みぞみぞさんの映画レビュー・感想・評価

みぞみぞ

みぞみぞ

もののけ姫(1997年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーの核がシンプルな分、ジブリのすさまじさが際立つ。
ディテールに基づくリアリティこそが面白さの根幹だという日本人に通底する価値観。
屋久島楽しみー。

ある男(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

出来事一つ一つよりもそこでキャラが何をどう感じたかこそが面白い話だと、
映画化した時に解像度が如実に落ちてしまうな。
感情を地の文で丁寧に丁寧に描写していくことによる解像度と、生身の人間が発話してるこ
>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

石原さとみの演技が凄かった。何度も泣きのシーンがあったが、その泣きの演技が全て違くて適切なニュアンスがそこにあって、凄まじかった。



この監督の映画はいつもわかりやすく丁寧だし、今回も心は何度も揺
>>続きを読む

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作漫画を読んだ時には、生まれ変わりの設定の奇抜さに目を取られて、この作品の面白さを掴みきれぬまま読了してしまったが、
映画を見てその面白さの根幹に触れることができてかなり感動した。

生まれ変わりと
>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

日本人はこういうアメリカ人像には一生憧れ続けるんだろうなと思った。
愛への信仰心があるから、どんだけ冷静に見てても決めのシーンが鮮やかに決まると心の根っこが勝手に感動しちゃった。悔しい気持ちすらある。
>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

一般市民である自分は戦争だけは起こしてはならないとただひたすらに思ったが、
実際に戦争を起こすパワーを持っている立場の人達はこれを見てどういう感想を持つのかが気になった。
悲しい気持ちにはなりつつも、
>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ただただ鈴木亮平が凄かった。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

すごい。圧倒的だ。


杜撰なグランピング事業に伴う軋轢の描写を中心点として、ここまで普遍的な真理にたどり着くまで描写を紐付け拡張し掘り下げるというのは、間違いなくセンスと努力の賜物だな。同じことをや
>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

悲しすぎる。
幻の慰みの時を経て、自分の孤独の根源と向き合った時、
今目の前に確かにあると思っていた幸せさえ、幻であると気づいてしまう。


茫漠とした孤独の前には全てが幻であり、人間にはその幻を抱き
>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ソフィア・コッポラ本当に好き。今回も丁寧だなぁ常に。

運命としか言いようがないな。出会いから別れまで、運命に揺さぶられ続けるプリシラの感情が常にビシビシと伝わってきて、ずーっと心が掴まれてた。

>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。
夜のアニメーション最高だったなー。

ラストの"あなたのことは忘れない"からの水漏れからの歌の流れ、やばすぎた。

リトル・エッラ(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

可愛らしい映画だった。

この後半のエッラの感情ってとても馴染みがあるけどこれって、
好きな人が悲しむことが嫌なのか、自分が悪人になることが嫌なのか、果たして根本的にはどっちの方が支配的なんだろうな。
>>続きを読む

演劇1(2012年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

あまりに演劇だった。点数つけられない。

自分が演劇から離れた理由もこれまでになく明確に手触りをもって思い出してしまったし、また戻りたいと思い始めている理由もはっきりわかった。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ありがたい映画だった。
瞬間瞬間にワンダーが宿りまくり。

長回しにしてほしいところ全部たっぷり長回しでどっぷりその時間に浸かることができた。ありがたかった。

20代前半で好きな異性にエターナル・サ
>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

死者に問題はしわ寄せされる。
その方が、自ら傷つかずに問題を収めやすいから。
だが、写真もカルテも残り続ける。


お姉さんではなく母が精神病だと判断されていた事実、胸が苦しくなったな。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

3時間と思えない。面白すぎて一瞬だった。

複数の時間軸を同時で語ることがドラマをぐんと濃厚なものにしていてよかった。過去未来を並列にならべなければこの科学者の苦しみは描ききれないよな。

あー。シナ
>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作の感情の積み上げが完璧すぎるので、
(前後編構成の映画化に伴う必然的な)プロット入れ替えや些細な描写省略でドラマの味わい深さはみるみる減ってしまっていたし、キャラの感情も掴みどころがなくなっている
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人間関係のドラマはほぼなかったのでやり取りで感動することはなかったけど、
作品全体のテーマやシーン単位で伝えようとしてることに全体的にすごく好感が持てたので、ラストあたりでじんわり感動していた。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ面白かった。
全シーンさすがに画としてイケすぎてて、
面白くない時間1秒たりともなかった。
ずっとおもろかった。
基本ストーリーしか興味無いタイプの自分がここまで興奮してるから、こういうジ
>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

構図が面白ければ観客の興味は持続する。
そこで刺激的なものではなくてピュアなものを見せるのがやっぱ表現者の矜恃だよな。

フィクションってのは理想形だから、どこまで追い求めてもリアルには達さない。永遠
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

今までに見た法廷もので、最も本質的で真に迫っていた。

災害としか思えないような不幸な出来事が起こった時、そこに当然正しさなんて存在しないわけだけども、今後の人生や社会を成立させるために、無理やりにで
>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

痛さが良かった。

好きなテーマだったが、
2人の行動のリアリティを担保する描写が全体的にほんの少し物足りない感じがして
各々の感情に納得しづらかった。
もうちょっと一つ一つの心理描写長くてよかったけ
>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

今の人類に必要なのは、
刺激じゃなくてセラピーだよな。

主役2人とも、素晴らしかったです。

メジャーリーグ(1989年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

これがテッドラッソの元か。
B級なのにめっちゃおもろい。
それはつまり設定が最強ということで、あとは心理描写さえ丁寧になったら大化けするということ。
この時代のB級映画にはこういう原石みたいな映画がゴ
>>続きを読む

ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

最高。大好き。
ロアルド・ダールのシニカルな過剰さがまるまる映像になってて嬉しかった。
マチルダとかもアニメで映画化してほしいな。

ジョージ・クルーニーの声、色っぽい。

野生動物だから。
野生は俺
>>続きを読む

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

たまらなく良い。
なんでこんな写実的に世界を構築できるんだろう。
整えがちなところを整えず、盛り上げすぎを丁寧に避けていく。

芸術家の日々の心の機微がこんな等身大でそのまま描かれてるものを自分は初め
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

自分の好みのテイストの映画というわけでは決してなかったけど、
気持ち悪さえぐさのその奥に、確かに、力強く美しい人間賛歌があって、
ずっとドラマに説得力があったし最後は妙に味わい深い感動を味わえた。
>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

奥行のある伏線回収。
辻村深月にハマってた中高生の頃を思い出した、
そして今同じように辻村深月にハマってる中高生もいるんだろうなと思うと、
今作をより素晴らしい物語だと感じた。
今の中高生の力になりた
>>続きを読む

ウォーリー(2008年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ウォーリーとイヴの可愛さしか覚えてない理由がわかった。
話の縦軸がウォーリーの欲求と関係ないからだ。無関心かつ巻き込まれ型。
だから、ウォーリー自身のドラマに戻ってくる最後の最後は、超面白かった。でも
>>続きを読む

テトリス(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ゲームボーイを最初に触るシーンが良かった。

とにかくベタなストーリーだが、
会社員のシンプルな契約書を巡るドラマが、冷戦と接続してスパイものの規模まで大きくなるのは、やっぱり面白いよな。日常と地続き
>>続きを読む

ドラえもん のび太のドラビアンナイト(1991年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

過去の現実と伝承されたフィクションが一体化するの面白い。

ウォールフラワー(2012年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

ただただ最高だったな。
この"ただただ"を作ることは、本当に難しそうだな。

ベスト・フレンズ・ウェディング(1997年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃに価値観が古いが、なにか時代の様式美のようなものがあった。

最後は良かったなー。ここは時代問わないなー。
結婚は多分無理、セックスも無理、でも構わない。踊ろう!

SING/シング(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ラストのショーが良かった。
豚のお母さんが家事しながら踊るところでグッときた。生活に根付いた音楽。

ゴリラのお父さんは脱獄しない方が絶対感動できた。現実を完全に逸脱してまで劇的な展開を描く必要はある
>>続きを読む

>|