げるにかさんの映画レビュー・感想・評価

げるにか

げるにか

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

1.0

東映作品特有の時代錯誤炸裂してて終始辟易…行定勲がアクションって段階で嫌な予感はしてたけども。正攻法で攻めてるのに「なんだこれ?」みたいな気持ちにさせられてブレーキかかるの、インディーならまだしも違う>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.8

死と生のメリハリが強すぎて胸焼けしそうになる。死生観のヒントが散らばってるからこその答え合わせ。

碁石みたいな眼の村川が死に対して救いを求めるように見えて仕方ない。
旅路の終着が南国だなんて洒落てる
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.6

原作未読で野木脚本くらいしか把握しないまま視聴。

デフォルメされたヤクザを綾野剛に演じさせる危うさを感じつつ、内包された狂気を生かす手法は流石。
堅気のような人に囲まれながらの歌唱シーンに多少の共感
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

3.4

終盤の紙芝居パワープレイで有耶無耶になったジョゼの人間性、そして常に担保される無償の愛に奥ゆかしさは無く御都合主義にしか見えなかった。

ライトな救いを見せるのも大事だが現実的…リアリティをスポイルし
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

2.5

「眠らなければ、目覚めることは出来ない。」
上記の台詞に端を発するコロナ禍を暗喩に暴走する作家性…流石にココまで露骨にメタやられると絵画の域ですね。視覚頼り。

キャスティングやアート面は言わずもがな
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スターゲイト(1994年製作の映画)

1.5

吹替酷いと思ったら機内上映版だとか何やらで有名らしい。どうりで。

当時としては素晴らしいVFXも紛いなりにも佳作なプロットも今となっては…。思い出補正ですらないのは多分、いや、絶対に吹替です。字幕推
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インデペンデンス・デイ(1996年製作の映画)

3.0

拍手で勝利を労うThis is Americaマンパワー炸裂具合に笑った。
結構壊滅的な被害被る割には切り替え早いし、宇宙人も慈悲深いというか詰めが甘いわでヌルいんだけど嫌いになれない懐かしさがある。
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

2.6

映画の技法に反する"静"を受け入れられるかがミソ。Skype画面とは違って視覚的要素が無い分、想像を掻き立てる会話劇…う〜ん…ラジオドラマで良くない?と思ったり。

ズンズン進むには些か材料不足のよう
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ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

3.8

主題歌がエンタの神様でハッとした。

スタートレック履修せずとも十二分に伝わるSFの醍醐味…頭カラッポの方が夢詰め込めると言わんばかり。

GBもだけどシガニーウィーバーに華があるから絵面保ってたと思
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

2.5

単なる勧善懲悪に留まらない要素もあり後語りが生々しく説得力に満ち満ちていた。気持ち悪い…というか狂気も突き詰めると落語家のような様相を呈するので心地よい範囲ではあったし、前述の理由もありマイルドな仕上>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.9

浅野いにお謹製の闇鍋みたいな作品、ってのが率直な感想。散らかりすぎた玩具箱みたいでもある。

セカイ系を軸にコロナ禍を経て可視化された"既視感ある要素"を描くセンスは良い一方、人を選ぶニッチなギャグセ
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エンゼル・ハート(1987年製作の映画)

2.8

"悪魔崇拝"という劇薬のようなファクター突き付けられた瞬間の何とも言えない感じ。ジャンルを跨いだ瞬間の何とも言えない感じ。

不穏さに特化する作品に求めるハードルを軽く超えた、が、別のレーン飛ぶのは違
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.0

悪意がメイクマネーを蹂躙する行程が生々しい…ジャンルが変わる瞬間に目眩したし救いすら見当たらない現実にひたすら絶望。

いつも眩しそうな表情してるイーストウッドが毎回暗闇で眼がギラついてるの恐ろしくも
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

2.5

007とモンスターパニックの比率がアンバランス過ぎてどうも…。

ストーリーしっかりしてるのにサメが装置扱いされていて拍子抜けしたし、お決まりのヒューマンエラーも真新しさに欠けていて前作を越えれず終い
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.0

関係性の変化とユーモア溢れる登場人物の応酬。アクション性やシリアス感を削いだロードムービー、こんなにも愛に満ち溢れるとは…。

親子で観れる古き良きエンタメ映画でした◎
(詰めの甘さや絶対に当たらない
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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man(2005年製作の映画)

3.5

「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。」

その体現。

主要エピソードをコンパクトに詰め込んだ分、9課の関係性や
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.9

影の濃さは光源の数で変わり、木漏れ日は風や枝葉の数で変わる。良い比喩ですね。

日常を愛する気持ちと変化を愛する気持ちを持ち合わせて初めて人生を謳歌すると言えるんじゃないのか…?、と、ひたすら自問自答
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

意気込みと巨額の制作費を漂わせつつ期待に応える実写映画ってだけで快挙な上、VFXを適切に用いた一連の動物描写は後進の漫画原作に対する可能性を示したとも思えた。

フードコーディネート、雪景色の映像的説
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

倫理観や価値観を誰かの受け売りで語る女性に対するアンチテーゼとしては金字塔。

そして知識欲を含む様々な欲を成長に昇華するカタルシスに揺さぶられた。

女の子とは。性とは。時代とは。
それらの答えを非
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007/ユア・アイズ・オンリー(1981年製作の映画)

2.8

マッチョな演出ばかりで間延び感が否めず仕舞い。ヴィランも今ひとつ。

技術的に水中戦を映えさせるには早すぎたのかも知れないが、ヴィランや飛び道具もイマイチピンと来ない辺り察し…。

ボンドガールは綺麗
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

STファンなので終始デヴィッドハーバーのバフかかった説得力に包まれてた。親父より親父っぽいし。

シンデレラストーリーのメイクマネーに少年漫画由来の"友情努力勝利"の黄金比を混ぜたら傑作なのは言わずも
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.1

野生動物と飼育動物の狭間で揺れ動くEOの感情。車窓から放牧された馬を眺める瞳、ハンターに蹂躙されるオオカミを横目に彷徨う姿、アテレコ無しでも十二分に伝わるEOの感情。

エゴだらけの人間社会に振り回さ
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.0

作品自体の完成度や演出は過去作に比べると劣るものの、珠緒師匠が全部掻っ攫ってく様が痛快。スピンオフ作って欲しい。

歴代最強クラスの霊媒師をポッと出す辺り幕引きを感じずにはいられない。ズルズルやるより
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KUSO(2017年製作の映画)

1.2

引用元や劇伴に携わる全てが自分のルーツにも関わらず駄作にアウトプットされていて歯痒かった。ハイセンスの皮を被ったナンセンスの免罪符込みにしても畑違いの監督作として粗過ぎる。

山岡晃やエイフェックスツ
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IDOL-あゝ無情-(2019年製作の映画)

3.0

2期BiSの消耗に反比例して結束を強めるギャンパレとの対比構造が残酷だった以外はドキュメンタリー風エンタメの様相を呈していたし、ジュンジュンの物語でもあるような作りにひたすら疑問符。

アイドルの搾取
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キリエのうた(2023年製作の映画)

2.9

「あなたにとって私 ただの通りすがり
ちょっとふり向いてみただけの 異邦人」

この歌詞を含み持たせて子供に歌わせるシーンがハイライト。
メイクマネー、過去への贖罪、自己矛盾。この三本柱を支える為の1
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くるりのえいが(2023年製作の映画)

3.8

クリエイティブなおっさんの同窓会。
バンドの歴史を紐解くよりも尊い瞬間が詰め込まれたドキュメンタリー、くるりらしさ溢れてて堪らなかった。

ジャムセッションから輪郭を探り練り上げる工程は言わずもがな、
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クリフハンガー(1993年製作の映画)

3.0

雪山の湖に飛び込んでも身震い一つしないスタローンのタフネス、Tシャツで雪山を闊歩してる割にローなスタローンのリアクション…ツッコミどころに満ち満ちた怪作。

冒頭の落下シーンはエポックメイキングだと思
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.1

酒の良さと恐ろしさのバランス感覚が秀逸。正に緊張と緩和。
依存するまでの過程が割とトントン拍子だったのに妻の浮気描写がマーティン擁護パートに見えてしまい非常に残念。フラットに酒類周りのエピソードで収め
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.9

殺しの美学を携えた悪役の底知れない恐ろしさ、007シリーズの強キャラに通ずるソレで説得力に満ちていた…。無駄に哲学披露したりね。

生き埋めシーンからの嘘みたいな脱出劇、鍔迫り合い中の急な眼球抉り、復
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.6

刀眺めるシーンで挿入されるLily Chou-Chouは良けれど、仇に遭遇した瞬間のBGMに関してはバラエティ番組で多用されてるしコメディっぽく見えちゃってダメだった。まるでドッキリ演出。

B級映画
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

2.0

映画より小説に興味惹かれた。
文章ならではの巧妙さを違うフォーマットで成り立たせる努力は伝わったが、今ひとつ刺さらず仕舞い。

台詞も文字映えするような臭みが先に来てキツかった。神様を閉じ込める、って
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The Documentary of WACK オーディション~オーケストラ物語~(2017年製作の映画)

2.8

WACK=渡辺淳之介
WACK=プー・ルイ

やってること完全にプロレスでアイドルとはかけ離れてるし、正直オーケストラ返上の流れも茶番で虫唾が走った。
でもカウンターとして刺さるにはtoo muchな
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タンポポ(1985年製作の映画)

3.7

人間は揺り籠から墓場まで食わずして生きられない。生きる為に食い、食う為に働く。その全てがこの映画には詰まっていた。

「美味いもん作ってるなら幸せそうな顔しないと」と諭す力也の発言通り、序盤→ラストに
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

3.6

QTにしてはパンチが足りない…作家性を求める層と彼なりのアメリカンニューシネマを求める層で評価が割れるのも納得。自分は前者だったので肩透かし喰らった。

殺人に明確な理由があると善悪や俯瞰で捉えられる
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.0

ヴィヴァルディの冬が流れた瞬間以外は基本的に凪。ミステリ、というかヒューマンドラマにフォーカス且つロジックも安直で特に菅田将暉の説法が長い…タイミングが合えばストンと落ちるのに多用するモンだからクドい>>続きを読む

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