この作品を楽しむには歳をとり過ぎたんだと思う。10年前なら射抜かれていたと思う、と10年前ぐらいにみたインスタント沼の楽しい記憶を少しだけ思い出した。
自転車のシーン良かったな。安直な展開や解釈や描写がひとつもなくて、心をスッと馴染んでくるのが良かった。そうそうあることではない。映画的で美しかった。
アーサーが韓国語で挨拶するシーンがグッときて泣いてしまった。母語の壁を割り切るのはなかなか難しくて切ない。とにかく喋れない聞いても分からないってのは妙に恥ずかしくてやり切れない。
読書と出会ったときのあの感動を記憶を無くしてもう一度味わいたい、なんてはじめて思った
退屈だった色んな場面や台詞が帰り道に不思議と反芻され、心を温める。選択肢を前にして、顛末がどうあれ、選んだものがより良いものなのだと心底そう思う。だからこそ真剣に悩んで苦しんで選ぶ。今には今しかない。>>続きを読む
本を読んでいる途中で眠くなってしまい、寝る、時に見る夢の演出がとても良くって涙腺にきた。時間に淘汰された音楽は洗練されていて素晴らしい。
洋画で大家族がご飯食べるシーン、なんで大体部屋薄暗いんやろ。なんで空気悪いんやろ。
面白い。画面が暗い。無表情の中にある機微の演技が楽しい。ティルダがとても良かった
人間的で且つモダンって芸術の最終的な解だと思った。たとえば坂本慎太郎のアンサンブルとかそのひとつだと思う。美しくて且つ人に寄り添える、そういう矛盾を含んだものを作り続けられたらこれほど素晴らしいことは>>続きを読む
脚本と演技が全編結構きつい。バンド演奏シーンがとても良いだけに残念。音楽をネタににした映画的でない映画が嫌いになりつつあるかも。
松丸契はずっと良かった。
どじょう汁の件がとても良かった。他人を傷つけない為の小さな嘘、の程度が良かった。
どこまでも愚かで嘘つきで情けない人間、それでいて愛おしい。信じていい他人なんた本当はいないことを分かりつつ、私だけはと他人を頼り、今回こそはと他人に身を預ける。人を愛するとは、負け越しのギャンブルを続>>続きを読む
雷のシーンの凄まじさ。最後の手紙。複雑にみえることは複雑でないこと。
東京のビルを流すピアノがめちゃくちゃ良い。
すべての画面が余りにも綺麗で脳裏がヒリヒリする。群像劇、人の思念が画面の力によってによってぐるぐると交錯していく感じがたまらない。とても映画的。
罪を積み重ねたものが人間になるには人間出会ったことを思い出すには罪を背負わなくてはならないのかな
マリカグリーンの顔立ち
彼女が寝ている間に古い映画を2本見て、サラダを4つ食べること。靴を磨いて、それを雑に置き直すこと。
舞台っぽい演技はまあそれはそれでありとして、音楽が良くなかった。ギターでやったらいいのに。
振動させ続けなさい
あなたの心に生じたその響きを
情熱と称するものは魂の力ではなくて
魂と外界の摩擦だ
生物的な描写(動物、水を飲む時の動き、体重の感じ、人の顔に現れる機微)がいつもながらに凄い!のはさておき、何故かいまいち楽しめないままエンドロールに至った。テンポが悪い、展開が地味などの理由が挙げられ>>続きを読む
遠吠えのようなトロンボーンとホルン。音に宿る命の匂いに心を打たれた。すべての人間は怪物で、豚の脳を持つ、ならばせめて自分のことは分かってあげたい。この脳が私なのだと認めたい。
音の演出が物凄く良かった。タイトルバックと音圧、超多重コーラス、アヴェ・マリアの音色、足で弾くドビュッシー。いちばん記憶に残ってるのはベーグルのとこの劇伴と音が止まるタイミング。痺れた。それにしてもピ>>続きを読む
シンエヴァンゲリオンを別の素材で作った、というほど綾波レイであり、アスカであり、ゲンドウであったわけだが、脚本はよいものをそのままに、テクスチャーの部分に注力したのだろうと理解した。仮面ライダーに思い>>続きを読む
演奏が最高なのだが、それ以上に「素晴らしい演奏を聞いたときに生じる脳内の煌めき」みたいなものを映像化することに成功しているのが凄い。輝く液体のようなものがとろりと溶け出したり、無数の光が散開するあのイ>>続きを読む
これまでの作品にもあった強引な解釈の押しつけはさておき、ここまで映画というコンテンツを最大限に隅々まで活かした作品は中々ないと思う。脳に直接響いてくるトランペットの音、行進のようなパーカッションが塊と>>続きを読む
弾き語りの歌が流れるところがとてもいい。自分にしか分からない世界を持ち続けること、その為の努力、それゆえの恐怖
このレビューはネタバレを含みます
暗いプロローグは苦手だが、それを上回る映像、音響表現で素直に面白かった。あのラストをどう映像化するのか、が気がかりだったがとーても良かった。
夫人の振り切れた魅力。台詞、仕草、佇まいに凄味すらある。直球でありながら直接的でない気持ちの良い波はやはり、礼儀ではなく機転であると、この作品を構成する要素全てに通底する。
両親のあっけらかんとした態度がおかしくて悲劇を喜劇としている。レコードを製作するシーンが好き