名もなき技術者さんの映画レビュー・感想・評価

名もなき技術者

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ミッシング(2024年製作の映画)

3.8

娘の失踪事件をきっかけに、母親が壊れていく物語。

ショットの構図と動線をうまく活用し、様々な分断を描くのに成功していた。例えば、主人公・沙織里とその夫・豊が同じ車に乗る際、沙保里の乗車姿と豊の乗車姿
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鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)

2.8

長谷川平蔵(松本幸四郎)が若かりし頃に世話になった居酒屋の娘・おまさ(中村ゆり)が密偵になりたいと申し出て来る。平蔵はその願いを退けるが、おまさは平蔵が芋酒や『加賀や』の主人と盗賊の二つの顔を持つ鷺原>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.5

ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソン。ふたりはお互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたり>>続きを読む

フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.3

音楽の強烈さ・時系列入れ替え・フィルムノワール・主人公になっていく物語など、ノーラン映画らしい作品。一見の価値はある。
メメントに近いと感じたが、メメントを鑑賞した際に感じた凄さを本作から感じることが
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

「原爆の父」と言われているオッペンハイマーの生涯を描いた作品。
結局、科学は政治の手のひらの上で動いているし、愛や蹴落とし合いといった人間の営みにも影響される脆いものだ。そんな脆いテーブルの上に我々の
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.6

終戦間際の鹿屋にタイムスリップした女子高生の百合が、特攻隊員の彰と儚い恋愛をする。その恋愛で受け取った彰からの「愛」や「想い」の繋がりが百合の人生を変えていく物語。
彰を演じた水上恒司がうまかった。下
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.6

前作では、アトレイデス家が皇帝に殲滅され、アトレイデス家の長男・ポール=アトレイデスが南に逃げるところで終わる。本作では、復讐を見事果たす物語となる。
1作目よりは面白いが、それでも爆発的に面白い映画
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.6


雪深い人里離れた山荘で、視覚障がいのある11歳の少年が、転落死した父の死体を発見する。最初は事故死かと思われたが、捜査が進むにつれていくつもの謎が浮かび上がっていく。その謎のために、事故死か、他殺(
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(2023年製作の映画)

4.0

津久井やまゆり園事件{植松聖(うえまつ・さとし)死刑囚が、刃物を所持して施設に侵入し、45人を殺傷、うち19人を殺害した大量殺傷事件}に想を得た小説「月」の映画化作品。
植松は「社会の役に立たない人間
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花腐し(2023年製作の映画)

3.9


さとうほなみ演じる桐岡祥子は、ある男と心中してしまう。綾野剛演じる栩谷修一と、柄本佑演じる井関貴久は、時期は違うものの共に祥子の元カノであり、それぞれが祥子について語り合うストーリー。
祥子の愛によ
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正欲(2023年製作の映画)

4.8

「流れる水」に欲望を持つ人々と、その人々と関わる人々が織りなす物語。
小説版を先に読んでおり、小説版の苦みのある終わり方には良い意味で「もやもや」を感じていた。本映画は、「流れる水に対して欲望を抱くの
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

敗戦直後の日本にゴジラが襲来。そのゴジラを日本軍経験者が駆除する物語。
本作のゴジラは過去の特撮作品の中でも絶望感が強く、何度も鳥肌がたってしまった。アマチュア特撮では大殺戮を描きづらく、アメリカゴジ
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.3

もとCIA職員のロバート・マッコールが、ダイナーで出会った少女との交流を通じて犯罪者と対決していく物語。
プロットや脚本は平凡ではあるものの、デンゼル・ワシントンの目の演技や、ショットを分けてスピーデ
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.5

元CIA捜査官のロバート・マッコールが、イタリアのマフィア組織と対決する作品。
アメコミ作品において人気が高いバットマンは、正義の心を持って悪を制すが、それは法律にのっとっていない「私刑」である。また
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沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

1.3

米国製原子力潜水艦「シーバット」の艦長である海江田が、原子力潜水艦をわがものとし、独立国「やまと」を名乗って米国や日本と対立する作品。
海江田の狙いが結局最後までよくわからなかったし、日本政府のグダグ
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.4

コカインを食ってしまった熊と、その熊が起こす騒動に巻き込まれてしまう人々の物語。
コカインベアがいる山で働く人々・コカインを追うDEA捜査官・コカインを回収しようとする薬物の売人・コカインベアがいる山
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.4

エレメントシティという街やそれぞれのエレメント(火・水・空気・木)の特徴が十二分に描かれており、エレメントの活かし方についての脚本部分と、演出の部分については満点だと感じた。
例えば、火のエレメント”
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

この1本で完結するバスケのアニメ映画だからこその演出・脚本が光り、近年のアニメ映画とは一線を画した1作となっていた。
近年のアニメ映画には戦闘シーンが続くことや、説明セリフが多く盛り込まれることで、だ
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招かれざる客(1967年製作の映画)

4.2

黒人男性のジョン・プレンティスと白人女性のジョアンナ・ドレイトンは結婚を考えており、ジョアンナの両親に結婚することを認めてもらうために、ドレイトン家を訪問する。その後ジョアンナの父であるマット・ドレイ>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.0

同性愛の夫婦とその子供が、突如現れた4人組に「お前たちのうちの誰かが死ななければ、世界が滅ぶ」と言われ、夫婦が悩む物語。
終盤になるまで、4人組の「お前たちのうちの誰かが死ななければ、世界が滅ぶ。」と
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Winny(2023年製作の映画)

3.4

Winny開発者の金子勇とその弁護団が裁判でいかにして無罪を勝ち取ったのかという物語。
金子勇と弁護団の奮闘と、Winnyには刃物のように良いほうにも悪いほうにも転ぶものであり、不祥事の告発に使用する
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.2

「生きる」のエッセンスを濃縮しつつも、美しい作品へと作り直した一作。この「作り直す」とは、リメイクというより、リビルドに近い。
「生きる」では、胃癌を申告されたところや、あだ名をばらすところ、最後飲み
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

3.5

ssss.gridmanとssss.dynazenonのその後を描いた作品。
ファンムービーであり、アニメ原作を見ていないとついて行けない作品である。しかし、アニメ原作が好きだった人は必見の内容で、そ
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

4.2

キューバからアメリカにやってきた青年トニー・モンタナが、コカインの密売でのし上がり、自滅していく様子を描いた作品。
ギャング映画にお決まりの「金・(権)力・女」を手に入れた男が転落するという物語である
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.2

農民たちが収穫した作物を奪おうとする野武士に対し、侍を雇い撃退しようとする物語。
本映画は、
① 侍のリクルート
② 野武士撃退作戦の立案
③ 撃退
の3部構成に分かれている。侍のリクルートは(リクル
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.2

初代仮面ライダーをリメイクした一作。
好きなシークエンスやシーン、ショットはあったものの、全体的にみると不満が多い一作となった。
ストーリーは改造人間になった苦しみ、ヒーローとして戦うこと、家族の物語
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.3

広島県警で“伝説”と称された刑事・大上章吾がこの世を去ってから3年後、彼の遺志を受け継いだ刑事・日岡秀一(松坂桃李)は裏社会を取り仕切っていたが、そこに出所してきた“悪魔”こと上林(鈴木亮平)が現れた>>続きを読む

グレタ ひとりぼっちの挑戦(2020年製作の映画)

1.0

環境活動家・グレタ=トゥーンベリの活動を追ったドキュメンタリー。
グレタのわがままさが表現されているだけの映画だった。
グレタは、「気候変動対策に対して具体的にどう取り組むか」という案がないのにもかか
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.6

若手刑事の日岡が、大上と暴力団の繋がりを見張るという仕事をしていたが、そのうちに見張り役としてのポジションを捨て始めるという物語。
大上の日吉いじりやコメディチックな面もありながら、正義について問う重
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

2.2

スコットとピム一家とキャシーが、量子空間に取り込まれ、そこから脱出するために奮闘する物語。
前作までのアントマンは、家族愛なども盛り込まれていたが、メインはスパイ×巨大化・縮小化を生かしたアクション作
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ロビン・フッド(2010年製作の映画)

3.0

十字軍の兵士として戦っていたロビンが、ひょんなことから領主の子供の代わりとして生きることになる物語。
葦毛の馬に乗って移動し戦うロビンの姿や、城攻めの迫力、船に乗って大群で攻めてくるフランス軍にイギリ
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劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL(2002年製作の映画)

2.0

仮面ライダー龍騎本編は、トロッコ問題のような命に対する考え方の差異や欲望といった点について取り上げられており、それらの問題の取り扱い方とバトルロワイアルが上手くはまって名作になったと考える。
しかし、
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.5

マフィアの一因になることを夢見た男が、マフィアの世界でのし上がっていくが、組織との対立によって仲間を売ることになる物語。
マフィアの世界には「仲間を売るな」「けして口を割るな」という掟がある。この掟を
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すべてが変わった日(2020年製作の映画)

4.0

息子の妻であった女性とその子供をDVから助ける物語。
本作を見て、角田美代子という女ボスが家庭を乗っ取っていった尼崎殺人死体遺棄事件を思い出した。角田が暴力団をバックに様々な家庭を脅しつつも、その家庭
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カリートの道(1993年製作の映画)

4.6

元麻薬王のカリートが刑務所から保釈された後、「ギャングの間には仁義などない」という考えがカリートの中にありながら、結局は仁義を信じ、そして仁義に裏切られて死ぬことに加え、愛したゲイルとそのおなかの中に>>続きを読む

太陽の帝国(1987年製作の映画)

3.3

イギリス人小学生「ジェイミー」が太平洋戦争に巻き込まれて孤軍奮闘する物語。
ジェイミーとその両親が車に乗って会議に行くときに、中国人たちに取り囲まれるホラーチックな演出や、灰色の服を着た捕虜たちの中に
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