほぼ失敗だ。

もちろん、
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RRR(2022年製作の映画)

3.4

昔々Rところに多世界としての印度がありました。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.4

放浪への衝動、母や故郷への思い、歌や虫の鳴き声からくる魂の戦慄…それらの慄きを引き起こすものを小泉八雲は「われわれの内部にひそむ、無限なるものにかかわる何か」「何百万年にも渡る無数の記憶の戦慄」と考え>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.4

スープに世界が投射されていく。一汁でよいという提案。

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.5

帰路が叶いはじめ(安定状態への移行)、それに付随するように、娘に遭遇する(不安定要因の外在化)過程における乱れ。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.3

人間であることすら叶わない(ことを厭わない)現在の描写。

別の形をとった、静かなる、哀れなるものたち。

人生とんぼ返り(1955年製作の映画)

3.5

今はなき人間がいる。愚かなまでに魅了する生き物たちの乱舞。

バルカン超特急(1938年製作の映画)

3.5

ヒステリーという魔術的な言葉(による対人認識)を極度に高めていく手腕。正気と狂気の間隙を縫い合わせるのは自信ではなく承認であることを潜ませる狡猾さ。

たそがれの女心(1953年製作の映画)

3.4

思慮が浅いのではなく、思慮を越えがちな生命。不安は魂を食い尽くす。

周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

3.4

ラム酒を厭い、燃やし、救われるものの三位一体が外輪ともに噛み合っていく。

裏窓(1954年製作の映画)

3.5

哀れなる冒険的態度に固執することですべてを失いかける半端者の肖像。

ミカエル(1924年製作の映画)

3.5

老いることと若くあること。達観と盲信の交叉領域における無が析出されている。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

The弁証法的發展。所与とみなされているもの、気付くこともなく自明とされているものの一々を事象化し、対抗し、克服していく。

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.4

映画ではなく演劇。不調の快楽に浴せるものに向けた。

悪の力(1948年製作の映画)

3.5

奪略と賦与の連鎖。円環の速さに身を委ねることが生であれたとき。

義父養父(2023年製作の映画)

3.6

"自分のものでない印象を私は生きる。諦念のうちに自分を濫費する。私は自分自身であることのうちでさえ、他人なのだ。"『不穏の書』