トレンティンさんの映画レビュー・感想・評価

トレンティン

トレンティン

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.5

アニメ全話視聴済の状態で鑑賞。

原作に非常に忠実な実写化で、一定のクオリティはあったことは間違いない。良かったところも大いにあったのだが、やはり実写化映画ならでは問題点も大いにあった。

まず、冒頭
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

3.1

テレビアニメはすべて視聴済の状態で鑑賞。

テンポがとても良く、テレビアニメの雰囲気そのままに「SPY×FAMILY」らしさが存分に出ていて、笑って楽しめる作品になっていた。

しかし、裏を返せば劇場
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カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

4.0

前2作とは打って変わって、人生の岐路を描いた完全に大人向けの作品。

個人的に、終盤で「そんなことしていいんだ」と驚いたシーンまでは最高の出来だった。

単純明快なストーリーで奥深さはないが、ジョン・
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カーズ2(2011年製作の映画)

3.0

一般的にシリーズ2作目はコケがちだが、本作も例外ではない。

最大の問題点は、このストーリーを受けて、おそらく本作の教訓である”自分はどこにいてもありのままでいていいんだ”とはならないこと。

また、
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カーズ(2006年製作の映画)

5.0

これまで何度も観てきたものの、成人してから初鑑賞。

ストーリーを知っている手前、昔ほどの興奮はなかったが、昔とは全く違う価値観で「カーズ」は人生ベスト級の作品だと再認識した。

つまり、人生には勝ち
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犬王(2021年製作の映画)

4.3

古川日出男の小説「平家物語 犬王の巻」をアニメ化した湯浅政明監督作で、能楽を題材に、室町時代に人々を魅了した実在の能楽師・犬王をポップスターとして描いた作品。

前作である『きみと、波にのれたら』がイ
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バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

3.4

女性同士のキスをきっかけに公開前から話題が尽きなかった本作は、イスラム圏だけではなく中国でも上映が見送られた。

中国はピクサーにその問題のシーンのカットをディズニーに要請したが、却下されたために上映
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.9

養子としてアメリカにやってきた韓国生まれの青年・アントニオが、移民政策の法律の隙間に突き落とされ、家族と引き離されそうになりながらも懸命に生きる姿を描いたヒューマンドラマ。

ブッシュ元大統領が強制退
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.4

監督の個人的な体験から作品を作っていくピクサー。本作は、中国生まれのカナダ人のドミー・シー監督が同じく中国生まれのカナダ人の中1少女メイを主人公にして描いている。

本作は、中国・韓国・日本でまだまだ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

耳が聞こえない元プロボクサー・小笠原恵子の自伝「負けないで!」を原案に描いた三宅唱監督作。

“原作”ではなく”原案”となっていて、時代や家族構成などを変更しているため実話ではないそうだが、ドキュメン
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オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.4

ドレフュス事件を映画化した 、2019年ベネチア国際映画祭で銀獅子賞受賞作。

19世紀末から第一次世界大戦勃発までのいわゆるベル・エポックの美しいパリが表現された綺麗な絵作りがなされていて、それを観
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あの頃。(2021年製作の映画)

3.1

「愛がなんだ」以降の今泉力哉監督作は全てチェックしようと思いつつも、ハロプロについて無知だったので敬遠し、今になってようやく鑑賞。

あの頃のハロプロが良かったというオタクの話かと思っていたが、普遍的
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Winny(2023年製作の映画)

3.5

Winny事件について全く無知だったので、事前に勉強して鑑賞した結果、正直プラスアルファはなかった。ただ、本作がなければ勉強することもなかったので感謝したい。

ファイル共有ソフト「Winny」の開発
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.3

第95回アカデミー賞では同年度最多の10部門11ノミネートを果たし、作品、監督、脚本、主演女優、助演男優、助演女優、編集の7部門を受賞した作品。

海外の映画館で鑑賞したため、日本語字幕で内容を改めて
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あのこと(2021年製作の映画)

3.7

2022年度ノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーが若き日の実体験をもとにつづった短編小説「事件」を映画化した、2021年ベネチア国際映画祭で金獅子賞受賞作。

”予期せぬ妊娠”とあらすじにあった上
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.3

ダイアナ元皇太子妃について詳しく知っていたわけではなかったため、本作の鑑賞をきっかけに調べたくらいで、決して思い入れは深い中で、第94回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートを果たしたクリステン・スチュ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.7

第95回アカデミー賞で作品、監督、脚本、主演女優ほか計6部門でノミネートされた、トッド・フィールド監督の16年ぶりとなる作品。

セリフが知的で示唆に富んでいて面白く、キャンセル・カルチャーをテーマに
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7

地上波では流せないフランス版『痛快TV スカッとジャパン』のようなブラックコメディだった。

白眉は、The Village Peopleの“Macho Man”とステッペンウルフの“Born to
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長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

3.9

「シュレック」に登場する人気キャラクター「長ぐつをはいたネコ」を主人公にしたスピンオフ第二弾で、第95回アカデミー賞アニメ賞ノミネート作品。

新型コロナ以降、死生観や死への恐怖について描く作品が非常
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長ぐつをはいたネコ(2011年製作の映画)

3.3

「シュレック」に登場する人気キャラクター「長ぐつをはいたネコ」を主人公にしたスピンオフ第一弾。

シュレックシリーズはもちろん本作も鑑賞済みだったものの、内容をうろ覚えだったので、第二弾への予習として
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20歳のソウル(2022年製作の映画)

3.1

市立船橋高校の応援曲「市船soul」にまつわる実話を映画化した作品。

私は、2022年甲子園の2回戦・敦賀気比戦で「市船soul」について知り、あの独特な振り付けともにすっかり魅了され、それ以降度々
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ひらいて(2021年製作の映画)

4.0

綿矢りさの同名小説を映画化した、首藤凜監督作。

久々に筆舌に尽くしがたい感情に襲われて喰らった恋愛映画だった。

今後ゆっくり時間をかけて咀嚼していく作品だとは思うので、レビューはその度に追記してい
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.4

ナ・ホンジンが原案・製作したモキュメンタリー式フォークホラー。

タイには何度も訪れているし、精霊にまつわる儀式をテレビで見ていたにもかかわらず、タイのホラーを観たことがなかったためかなり楽しみにして
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.0

長編デビューとなる女性監督ハンナ・ベルイホルムが描くフィンランド製ホラー。

正直なところ、ホラー描写として特筆すべきものは特にないように感じた。しかし、北欧ホラーらしい美しく明るい環境で起こる恐怖は
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.5

広がり続ける経済格差が引き起こす社会秩序の崩壊を描き、2020年ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したディストピアスリラー。

メキシコ版フランス革命とでも言うべき映像は、まるで恐怖のジェットコースタ
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

リンゴ=記憶
ポラロイド=”新しい自分”

最後は、腐ったリンゴを避けて、腐った部分は切り落として食べていることから、記憶と決別して生きていこうとするのだが、本作は2つの解釈ができる。

本当に記憶を
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.4

サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ブラッド・ピットという豪華キャストが集結したアドベンチャーコメディ。

鑑賞前から観るハードルが低いのもあってか、笑えて期待通りのアドベ
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

3.7

インフルエンザがもたらす妄想と現実の映像に区別がつかず困惑を極め、全然わからなかった。しかし、その割には鑑賞後感の良い作品だった。

それは、ロシアの現実を痛烈に批判していることだけは伝わってくるから
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恋は光(2022年製作の映画)

3.4

「恋をしている女性が光って見える」という特異体質の男子大学生が主人公で、映像化するとチープになってしまう懸念のある設定だったが、ダイヤモンドダストをイメージして作られた光は予想に反してチープに映らなか>>続きを読む

辻占恋慕(2020年製作の映画)

2.2

タイトルに惹かれて鑑賞。

ちょっと理解できないことばかりで、感想もなく困っているのが正直なところ。不快に感じたシーンもちらほらあって、この映画の”終わらせ方”に悩んでいる。

そもそもゆべしが信太の
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.5

年間100本以上観る映画好きながら今更初鑑賞。

青春映画の傑作とは聞いていたが、まさにその通りで、”自我同一性の確立”についての素晴らしい作品だった。

共学の高校に通っていればわかる、モテるために
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

2.7

人間の凶暴性を助長するウイルスが蔓延するという設定の台湾ホラー。

ウイルスに感染しても、性欲や食欲や殺人衝動のリミッターを解き放たせるが、人間の意思は残ったままという点でゾンビとは異なる化け物として
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母性(2022年製作の映画)

3.2

湊かなえの同名小説の映画化ということで楽しみ反面、廣木隆一監督ということで不安反面の感情で鑑賞。

とにかく、演者の演技には舌を巻いた。特に永野芽郁の演技がすごかった。

しかしながら、褒められるのは
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

3.0

本作は『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のナタウット・プーンピリヤ監督作で、親友ウードから白血病だと聞かされたボスがバンコクに帰国して、ウードの終活をサポートしていくというドラマ。内容については、>>続きを読む