Nishiumiさんの映画レビュー・感想・評価

Nishiumi

Nishiumi

みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「幸せは犠牲の上に成り立っている、
いや成り立たねばならない!
なんならこちらが不幸になる」
という世界。
あなたは犠牲になる誰かを選べますか?
選べなかったら自分が犠牲になれますか?
結局、あ〜あ〜
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街の上で(2019年製作の映画)

3.9

下北の古着屋で働く青年を中心にした
半径50mぐらいの恋愛群像劇。
あれあれっと見てるうちに個々のエピソードや登場人物が絡んでいって、よく分かんない状況になるの、「愛がなんだ」味を感じる。

出てくる
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

実在の世子暗殺事件に盲目の鍼師を掛け合わせたサスペンスドラマ。
明るい場所でものが見えない代わりに、闇で視力を獲得するという設定が面白い。
エンディングも影にぼんやり人の顔が浮かび上がるアートワークが
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そばかす(2022年製作の映画)

4.0

恋愛感情を持てないってだけで他人との距離感が上手く掴めない主人公。
全然楽しめない合コン、しきりに結婚を勧めてくる母、「真っ当」な人生を歩んでいる妹、なんか微妙な関係になってしまったラーメン屋の人。
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.7

「人を分かるってどういうことですか?」
映画を見てると主人公のことを一番分かったつもりでいる。
出て行った夫や、新入りで銭湯を手伝っている謎の男。分からないけど、映画の文脈の中でなんとなく筋道立てる。
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山の郵便配達(1999年製作の映画)

3.9

決して派手ではないけど滋味深いストーリー。

山間部に郵便を配達する仕事を長年続け、老年に差し掛かった男は、自分の息子に仕事を引き継ぐことにする。
親子二人と相方の愛犬一匹の、またとない旅。

重い郵
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.0

冒頭の蘇州河流域を下っていくシーンからして大好き!
退廃的な上海のなんとも言えない雰囲気。
もう20年前だけど、発展して面影は残っているんだろうか。

人魚の踊り子をするミステリアスな女メイメイと、カ
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初恋(1997年製作の映画)

3.7

初監督で初恋を撮ってみる、という設定(?)で、監督はエリック・コットなる人物。
監督自身のインタビューやボツ案など、試行錯誤の道中もそのまま映像化されている。
しかしそのコラージュがまたセンス良すぎて
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欲望の翼(1990年製作の映画)

3.8

裕福なホステスの養子に入り、何不自由なく育った男。
彼は人を愛することも、本当の愛も知らず、
女を取っ替え引っ替えしては傷付かせている。

心がドライな人間は、人を惑わせる甘い言葉も平気で使う。
彼自
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メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

4.5

チンピラのチャウ、チャウの弟分で知的障害のあるロン、二人の借金取立てがきっかけで知り合いになる美少女ペン。

偶々ロンが自殺現場に居合わせる。亡くなった少女サンが遺した遺書が2つ。3人はサンの死の真相
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ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

3.7

車に住んでいる男、鳥を飼っている女、女の近所に住む人見知りな青年。

3人のなんでもない日常。
車がエンストしたり、いなくなった鳥を探したり、自転車で川沿いを走ったり、知り合いの誕生日にケーキを届けた
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

4.0

ただただすごい……
夢をフィルムに焼き付けたような感じだ。

夢はワンカットっていつ気付いたんだろう。
そしてそれを映像化するって。。。
天才にも程がある。

一本道のはずが、
気付いたら全く別の世界
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

ゴジラ登場&戦闘シーンがひたすらかっこいい!モノクロの世界に浮かび上がる熱線、爆風、爆煙。白黒だからこそ際立つ完璧な構図。戦闘機のスピード。そしてそこに鳴り響くのはゴジラのテーマ。

ヒレと顔だけ水面
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.8

2時間近く、夢の中を揺蕩っているような気分だった。

湿度の高い中国南西部の田舎町、
時折り挟まれる意図的なロングカットとモノローグ。
かと思いきや、物語中〜終盤にかけての自由奔放な長回し。

本筋も
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長江 愛の詩(2016年製作の映画)

4.2

父親が遺した舟と詩集を手に、
男は長江を遡っていく。
行く先々で謎の女に出会う。
女は笑わない。なぜか会うたびに若返っていく。
金銭トラブルをきっかけに弟が死んでから、
夢と現実の間は曖昧になっていき
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正欲(2023年製作の映画)

3.9

性癖というデリケートな題材をテーマにした意欲作。
一歩間違えると作品の話題性のためだけに消費されかねない難しいテーマだが、
役者の演技も相俟って深い余韻を残す内容になっていた。

孤独を一度も感じたこ
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.8

U-nextで鑑賞。
本編の後にミニ解説も付いてて、これもまた面白かった。
ラテンアメリカはリアルが既にマジックめいてる、っていう解釈が印象に残った。

本編自体は目まぐるしく変化していくストップモー
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.0

静かな静かなサイキックバトル
他の人も言ってるとおり、まさに童夢だ

善悪の判断が曖昧な子ども時代に
予期せぬハンドパワーを手に入れてしまったら、
少なくない確率でああいう怪物が生まれてしまうのかもし
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.5

肝の据わった奥さんと、
気が弱いけどスイッチ入ったらヤバい旦那、
王道だけど間違いないコンビネーションですな。
2人のノロケ方が肉屋ならでは(?)なのも笑ってしまう。

サラッと気軽に見られるホラーで
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.9

タイトルズバリの内容!
貧富の差を皮肉りまくったブラックかつシュールな笑い

トップモデルのヤヤ>ヤヤに振り回される、売れ筋イマイチなモデルのカール
豪華クルーズ船の大富豪>クルー
の分かりやすい格差
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.9

何故チャーリーは過食に走ったのか
発作を鎮めるだけのエッセイとは何なのか
宣教師はなぜチャーリーにつきまとうのか
リズとチャーリーはどんな経緯で親友になったのか

映画を見てると絶対に気になる疑問が
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

最近のウェス・アンダーソン、
台詞の波に翻弄されてるうちにストーリーが頭に入ってこないまま終わるんだよな。。
テロップを目で追うのが辛くて
パッと見てあとはヒアリングに徹すると
なんとなく英語が聞き取
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.4

コメディ期待して見てからのシリアス展開、
ちょっと苦手なので点数低めだけれども
ドロステ効果を実演するところのピッタリはまった感は最高
これタイミング合わせて演じるのすごく大変なんだろうな

バービー(2023年製作の映画)

4.3

永遠の輝かしさが約束されていた毎日を手放して
自由だけれども、先の見えない不安や死と隣り合わせな人間の世界に足を踏み出したバービー

人間の世界って、人生って素晴らしいよね
生きるって不可思議だけど最
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.8

図らずも年末映画。
おめでたい感は皆無だけど、取り敢えず来年の年末は会う人会う人にオススメしたい!

笑いと緊張が絶妙なバランスで同居してるのすごいし、
こんなハードな日本人いねーよ
こんなハードな展
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さくら(2020年製作の映画)

4.5

気持ち悪いというレビューを見てから鑑賞したが、
気持ち悪くて感動もできる最高な映画だった

車の中の独白シーンがいいね
小松菜奈やっぱりいいね

ポスターのビジュアルと中身が合ってないのがただただ不幸
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.8

主人公のよしかがピュアで可愛くて拗らせすぎてて、たまに目も当てられない。
キャーーー!!!と転げ回りながらやっと見終わった。
霧島、普通にいい奴だしモテるだろうな

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.7

タイムループをクリアする秘策はオフィスらしく上申制度。
ちょっと上の先輩からベテランまで、順々にタイムループに気付かせて、永遠の一週間から抜け出せるのか……!?
特に部長を説得するプレゼンシーンが傑作
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

永遠に繰り返す2分間。
1日でも1時間でもなく、たったの2分。
2分間のトライで分かったことを積み重ね、
タイムループから抜け出すことができるのか……?
タイムループにはまってしまったのが主人公数名、
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.8

確かにこんな喋り方していた20代。
すごい。若返りして脚本書いているってんじゃなく、若さを生きてる脚本。
ただ、主役の2人には避妊しましょうとしか思わなかった。。

Pearl パール(2022年製作の映画)

3.6

可愛いと怖いが同居してる
少女みたいに微笑んだかと思ったら、
次の瞬間は般若のごとく怒り狂う
こんなに表情が忙しい主人公見たことない

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.5

あそこまで盲目的に、
一方的に誰かを好きになったことはないけれど、
寂しさのあまり他人に依存して、
自分がスカスカになった時期はある。
若い若い。そして痛い。
でも大丈夫、
ピュアな不気味ガールもみん
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.3

今村夏子に舞城王太郎に宝石の国……
なんでこんなに抑えてくるんだ
そりゃ運命だと思うよなこんなん

おまけに、食パンの枚数が5枚か6枚か議論やじゃんけんの話、
感受性レベルのやりとりで盛り上がれる人っ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

フィルムで撮られた映像全て、
ため息が出る程美しい

ケイコが通った稽古場と、
そこで過ごした時間、
自分の思い出がいつの間にかオーバーラップしてしまって、
見終わった後センチメンタルな気持ちからしば
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.6

ソフト/クワイエットなはずの、
ささやかで穏便な会合が、
次第にハード/ノイジーになっていく。

エミリーたちが蔑んでいたアジア人女性が洗練された家に住んでいたのも印象的。
結局、白人だろうが、何人だ
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

3.6

甘やかな展開を期待して見てはいけない
残酷だがリアルな物語
己の苦しみを押し隠し、嘘をつく者が前半と後半で逆転する
痛みを分かち合うことが決してできない2人とその残酷さ、
特にアンナにとっては苦しい結
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