東佳苗さんの映画レビュー・感想・評価

東佳苗

東佳苗

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

不安と不安の両想い、
同じ国で違う言語を話す我らはお互いを探し合っていても辿り着けない迷路の中にいる
人生の後悔の殆どの原因は、認知の歪み、思い込み、はやとちり、被害妄想、過剰な自己防衛、対話の欠如だ
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.9

B級コメディホラー映画としては良い作品 
深いことを考えさせようとしてこない無意味さも時にはよい 

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

誰だって役割の範疇で生きることはくるしい
"理想の家族ごっこ"になるくらいなら模範的でなくても良いとずっと思っている

子供は、大人の"役割じゃない零れ落ちた人間性の部分"から善悪を学んで成長していく
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猫と、とうさん(2022年製作の映画)

4.2

ねこしか通れない心の隙間はある つよがりで素直になれない繊細な人ほどねこセラピーは必要

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.8

伝えない部分の蟠りこそが自分自身で、
伝える愛、触れる愛を遥かに超える 
大人にならないと、この気持ちはわからなかったと思う

オオカミの家(2018年製作の映画)

4.8

生まれ育った環境や遺伝的に植え付けられた空気に違和感を覚えることはとても難しい
一時的に逃げる決意をしたとしても、
何故かコロニー戻ってしまうことが多々ある

洗脳から逃げ切るには"不幸依存症"から脱
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

映画を構成する全てのディテールが意志を持っていて、高尚すぎて鑑賞後暫く放心状態になった

衣装や美術や動力など、史実と絶妙に異なるようにSF的でパラレル/スチームパンクにチューニングした部分こそが覚醒
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

5.0

本当に泣ける 
マルセルとおばあちゃんどちらにも感情移入して大変だった 
ディーン監督マルセルを産み出して動かしてくれて本当ありがとう 

そして同じタイミングでこの映画を観に来ていたお客さん全員、マ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

一斉に問題用紙が配られて、しかも答案用紙は無い 

全ての芸術は鑑賞者の体験と更新される知識欲と感受性の交わるところに問いを投げる
よって鑑賞者が"見た"だけでは映画は完成しない 

回答用紙に何も描
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.3

北欧神話を隅々まで勉強してまた観たいと思いました
預言者(魔女)ビョーク 出てくるところで毎回沸いた
オルガ(アニャ)がノルンの運命の元に女王になるとかユグドラシルとか諸々…
詳しい方が見応えある、教
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.2

3週間限定公開の初日くらいに行ったので、
明らかに、「私」の装いの方と、
自分を明石さんだと思い込んでいるであろう膝丈スカートの女の子たち、下鴨幽水荘の住人らしき方々が沢山観に来ていて、
映画館に観に
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Zolaゾラ(2021年製作の映画)

4.0

ちょっとだけ気の合う少ししか知らない可愛い非行少女を絶対に信用してはいけない 
悪事に加担させられるか、ハメられ陥れられるか、悪者としてでっちあげられる 
楽しめないってノリ悪いね♪ の人は無敵なので
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

映画では真実は語られないけど、
実話によると、キリストの幻視体験は、ベネデッタの統合失調症の症状だったというのは納得したし、"見えないものを感じる"ベネデッタにとってもはや嘘ではなく真実であったんだな
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

何も分かってない… ってニコラスの気持ちがとても理解できた
子供が物心ついてからの親の離婚は、
子供にとてつもなく傷を残す 

自分の大好きなお父さんに傷つけられたお母さんを見るのも、
お母さんではな
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.5

飛行機で観て大号泣した

アニメ現場も映画も服も音楽でもなんでも、
物作りのリーダーのすることは舵取、説得(プレゼン)であって、
ゼロから生まれたものを完成させることが
計画通り、誰にも波風立てず、な
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.7

大好きで、大事にしたい人の、
嫌いな部分と愛している部分、
どちらからも逃げないこと

本当の意味で人と向き合うとは、
自分、相手の感情からも逃げずに、
関係が終わるかもしれなくても、
ちゃんと怒って
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

4.5

どう考えても崩壊している関係性の中にある、
細やかなルーティーンや共同作業の行為自体を"愛"だと思い込んでいたくても
本当は相手に都合良く利用されているだけの、虚しい共依存の状態にある繋がりこそ中々断
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バビロン(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

マーゴットロビー最高!な、壮大なスペクタクルハリウッド映画を見せられた後、

落ち目になって希望を失ったジャック(ブラピ)が、通りすがりの若いボーイに
「未来は君のものだよ」
みたいなことを言って自殺
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.7

超個人的見解&エヴリン応援&共感視点ですが、
仕事(経営)、家事、育児、介護、(+移民差別辛い)という心身のマルチタスクの中、
+確定申告の遂行 は人生ハードモードのADHDにとっては不可能に近い
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

飲食業でもなんでも、
作り手が提供するブランド力をステータスだと思って何も考えずに消費する層、
評価を付ける、評価を見て判断する、という裁く脳での関わり方 のみになっている層、
純粋で本質的な感じ方を
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.6

34歳ベビーシッターのブリジットに、
彼氏はいる?彼女は? って聞ける6歳フランシス、それだけで最高の相棒だよ

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

IMAXで観なかったのを後悔した 
観る よりもそこに居て ソレを目撃したい気持ちになった

Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

4.3

子供でいれるうちは、社会なんて舐めてて良いし、大人には従わなくて良いと私も思うけど、いずれそうも言ってられなくなってきて、その葛藤の前にいる女の子たちの映画

実年齢も精神年齢もタメ同士の友達って、
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.2

こちらは1よりもエンタメ度が強くなっていたので、辛い気持ちよりはサクッと観れました
お父さんの描いてるブラックライトの絵を
のちにエスターがパクったのだなと理解した

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.6

好きなことを仕事にしても全部思ってたのと違う、って気持ち死ぬほどわかる

みー坊(さかなくん)が絵を書いたお店を見て、描かせてくれた友達ありがとう、って本当に思った 好き&自由 で成り立つ世界がいちば
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エスター(2009年製作の映画)

4.1

ずっと観ないようにしてたけど2があるので観た こっちの方が救い無さすぎて辛い
マックスが可愛すぎるので観れたけど
幼少期にそんな経験させるの普通に辞めてあげて! 

ソウ(2004年製作の映画)

4.0

面白いと思うけど観ると罰ゲームの気持ちになる 緊張状態になるので肩凝る

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.9

泣いてるのを隠しながらパンフレットを買ったのは人生初だった

いい加減にその大量のぬいぐるみ捨てなよ、と、
ぬいぐるみに念がこもってるんじゃない? と色んな人に言われ続けてきたけど、
友達だしいないと
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

改めて久々に観て、私はハッピーエンドだと思ってしまった

辛すぎる現実世界に適応出来ず、
病的に逃避した先の世界を「本気で信じ切ることが出来る」のは能力であり、  
それが無垢な魔力だと信じている
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.8

疎外感を感じて生きているアウトサイダー同士(ここでは食人)が、同族のパートナーと巡り合えることの尊さと、
反対に生涯孤独である同族からも狂気(嫉妬)を向けられること、
自分だって理解されたい、認められ
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ピンク・クラウド(2021年製作の映画)

4.7

"あの雲は、女性が従来の女性像になるための社会的な圧力という風に考えることもできると思います。"

ピンクでかわいい無害に見える雲に覆われた世界に幽閉されて、本来望んでいなかった"女性的な"生き方をせ
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.9

どこの業界にもいる こちらがどんなに嘆き怒り問題提起しようとも、"よくあることだしねぇ"って苦笑いされて、握り潰される

経験しても、知ってても、言わないだけのことって死ぬほどある 

全部暴かれて何
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.1

母親になりたかったという念は自分でしずめるしかないし狂気に変わりやすい しかし人の幸せを奪っては幸せにはなれない
神話をベースに書かれた絵本のような映画
エドワードゴーリーとかで絵本として観たい
アダ
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

4.5

倫理的にアウトな私小説もカルト映画や芸術にすれば崇拝されるという不思議がある

きもすぎる赤ちゃんスパイクは、ポランスキーの『反撥』に出てくるウサギの丸焼きがモデルらしい (見たことない)

この時に
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