まず、本作は『地獄の黙示録』を観ていなければ意味が分からない。同作のメイキングなのであるから、当たり前なのだが。
狂気の映画の裏側が、より狂気の世界であったということは分る。しかし、尺が短い。もっと長>>続きを読む
青春とは何もない日々の連続である。その何もない日々に実は何かがあり、思い出を形成していく。
本作の前半はその青春を描き、そのまばゆさで観客を圧倒してくる。しかし、より素晴らしいのは後半である。
これは>>続きを読む
中盤から後半への展開は見事。ラストは素晴らしいと言って良い。
ただ、そこに至るまでが史実を追いかけセリフ中心で展開してしまっているのが残念。
原爆作成への道を描くというのは分かる。しかし、後半のシーン>>続きを読む
とにかく密度が濃い。無駄なシーンが一切無い。
そのため、130分も超える長さの作品として観ると、ダレる場所がなくかなり辛い(苦笑)
十年ぶりぐらいに観たのであるが、富野監督がアニメで人間を描こうと足掻>>続きを読む
なんとも安っぽい。東映時代劇の末路を感じさせる1作。
特に酷いのは、音楽。何故にアクションシーンにあのような曲調を指定したのか?
そして、脚本の酷さ。物語らしきモノはあるのだが、それを掘り下げることは>>続きを読む
大変に惜しい作品。新幹線を主題にした映画といえば、パニック映画の傑作である『新幹線大爆破』が最初に浮かんでくる。
本作は『~大爆破』とは違い、騒音問題という建設時に社会問題になったことを下敷きにした、>>続きを読む
石井輝男監督が日活で撮ったシリーズの番外編的作品であるのだが、石井監督が撮るとまるで東映異常性愛路線の1本を観ているような気持になってくる。土方巽も出ていますし(笑)
オープニングから一気に世界に引き>>続きを読む
自分は、一時期選挙活動に関わっていた。陣営に入り、候補者と共に街宣車から手を振り、開票日には固唾をのみつつ開票所からの速報を待っていた。候補者を応援しているから活動に力を貸していたのと同時に、選挙とい>>続きを読む
いわゆる、タレント映画。
フランキー堺という人気タレントを起用し、話題になっていた空飛ぶ円盤の話しで喜劇映画を作った……という感じだけの映画。
今の時代から見たら、あまりに簡単な展開過ぎて、喜劇映画と>>続きを読む
周りの友人達が、推薦するので観に行った。元から監督の作品が好きであり、実には行くつもりではあったが、無理矢理早めて観に行ってきた。
出だしからモノクロ広角レンズ、おとぎ話のような演出が続き、それが次第>>続きを読む
スタッフ・キャストともに素晴らしい。この布陣で喜劇映画を作ろうというのだから期待値が上がるのは当然である。
しかし、出来た作品は残念なできばえであった。
先にも書いたとおり、素晴らしい人々が集まってい>>続きを読む
快作!
A24作品は、初期の頃は大変面白くみていた。それがいつ頃からか自分の好みの作品とは違う方向へと向かっている感じがして、観には行くが落胆することの方が多くなっていた。
本作は、仕事の都合上映画館>>続きを読む
やりたいことが前面に出てしまい。それがうまく映画としてまとまっていない典型例。
学生映画のノリというか。思いついたものを次々と脚本にし、それを繋げる「糊」のような役目をするシーンをないがしろにし、出来>>続きを読む
デビューしてから人気が出るまでの部分が省略されているのが残念。伝記映画の見所のひとつは、その苦労だと思うのだが(苦笑)
中盤からの展開はひたすら見事。黒人差別問題を絡めてきて、それに反発する姿や、薬物>>続きを読む
序盤、「まさかここだけで前編やる気じゃないだろうな」と思ってしまい不安になったが、話が進むにつれて展開が出てきて安心した。ひとつの芝居場で展開するのは、かなり難しいから……。
終戦直後を舞台にしている>>続きを読む
エピソードを羅列しただけで、上映時間の短さもあってかひとつひとつのエピソードが表面をなめるだけで終わってしまい、全く掘り下げていない。
90分に収めるならば、エピソードの数を限定し、その分ひとつひとつ>>続きを読む
ファーストショットで身震いした。このたった1ショットで、この映画の持つテーマの全てが分かる。
前半は、文科省推奨映画か思うほどのシーンが続く。平和な、自由な日常が。それが次第に戦争という影が迫ってくる>>続きを読む
物語としては、さほど盛り上がるシーンはない。しかし、そこに生きる人々のリアルな声が、劇映画でありながら伝わってくるのが凄い。
そして、女性達の描き方が見事。溝口監督の粘りの演出が、画面を通してでも分か>>続きを読む
コメディ映画としての脚本は完璧に近い。笑いの中に風刺が効き、それも浮くことなく作品に綺麗に入り込んでいる。
ただ、演出に関しては少し疑問が。コメディ映画だからといってコミカルな演出をする必要はあったの>>続きを読む
前半、まったく感情移入できなかった。あまりに主人公の生き方が下手すぎて、そこにイラ立ちすら感じてしまった。
それが中盤から突然に変わる。主人公が自らの感情を吐露したところから、自分の思いと重なりまくり>>続きを読む
最大の問題は、災害の規模が分からないということである。
その地域だけの災害なのか、韓国全体の災害なのか、はたまた全世界に関わる災害なのか。それが分からないから、救援部隊が来ないことが不思議でたまらない>>続きを読む
一皮一皮むくように現れてくる人間の正体。証言により見えてくる実像が大変に面白い。構成の勝利である。
ただ、その構成が崩れてくる中盤から失速してしまう。物語としては、確かにそのようにしなければならないと>>続きを読む
1作目が日本映画へのリスペクトで面白くなっていたのに対し、それが抜けてしまった本作は多少面白さがへってしまって……とおもっていたら、グイグイのめり込んでいってしまった。
それはアクションの素晴らしさ!>>続きを読む
物語自体……というか、脚本自体にはそれほど魅力を感じない。ある意味、順当な復讐劇なのである。それを面白くするのが、さすがタランティーノ監督!という感じか。
同時に、この映画の本当の面白さを感じ取れる人>>続きを読む
軍隊映画を模した、友情物語である。インテリとヤクザという水と油の2人が、見事なばかりの友情物語を紡ぎ出す。
インテリの設定がいいのだ。くそ真面目で規則をガッツリ守るタイプであるなら、当然このような物語>>続きを読む
映画館で予告を観た際、その物語の面白さに惹かれると同時に、“自称”映像派の撮ったかのように感じるオシャレさんな映像に対し首をかしげてしまった。
実際に映画館で観てみると、映像派の片鱗は感じつつも、押し>>続きを読む
1作目を、「面白いのはエンディングのはなわの歌だけ」と酷評した自分。本作は悩みながらも満点評価をしたい。
オープニングの武蔵野線の話しだけで吹き出してしまった。
軸はやはり関西へと行ってからであろう。>>続きを読む
かつてならば、ウジ虫のアップを撮ったであろうし、死んだ女はウンコ風呂に沈められたことであろう。そんな女性に対する恨みのようなものがあるのでは?と思わせたりもしたドS監督・三池崇史もワーナーなどの大型資>>続きを読む
以前放送されたテレビ版とタイトルも同じで、実際に内容的にも大きな変更はない。確かに、一部切られた部分と足された部分はあるのだが、ほとんど気にならない。それがプラスになっているとは残念ながら言えない。劇>>続きを読む
メロドラマとは、到底思えなかった。
純粋な青年を、女性が自分の都合で心の穴を埋めるために青年を使うという、なんか残酷な物語に見えてしまった。
女性の行動原理も分からない。それが序盤では可愛らしさに繋が>>続きを読む
荒井晴彦監督からの手紙である。ラブレターとか応援とか遺言ではない、純粋な手紙。もしかしたら、私信と言ってもいいかもしれない。
この作品は、荒井監督の脚本家人生の総決算と言っていいだろう。全てを出し「同>>続きを読む
今の時代に作られるべき映画。
検察官の立ち位置が見事。検察官という「社会の常識」を配置することで、少数の者たちへの社会からの視線を代弁させることにより、それぞれの少数趣味の人たちとの対象がよく見えてく>>続きを読む
前半の物語には、全く面白みを感じなかった。頑張って自分たちの映画を撮ろうという気持だけが伝わってくる感じ。
それが後半になりテーマが明確になってくるところから面白くなる。家族と島について、あの震災をど>>続きを読む
まず、脚本が見事である。悲しみの中に、どこかユーモアがあるという、それこそ人生そのもののような脚本。チャプター構成にしたのも狙いとして心地よい。
後半は家族の話になっていくのだが、その描き方がまた素晴>>続きを読む
本来は緊張感がなければならないシーンのハズが、妙に間延びしていて緊張感がないところが多々。脚本のせいか、演出のせいか、はたまた両方のせいか。
そのような部分がありながらも、物語自体は面白い。後半からの>>続きを読む
心臓を鷲づかみにされた。あまりに見事な「青春映画」である。
脚本の力が強い。とくにホテルでの会話は、いまおかしんじ節と言ってもいいやりとりでニヤリとしてしまった。
「自分もこういうことがあったなぁ」と>>続きを読む