八雲さんの映画レビュー・感想・評価

八雲

八雲

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.3

こんな魚の話を聞いたことがある。その魚は年寄りの魚に言うの。

『ぼくは海ってものを見つけたいんです。』

『海だって?』年寄りは言った。『今いる場所だよ。』

『これ?』と若い魚。『これは水です。ぼ
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天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

5.0

なぜだ!なぜ何度観ても最高なんだ!曲も歌声もあまりの美しさに胸がいっぱいになる!

格好良くて面白くて、観るたびにいつも元気になれる作品です。

僭越ながらウーピー・ゴールドバーグさんはわたしの永遠の
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

『ここの人たちは多くが高齢で、それぞれ悲しみや喪失感を抱えて立ち直れずにいる。それでいいんだ。それでいい。』

大切な人、安らぐ家、安定した仕事、元気な身体は、いつか必ず失うのだと見せつけられます。
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

高級テーラーに本部を置く独立諜報機関『キングスマン』の誕生秘話です。

今作はほぼ戦争映画ですが、ロシアの怪僧ラスプーチンや女スパイのマタ・ハリなど、実在した人物も登場して面白かったです。

キングス
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.8

なんと序盤からキングスマンが麻薬組織ゴールデン・サークルからのミサイル攻撃で壊滅します。

同期スパイ・ロキシーさんや愛犬パグのJBがあっさり亡くなってショックすぎますが、ここから怒涛の豪華キャストた
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キングスマン(2015年製作の映画)

3.8

『Manners maketh man.(礼節が人を作る)』

ハリー(コリン・ファース)さんが落ち着いた英国紳士でとても素敵ですし、凶暴化したときも、無駄も迷いもない身のこなしが格好良かったです。
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.8

なんてハイモードなファッション!美しくて洗練されたロンドンパンクに久々に圧倒されました。

セックス・ピストルズ、ヴィヴィアン・ウエストウッド、アレキサンダー・マックイーンなどがお好きなかたなら、撃ち
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.8

重い。いまのわたしには重すぎる作品でした。

単純に人生って、過酷すぎませんか。

毒親、貧困、セクマイ、介護、友人の死、生きるのが本当に難しすぎます。

主人公·一果(服部樹咲)ちゃんの負担があまり
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シティーハンター(2024年製作の映画)

4.3

格好良い!格好良すぎる冴羽獠!

身のこなしも銃のリロードもキレキレで、すべてが美しく研ぎ澄まされておりました。

変態仮面から冴羽獠まで、鈴木亮平さんの見事なまでの完成度に終始圧倒されました。

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陰陽師: とこしえの夢(2020年製作の映画)

3.8

圧倒的アジアの様式美たるや!

素晴らしい景観のなか、衣装やヘアメイクもとても豪華で、美しい妖魔や法師たちに眼福極まれり!でございました。

禍蛇の巨大さにも驚きましたが、なにしろ式神の皆様の有能さと
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.5

『全世界に告ぐ。オアシスに眠る3つの謎を解いた者に、全財産56兆円と、この世界のすべてを授けよう。』

なんだか予告が面白そうで、なにげなく拝見したところ、見事に大当たり!

失礼ながらサムネやタイト
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.5

前評判が良かったので、正直驚きました。

登校中に見かけたイケメンに一目惚れしてそのまま追跡したり、廃墟に不法侵入したうえ、明らかに様子のおかしいドアを不用意に開けたり、設えてある置物を勝手に引き抜い
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エスケープ・ルーム(2019年製作の映画)

3.8

謎解き脱出ゲームには目がないもので、わくわくしながら拝見しました。

各お部屋はすべてリッチに造り込まれており、グロ描写は控えめですので、SAWやCUBEより観やすかったです。

個人的に、逆さまのお
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フィフティ・シェイズ・ダーカー(2017年製作の映画)

2.3

前作のドミナント(支配者)とサブミッシブ(従属者)の続編かと思いきや、まさかの急展開!

癖(へき)と心理戦を期待していたので、突然のスパダリ物語に驚愕しました。

不思議なヘリ墜落もあり、三部作との
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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(2015年製作の映画)

3.8

出だしから津田健次郎さんの吹替に痺れました。

大企業CEO・グレイこと、つんちょの近距離2ショット!セクシー圧迫面談ありがとうございます。

突然バイト先に現れて『結束バンドがほしい。』や、事後ピア
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リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)

4.8

『どうして自分を殺すの?』

『面白い表現だね。理由は忘れた。だけど死のうって決めた。』

『じゃあ自分を殺したくて飲んでるわけ?』

『飲みたいから殺すのかも。』

『おりこうね。』

お酒に身体を
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地獄の花園(2021年製作の映画)

4.5

『おまえさんの喧嘩には品がないな。そんなのはOLの喧嘩とは言わん。チンピラの喧嘩じゃよ。』

花園のようなOLたちの職場では、地獄のような派閥争いが日夜行われている。

ヤンキー漫画の設定を、そのまま
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どうにかなる日々(2020年製作の映画)

2.3

淡くてやわらかい作画なのであたたかいお話かと思いきや、とても世俗的で驚きました。

好意や信頼は『性欲』の前では無意味で無価値。

“元恋人の元恋人”と付き合いだしたり、好きな人から口止めされた秘密を
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.3

主人公・みつ子(のん)さんには、脳内に相談役『A』さんがいらっしゃいます。

恐怖感や不快感などに襲われたとき『A』さんの存在こそ“頼れる万能薬”エリクシール!と恥ずかしながらわたしも試みてみたところ
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THE3名様 ~リモートだけじゃ無理じゃね?~(2022年製作の映画)

3.3

『俺等からすると、やっぱほんとトゥンカロンぺえもん。』

ジャンボ(佐藤隆太)
まっつん(岡田義徳)
ミッキー(塚本高史)

のTHE3名様がひそかに続いていたとは!

第一弾が2005年ですので、1
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.0

あの頃の恋を、夏のお散歩を、くっついて映画を見ていた夜を、本当に“ちょっと思い出してしまう”作品です。

伊藤沙莉さんが喫煙するお姿がとても素敵で、ウィノナ・ライダーさんのように自然で似合っておりまし
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最高の人生のはじめ方(2012年製作の映画)

4.3

『1つのドアが閉まれば、別のドアが開くんだよ。』

最愛の妻を亡くして、創作意欲を失った酒浸りの老作家・モンテ(モーガン・フリーマン)

甥のすすめで、夏のあいだ湖畔に家を借りることになり、そこで隣家
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ルパン三世 THE FIRST(2019年製作の映画)

4.5

そうです。これです。こういうルパン作品が観たかったのです。

面白くて、頭が良くて、タフで、お洒落で、やさしくて、頼りになって、格好良い大人たち!

初めての3DCGですので、始めはゲーム画面のようで
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.8

『動かない』から『行く』になった今作は、露伴先生の貴重な過去が垣間見れるうえに、美しい黒のハイモードなお衣装がたまりません。

ルーブルしかり、日本家屋しかり、すべての映像がとてもお洒落で、眼福極まれ
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.3

食堂なみきやの看板娘(並木佐織)が行方不明になり、火事になったゴミ屋敷から遺体となって発見された。

容疑者(蓮沼)は、かつて少女殺害事件の際に『完全黙秘』を貫いたすえ、無罪を勝ち取り、国から多額の賠
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.5

ジェフリー・ラッシュさんを観ると否応なくわくわくしてしまいます。

パイレーツ・オブ・カリビアンのバルボッサしかり、シャインのデイビッドしかり、もう期待せざるを得ません。

そのうえヘレナ・ボナム=カ
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

4.0

ラブストーリーかと思いきや、スーパー伏線回収のとんでもない脚本に驚きました。

5人の登場人物

①婚約破棄された女・桑田真紀
②恋人に逃げられた男・宮田武
③恋人から逃げた女・倉田あゆみ
④宮田の友
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.5

『半分こして大きい方をくれる人が優しいとは限らないです。』

そんなことどうでもいい人もいるし、罪悪感からする人も、“目的”がある人もいる。

劇場版もたくさんの名言がありました。

【証拠】『証拠を
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天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.0

クーラーが効いたお部屋でクリスマスの映画を観るのはすこぶる乙でございます。

“もしも昔の恋人と結婚していたら”というパラレル系のお話ですが、なにしろ奥様のケイト(ティア·レオーニ)さんがとても陽気で
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別れる前にしておくべき10のこと(2020年製作の映画)

3.0

久方ぶりにクリスティーナ・リッチさんを拝見!

大人のシングルマザー役でも、可愛くて凛としていて永遠の金髪ウエンズデー様でございました。

内容は大方の予想通り“土壇場で逃げる男性”に振り回されます。
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やわらかい生活(2005年製作の映画)

4.5

長年お世話になった大好きなGYAO!さんの最後の作品になりました。

タイトルにある“やわらかさ”を期待していたのですが、哀しくて重くて空しいストーリーに驚きました。

のんびりと身軽に暮らしているよ
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古畑中学生 ~古畑任三郎生涯最初の事件~(2008年製作の映画)

4.3

山田涼介さん主演の『古畑任三郎』スピンオフ作品です。

古畑少年と向島くんとの出会いを描きながら『犬のタマ』『袖のペンキ』『和尚の耳毛』など、少年探偵たちが次々と謎を解いていきます。

のんびりと鑑賞
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ハングリー・ラビット(2011年製作の映画)

3.5

帰宅途中の妻が何者かに暴行された。病院で、変わりはてた妻の姿に動揺する主人公・ウィルに、謎の男・サイモンが近づき語りかける。

『よければ――私が解決する。』

犯罪者どもを被害者に代わって始末する、
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レフト・ビハインド(2014年製作の映画)

3.0

ある日突然、全世界で何百万もの人間が消失する。着ていた衣服をその場に残し、目の前から煙のように消えてしまう。

消えたのは『子ども』と『神を信じている者』だった。

どうやら聖書にある【携挙(けいきょ
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羊とオオカミの恋と殺人(2019年製作の映画)

3.5

お部屋で首吊り自殺を図る主人公・黒須くん。あえなく失敗した際に空いてしまった壁の穴から、綺麗な隣人・宮市さんの生活が見えて――。

なにが『生き甲斐』になるのか、本当にわからないものですね。

恋、殺
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

4.0

精神科病院に入院している方々のお話ですが、俳優陣の演技力がとても素晴らしいです。

①閉鎖病棟なのに閉鎖されていない
②ナイフや金属バットを自由に使える
③消えた由紀ちゃんの行方を誰も追わない

など
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