追放 別離 彷徨
イデオロギーの終焉 歴史が受ける試練
1人の女性の愛と運命を神話が彩っていく
哀悼 テオ・アンゲロプロス
我々にとって自動化された首都高が近未来の都市として現れることによって「異化」されている。
本当は大阪万博を近未来都市として撮りたかったらしいが。
「サクリファイス」でも反復される、汚れた手を洗われる>>続きを読む
反復と暗闇
小四の父がうまく権威を持てず、小明は父がいない、不良グループのリーダーであるハニーと山東の死亡。
象徴秩序としての〈父〉が機能不全になっていることが、1960年代、アイデンティティの>>続きを読む
これまたラストショットの長回しが良い
ナンシー『肖像のまなざし』やら読んでまた色々書く(かも)
ボブは自分の名前を車に乗せてくれた青年に伝えたのだろうか。
「人は死において、ひとりひとりその名を呼ばれなければならないものなのだ」
石原吉郎『望郷と海』
ケイコは基本的に対話をしない。
人の言葉は唇の動きを目で読み、彼女の言葉は手話で、拳で、そして目で伝えようとする。
皆が目を澄ませなければ通じ合わない。
彼女は書く、他人に伝えない自分の心をノート>>続きを読む
「形にしたら過去になる」から、書かない、のか。
決めつけない優しさが、ある人には惹かれ、ある人には耐えられない。
『永遠に手をかける』
永遠に続くような愛に気付きながら、その愛に手をかけるしかなか>>続きを読む
都合の良い関係はいつまでも続かない。
どこかで誠実にならなければいけない時が来る。
自分が唯一誠実になれる2人を見つける物語。
冒頭受動の120秒からの、ラストは素晴らしい
オリビアを聴きながらも>>続きを読む
「楽に生きたい」と何者にも縛られず、歩き続ける冬の旅。
社会や法に縛られず、放浪するモナの生き方を、ある人は羨み、哲学者は怠惰な逃避だという。
モナの路程を語り継ぐ人たちの中に、1人として彼女を名>>続きを読む
まるで始めて海を「発見」したようなショット。
セピア色で止まっていた時間が色鮮やかに動き出すラスト。
記憶の道程を反復し、その差異によって再生する。
人であることに葛藤しながらもがき、生の淵に立つ男>>続きを読む
家族、友人、恋人、恩師、それぞれからの愛と要求があってそれに応えようとする姿。自分は娘、通訳、そして夢に向かって進む姿の中で揺れている。
何かを選ぶ時には何かを捨てなくてはいけなくて、そんな時に自分>>続きを読む
元祖、女性がどんどん綺麗になっていく映画。
こういうカノンみたいな作品は物語論の潮流で考えるのが良いのだろう。
蓮實さんのいう通り、確かに心で駆動する映画なんだなと感じた。
どのショットも見逃せない、目を見張りながら惹きつけられる2時間だった。全てのシーンに意味付けがあるんだろうな、という映画だった。
痛み>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
〈母〉不在の物語
母を亡くしたマリオンは、自分だけが母になってしまう。
そんな状況から逃げるように消えたマリオンは、娘のネリーと8歳の姿で邂逅する。
どんな母親にも無垢な少女だった時代があり、過去>>続きを読む
ある先輩も言ってたけど、今まで見たゴダール作品の中では一番良かった。
アンナ・カリーナはやっぱり美しいし、気になる男からしか煙草貰わないのがなんとも。
沈黙とダンス。それぞれの視線。車での逃避行。>>続きを読む