chamさんの映画レビュー・感想・評価

cham

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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

4.5

これを面白いと言ってしまうのも憚られるけどめちゃくちゃ面白かった。
アクションも恋愛も分かりやすい感情の起伏もない、ただただ偉い人が酒もなく腹を探り合い政治の話してるだけ。
議題の背景について知らなけ
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.3

都会に疲れた女性が憧れる静かな田舎の暮らし感がすごく好きだった。
裁判から窺い知れる事件の内容に「どっちだ?!」とハラハラもするし、恋愛に至るやり取りもかわいい。
単純に映像美術が好みで、人間の女性と
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

脳を捨てて細胞で観る映画。
地上600mで帰路も電波も無いサバイバル。生還条件が他人頼みになってキツい中、あまりにも人間の慈悲が無くて逆に面白い。
若さというか愚かしさを讃美する空気感だったのが怖い。
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蛇の道(1998年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃいい〜雰囲気だった。
哀川翔も香川照之もこんな役やるんだ!って新鮮な面白さがあったし、内容も演出もじっとりしたイヤさが不快で好きだった。
リメイク版ずいぶん雰囲気変わりそうで気になる。

怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.0

箇条書きのサイコパス
人工だから作者の理解度までしか出力されないというのが現実まで染み出してしまっている。
デフォルメされた精神疾患が主軸のメタ構造、面白いかは趣味によるかなぁ。

バリバリムシャムシ
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Winny(2023年製作の映画)

3.9

あんまり期待しないで観たけどちゃんとしてて面白かった。
裁判官に分かってもらうことも視聴者に分かってもらうこともどちらも難しい題材だけど、匿名掲示板文化も警察汚職疑惑も自己表現としてのプログラミングも
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.8

静謐で敬虔なキリスト教映画。
信仰には赦しが与えられるという現代日本では傲慢にしか映らない教義も一縷の希望として繊細に描かれていて
ぜんぜん理解もないのに「あ、赦された…」って愛を感じた。

守護教師(2018年製作の映画)

3.5

クソ田舎、クソポリス、そしてドンソクニキ。ウーン、マーヴェラス。
韓国の警察描写、毎回マジやばすぎる

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.5

チャーチルの被支配地域に対する帝国主義的発言の数々を思えば副題が祀り上げという気もするけど、
言葉で脅威に立ち向かう国家元首って大変だなぁとかカッコいいなぁって雰囲気のエンターテイメントとして見れる。

アス(2019年製作の映画)

3.8

タイトルに全部詰まってる感じ。
単なるホラーとしては割とコミカルめな印象なんだけど、社会的な風刺を含めるとかなりシニカル。
日常を足下から崩すタイプの怖さの上で指差して踊ってる。
エレミヤ書11章11
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レミニセンス(2021年製作の映画)

3.5

沈みゆく世界と消えない記憶とラブの話。
好みの問題だけど、世界観や美術が魅力的過ぎたのでどちらかと言えばSFの深掘りがもっと見たかった。
でも幸せな話は悲劇の過程に過ぎないという切り口自体はだいぶ好き
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シグナル(2014年製作の映画)

3.0

なんかずっと既視感のある感じで、爆発的に面白くなりそうでなかなかならないというか。70年代にやってたら話題になってたかもな〜みたいな。
画面も音楽も雰囲気が凄くいいからサバイバル系のゲームだったら楽し
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.3

絶対に泊まってはいけない宿。
終わる気か?あ、終わった!って感じだった。AJが救いようのないド地雷男でちょっと笑えた。
理屈の分からない不快さがただただ続くのでずっときもちわるいホラー。垂れ流し向き

地獄の英雄(1951年製作の映画)

3.8

やり過ぎなくらい嫌味なんだけどやり過ぎだからもう面白い。
呪われた墓荒らしレオの為に報道者は奔走し、救出を応援する善良な民は歌い踊り、いつしか巨大なテーマパークが!!
拝金主義に人道を忘れて狂ってしま
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メメント(2000年製作の映画)

4.0

「そ、そんな感じのメモだけで本当にイケるんか?!」と感じる脆弱性をしっかりと利用した傲慢のフルコース、向き合いたくない現実なんか全部忘れて塗り替えて仕舞えばよい。
フォロウィングの次にもうこの完成度な
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セッション(2014年製作の映画)

-

夢、執着、憧憬、羨望、劣等感、羞恥、失望、憤怒、復讐、、、
「これになりきれなかった俺」
ドロドロとした音楽への愛憎に一気に引き摺り込まれる。映画がうまい。

原題のWhiplashのままがよかった。
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

SNSの悪ノリで良い印象が無かった作品だけどピンクの世界もレトロな衣装も可愛かった🩷
開幕キューブリックパロだったからどんなやねんと無駄にソワソワ。大味なコメディの割にけっこう繊細な話題だった。

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悪魔館 死霊のせいなら、有罪。(2020年製作の映画)

3.3

タイトルのせいで死霊館のパチモンっぽいけど全然ちゃんと別の話だった。
愚かだけどおばあちゃんたち執念すごくてイイネ!悪霊パーティー

バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.7

CIAと麻薬の運び屋の二足の草鞋。実話系。
いや、かわいそうだよ!!!天才パイロットだからってひたすら無茶振りされてて気の毒
資金洗浄に困って札束を土に埋めるのはアメリカではお馴染みなんでしょうか

テケテケ2(2009年製作の映画)

3.3

期待を裏切らないチープさだけど意外とちゃんとしてる
利用している気で利用されている

MAMA(2013年製作の映画)

3.7

山小屋に取り残された幼い2人の子供たちはどのようにして生き延びることができたのか?

血のつながらない親子関係、愛の行方や絆の描写にしっとり感を感じていたら
しっかりがっつりホラーパーティー始まって叫
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

3.9

大都市ロサンゼルスの宙に浮かぶ巨大モニターに芸者さんが何度もカットインしたり、板前さんが屋台やってたり、端々から聞こえてくる日本語案内だったり、漢字は中国語だったりと色々気になって面白い気持ちに。>>続きを読む

リプリー(1999年製作の映画)

3.8

ドラマ版を見て気になったので視聴。

一度嘘をついてしまったらもう戻れない。会話の流れから仕方なさと好青年っぽさが漂っていて、冒頭の懺悔を聞き返すとなんか哀しかった。
全体的に耽美な雰囲気でリプリーに
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.4

認知のひっくり返り方がきもちいー!
自主制作映画でここまでできるってマジ?映画館で観ても全然安っぽさを感じなかったし没入感も損なわれなかった。70分なのに展開が怒涛でもうちょっと長く感じた。音楽よかっ
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.5

広く浅くいろんな要素が混ざっててエンタメとして見やすい。ホラーっていうより異能者モノだったかも。
黒い電話から聞こえる相棒の声、アツい!

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

聾唖の家族に唯一健常に生まれてしまったルビーは歌うことが好き。だけど家族にその歌声が届くことはない。

前半〜中盤はルビーの視点が主なので、家業を盾に青春を搾取され続けるのが「はやく逃げろーーーッ!!
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.7

重要な情報はほとんど映像で流れていくから画面に集中できるタイミングで見た方が楽しめそう!
美術が可愛くて可愛くてミニチュアが欲しくなる。

雪山のラフなコメディ感がとても好きだった。
クズっぽいノリだ
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.3

「人間はたくさんいるけど、これはコミュニティじゃない。ただの視聴者だ」

マルセルは群れを大切に思う優しい生命だけど、共に生きられる者と生きられない者の区別はきちんと持っていて、温かくて可愛いやり取り
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

3.5

10年前に初見で本当に許せなくて、3年前に観てもまだ許せなくて、そろそろ寄り添えるかなって思ったけど新鮮に許せなかった。

マミさんVSほむらちゃんのバトルシーンすごくカッコいい!あそこで急所を狙えな
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.7

組のカラオケで絶対最下位になりたくないヤクザVS思春期声変わり合唱部部長。
サブカル的にはおBL分類だと思うのだけれど、キャスティングも脚本もめちゃよかった。「カラオケ行こうや」の奇特な絆を感じました
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.4

12人のキャラの濃いおじさんが個室で90分話し合ってるだけ!
裁判の様子や本人たちの姿は一切映らないのに、情報の照合だけで浮かび上がってくる人物像に「ああ〜…」と苦笑してしまう。
冤罪や陪審員制度への
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

きっとライヴ感のある映画だと勝手に期待していたら、思いのほか波乱のドラマがあってしんみりしてしまった
Queenだと意識してなくても聞いたことのある曲ばかりだった!ロックジャンルだけどグルーヴ感のある
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未知との遭遇 ファイナル・カット版(2002年製作の映画)

3.9

未知との遭遇によって崩壊する家庭を観る中盤辺りがかなり居た堪れなかったけど、
後半の演出がめちゃくちゃ楽しかった!音楽での対話シーンからの盛り上がりにテンションが上がった。
スピルバーグってスゲ〜や!

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.5

SFでありオカルトでもあり、宇宙の神秘と真理に触れるような正気度ロール映画。
時計仕掛けのオレンジの、瞼をむりやり固定されるあのシーンを思い出しながら観た。もっと直接脳に流し込まれるような感覚。

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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.5

半年後に彗星が落ちてきて世界が終わる!
資本主義エリート志向とキャンセルカルチャーの鍔迫り合い。
政治のために軽視される科学や思想による分断など、現実問題を露悪的に取り扱うコメディ。
幼稚さが目立って
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オデッセイ(2015年製作の映画)

3.7

植物学者が火星に取り残されて自給自足しながら帰還を試みる話。
怪物とか出てこなくて純粋な宇宙って怖ー!を味わえる。